1. TOP
  2. エンスタマガジン
  3. 学習
  4. SIerとSEの仕事内容や役割の違いとは?求められるスキルも紹介

SIerとSEの仕事内容や役割の違いとは?求められるスキルも紹介


はじめまして、エンジニアスタイル編集部です!

コラムページでは、ITフリーランスに向けてお役立ち情報を発信します。Twitterではホットな案件を紹介してまいりますので、ぜひフォローをお願いいたします!
本記事が、皆様の参考になれば幸いです。

経験がまだ少ない方にもわかりやすく説明するために、初歩的な内容も記載しております。記事も長いので、実務経験豊富な方は、ぜひ目次から関心のある項目を選択してください。

エンジニアスタイルは、最高単価390万円、国内最大級のITフリーランス・副業案件検索サービスです。SIerのフリーランス・副業案件一覧をご覧いただけますのであわせてご確認ください。

SIerとは?種類と請負範囲を紹介

SIerという業態をご存知ですか?IT業界に身を置いている人であれば、知っている方もいらっしゃるかと思います。

ここでは、SIerの概要や種類、仕事内容について解説いたします。

SIerの概要

まずは、「SI」について解説します。

IT業界におけるSIとは、「System Integration(システムインテグレーション)」の略称です。SIは、企業のシステム開発や運用などを全て請け負う事業、またはサービスを意味します。SIに「〜をする人」を意味する「er」をつけた「SIer」は、クライアントの要望に応じ、ソフトウェアの設計や運用、コンサルティングに至るまでのシステム開発に関する様々な仕事を請け負う業態のことを指します。

端的に言えば、システム開発の全般を請け負う企業のことをSIerと呼びます。「システムベンダー」や「ITベンダー」と呼ぶこともあります。

SIerの種類

SIerは、担当するクライアントの業種をもとにいくつかの種類に分けることができます。ここでは、主なSIerの種類と業務内容について解説します。

外資系SIer

まず紹介するのは、外資系SIerです。外資系SIerは海外の大手企業の日本法人などで広く世界的に事業を展開しています。

コンサルティングに強く、グローバルな事業を担当することが多いため、SIerの中でも特に給与水準が高い点が特徴です。

また、日系企業と比べると年齢など気にしない自由な成果主義が目立つ世界になっているため、人により合う合わないが分かれます。

日本オラクルやアクセンチュアなどが代表企業となります。

ユーザー系SIer

ユーザー系SIerとは、ハードウェアメーカー以外の一般企業を母体とするクライアントを担当するSIerです。

子会社の案件を親会社から受注するパターンが多いため、親会社経由の業務で培ったノウハウをベースに仕事を拡大していくことも可能です。特に、商社系のSIerは、親会社の多様な業界とのつながりを活かせるので、メーカーをはじめ金融・証券・建設など幅広い業界に業務を展開しやすくなります。

NTTデータ、伊藤忠テクノソリューションズなどが代表企業となります。

独立系SIer

独立系SIerとは、ユーザー系SIerと異なり、親会社を持ちません。

系列企業指定のハードウェアや親会社といったしがらみがないため、クライアントの要望に合わせて柔軟にシステム開発を行える点が強みです。

独立系SIerはシステム開発をメイン業務としている会社が多いため、開発スキルを磨きたい人には適した環境です。一方で、下請けや孫請けの案件が多くなりやすいため、設計・要件定義などの上流工程に関わるには難しく、納期に追われることも多いでしょう。

大塚商会、オービックなどが代表企業となります。

メーカー系SIer

メーカー系SIerとは、パソコンやネットワークなどIT関連の機器を製造販売しているメーカー系列のSIerです。

企業によっては、情報システム部門やソフトウェア開発部門の規模が大きくなった場合に、別の会社を設立して専門企業とすることがあります。親会社から直接案件を受注することになるため、大規模なプロジェクトにも携わりやすいでしょう。

