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システムエンジニアがマネジメント能力を身につけることで得られるメリットと成果とは

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はじめに

システムエンジニアとして働く人の中には、マネジメントについて勉強をするべきか悩む人も多いでしょう。

結論からいうと、システムエンジニアがマネジメント能力を身につけ、高めることで得られるメリットは多いです。

この記事では、「システムエンジニアがマネジメント能力を身につける事で、どんなメリットがあるのか」について紹介します。

そもそもマネジメントとは

マネジメント能力はシステムエンジニアだけでなく、営業やマーケティング、人事や経理などに至るまで必要なスキルです。

そもそも現代ビジネスにおける「マネジメント」という概念を提唱したのは、オーストラリアの経営学者であるピーター・ドラッガーといわれています。ドラッカーはマネジメントの事を『組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関』と定義しています。

マネジメントをする目的

マネジメントをする大きな目的は『チームで成果をあげること』です。その為には、ヒトや情報、予算を活かし、チーム全体をまとめる人材が必要です。

よくリーダーシップとマネジメントが混同されがちですが、一言でいうとリーダーシップが「ゴールを指し示す事」であるのに対し、マネジメントは「ゴールに向かう方法を考える事」です。経営陣が指し示したゴールに対し、マネージャーはどうすれば効率よくゴールまで辿りつけるのかを考えます。

経営陣は、個人だけでなくチームレベルでの技術力向上を求めている場合がほとんどです。その為には、メンバーの特性やスキルを判断し、それぞれに適切なタスクを振り分ける必要があります。

システムエンジニアのマネージャーに求められていることとは

エンジニアリングマネージャーにとって、QCD(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期)の管理は基本的な仕事です。

品質が