日立ソリューションズ、NECネッツエスアイなどが代表企業となります。

SIerが請け負う業務内容

次に、SIerが実際に請け負っている業務内容を具体的に解説します。

システムの企画・提案

クライアントから企業の課題をヒアリングし、どのように解決したいのか、どのようなシステムによって解決を目指すべきかを企画・提案します。システムの方針や目的、コストなどを具体的に決定するフェーズとなります。

課題の解決策をシステムに落とし込むためには、幅広い知識と経験が必要となるため、ベテランのSIerが企画・提案を担当することが多いです。

システムの設計・開発

要件定義を経て決まったシステムの仕様に基づき、実際にシステムを設計・開発します。設計書を作成し、エンジニアがプログラミングを行ってシステムを構築していきます。

設計・開発以降の手順では、クライアントが関わる機会が減り、SIerのみで作業を行うことが多くなります。

システムの導入・運用

設計・開発したプログラムのテストが完了したら、システムを導入・運用していきます。システムの使用や運用方法は、実際に開発したSIerが一番詳しいです。

正しく運用することができるか、課題解決に役立てることができるかをきちんと確認していきます。

システムの保守・改善

システムの運用開始後のサポートや改善を行うのが保守・運用業務です。システムを運用して業務を行ったり、運用後にエラーや改善点が見つかった場合は、修正を行います。

クライアントからのシステムに関する質問に答えることも重要な仕事です。

SIerは「会社」でありSE「職種」である

お話した通り、SIerとはシステム開発に関する一連の業務を担う会社のことです。一方、SIerで実際にシステム開発に取り組む人たちの職種は「SE」と呼ばれます。

ここでは、SEの概要や業務内容を解説します。

SEの概要

SEとは、「Systems Engineer(システムエンジニア)」の略称です。ソフトウェアやシステムの設計・開発に関わる職種のことを指します。

仕様書や設計書の作成や、プロジェクトの管理など、いわゆる上流工程の業務を担当することが多く、ソフトウェアやシステムの構築を行う際のプログラミングを行うことは稀です。

企業やチームによっては、ソフトウェア開発に伴う予算管理や人員配置、進捗管理などの業務も担当する場合があります。

SEの業務内容とは

次に、SEの業務内容を具体的に解説します。

要件定義

クライアントにヒアリングを行い、企業の課題点を明確にして、どのようなシステムをどのように開発していくのかを決定します。予算や開発期間などのシステム開発に必要な要件を具体的に定めていくフェーズです。

要件定義はシステム開発において大切な土台となるため、SEにはコミュニケーション能力も求められます。

外部設計・内部設計

要件定義で決めたシステムの仕様に基づき、システムやソフトウェアを設計します。

外部設計では、操作画面や操作方法、データ出力などの、ユーザーから見えるインターフェース部分の基本的な仕様を決定します。

内部設計では、外部設計をもとにシステム内部の動作や機能といったユーザーから見えにくい部分の設計を行います。

プログラミング

設計書に基づいて実際に設計を行います。プログラミングを行ってシステムやソフトウェアを構築していきます。

この工程は、プログラマーが担当することが多いため、SEが自ら着手することは稀ですが、プロジェクトの規模やチームの方針によっては、SEが参加する場合もあります。

テスト

完成したシステムやソフトウェアのテストを行います。仕様書や設計書で決めた内容が満たされているか、それぞれの機能がきちんと作動するか、システム全体に不具合がないかなどを確かめます。

運用後のバグや不備の発見を防ぐためには、この工程を丁寧に行うことが大切です。

バックアップ・セキュリティー

テストが完了したら、バックアップを取ります。バックアップを残すことで、今後の修正やアップデート時に役立てることができるため、手を加えたタイミングできちんとバックアップを取ることが大切です。

また、完成・納品前には脆弱性診断を行い、セキュリティー強度の確認も行います。そのため、SEにはセキュリティーに関する知識も求められます。

QA対応

クライアントからのシステムに関する質問に答えることも重要な仕事です。SEは開発したシステム・ソフトウェアの全貌を把握しておく必要があります。細かい部分もしっかりと理解しておくことが大切です。

ドキュメント作成:導入手順書・運用手順書

開発したシステム・ソフトウェアに関するドキュメント作成を行います。開発に関わった人以外のユーザーもシステムやソフトウェアを利用できるよう、分かりやすい内容で作成する必要があります。そのため、SEにはドキュメント作成能力やプレゼン能力も求められます。

保守

導入したシステム・ソフトウェアが問題なく運用できるように保守することもSEの業務内容です。システムに障害が発生した場合のシステム復旧のほか、システムの改修やアップデートなど、システムの安定稼働に必要な対応を行います。

SEにも複数の種類がある

SEは開発する内容ごとに種類を分けることができます。ここでは、主なSEの種類と業務内容について解説します。

ネットワークエンジニア

設計から要件定義、構築、運用・保守まで、ネットワークに関わる業務を網羅的に取り扱います。快適な通信環境を構築し、守っていくことがネットワークエンジニアの仕事です。

プログラミングスキルやネットワークに関する知識が求められます。

セキュリティエンジニア

情報セキュリティに関する業務に特化したセキュリティエンジニアは、セキュリティに配慮したシステムの企画から設計、運用までの一連の業務を担います。

ネットワークはもちろん、サーバー機器などのハードウェアやアプリケーション、システムの運用に至るまで、専門的に取り扱うことになるため、セキュリティについて深く理解する必要があります。

データベースエンジニア

データベースエンジニアは、膨大なデータを管理するデータベースの設計や開発、運用を行います。データベースの設計や運用、管理には、MySQLなどのデータベースアプリケーションを活用する必要があります。

また、アクセス権の管理やデータのバックアップなど、システムの運用も行います。不正侵入や、データ流出を防ぐために、セキュリティ設計に関する知識を身につける必要があります。

アプリケーションエンジニア

Webアプリやスマホアプリ、業務系アプリなどのさまざまなアプリケーションを開発します。クライアントと話し合ってアプリの要件定義を行い、仕様書をもとにプログラミングした後、システムを運用・保守することが主な業務内容です。

アプリ開発の初めから最後まで一連の流れを担うアプリケーションエンジニアは、パソコンやスマホが普及した今、非常に需要の高い職種です。

組込みエンジニアサーバーエンジニア

組込みエンジニアサーバーエンジニアは、家電や工業機器などの製品を実際に動かすプログラムである組み込みソフトウェアの開発を担当します。生活を支える製品の内側のシステム設計を行う組込みエンジニアサーバーエンジニアには、高度な知識と経験、スキルが求められます。

IoTやAI技術が普及するにつれて、組込みエンジニアサーバーエンジニアの需要はさらに高まっていくことでしょう。

SIerに将来性はあるのか?

ここでは、SIerの将来性について解説します。

DXの需要が拡大しており、案件が豊富

「ITを浸透させ、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」という考えを意味するDX(デジタルトランスフォーメーション)は、2000年代に提唱されて以来、世界中に浸透しました。現在は、その内容がより細分化し、IoTやクラウド、ビッグデータ、AIといった形で生活に根づいています。

私たちの生活は日々デジタル化が進んでいます。様々な技術が身近な存在となり、ユーザーが増加し続けている点からも、SIerの需要は今後も高まっていくことが考えられます。

大規模システムのクラウド化は難しく、SIer依存せざるを得ない

膨大な数のデータを簡単かつ安全に管理することができるクラウドですが、当然課題もあります。

実は、クラウドは大規模システムのデータ移行を苦手としています。既存の大規模システムをクラウドに移行するには、システムに関する知識や、適切なクラウドサービスの選定、移行時期の計画など、複雑な問題が絡んでくるのです。

これらの業務を問題なく終わらせるには、SIerに依頼することが最適です。このような専門分野を有していることからも、SIerの将来性は明るいと言えます。

官公庁・金融機関など大型案件はなくならない

官公庁や金融機関などの大規模なITシステムを開発・運用する案件は、SIerが受注する場合がほとんどです。官公庁や金融機関は、不況など時世の煽りを受けにくく、また倒産のリスクも少ないです。このような大型案件の安定した受注が見込めることからも、SIerの需要は安定していると言えます。

SIerエンジニアとSEに共通して求められるスキルとは

SIerとSEに共通して求められるスキルについて解説します。

プロジェクトマネジメントスキル

SIerエンジニアやSEはプロジェクトのリーダーを任せられることも多いです。チームメンバーの進捗を確認したり、クライアントとの窓口となるためのマネジメントスキルが求められます。

スケジュール管理やリスク管理、チームメンバーとのコミュニケーションを問題なく行えるスキルを培う必要があります。

論理的思考力

開発するシステムの企画立案や設計書・仕様書の作成を行うSIerエンジニアやSEには、論理的思考力が求められます。物事を順序立てて考えるだけでなく、その順序やプロセスが「効率的かどうか」を考慮して答えを導き出す必要があります。

フローチャートを活用し、スキルを鍛えることもおすすめです。

ステークホルダーとのコミュニケーション・調整力

プロジェクトのリーダーであるSIerエンジニアやSEは、ステークホルダーとのコミュニケーションを積極的に行わなければなりません。相手の要望を汲み取って開発するシステムに組み込んだり、質問や要望に応じる必要があります。

また利害が一致しない場合は、SIerエンジニアやSEが調整を行うことになります。経験やスキルを活かし、代替案を提案するなどの方法で、ステークホルダーとチームメンバーとの関係を健やかに保ちましょう。

ドメイン知識・理解

担当する業界に関する深い知識や理解も求められます。SIerエンジニアやSEは特定の業界で案件を受注し続けるパターンが多いため、経験を積むうちにその業界のノウハウを理解できるようになっていくかと思います。市場価値を高めるには、積極的に学習することが大切です。

上流工程の開発スキル

SIerエンジニアやSEは、主に開発の上流工程を担当します。

システムの企画立案や、クライアントとの話し合い、仕様書・設計書の作成し、完成したプログラムのテストを行います。

プログラミングスキル

仕様書や設計書を正しく作成するためには、プログラミングのスキルや知識が必要となります。経験を積み、学習を続けることが重要です。

また、企画やチームの方針によっては、SIerエンジニアやSE自身がプログラミングを行う場合もあるため、やはりスキルを身につけることが求められます。

ネットワーク・インフラの知識と開発経験

ネットワークまたはインターネット接続、管理、事業運営、および通信を可能にするネットワークリソースに関する知識が求められます。

SIerエンジニアやSEが担当する業務の中には、パソコンやネットのワークのシステム開発を担当する場合もあります。チームのリーダーを担当するとなると、やはり深い知識や経験が必要となります。IT業界は移り変わりが激しいため、勉強を続けることが大切です。

まとめ

今回は、SIerとSEの仕事内容や役割の違いについて解説していきました。

IoTやAIなど、IT業界の発展が著しい昨今、それらのプロフェッショナルと言えるSIerやSEは、今後も第一線での活躍が期待されているでしょう。

IT業界で働き続けたいとお考えの方は、SIerへの就職や、SEを目指してスキルを磨くことをおすすめします。

今回の記事が参考になれば幸いです。ご覧いただきありがとうございました。

SNSシェア
CATEGORY
学習
新規会員登録エージェントとの初面談1社につきAmazonギフト券3,000円分全員にプレゼント!

あわせて読みたい関連記事


おすすめ&新着求人・案件


各種SNSで情報を
発信中フリーランスで働くエンジニアに役立つ情報を発信しています。
フリーランス求人・案件の選び方や注意点、単価を上げるコツなどをエンジニアスタイルの編集部が発信しています。
フォロー・友達に追加していただき最新の情報をGETしてください。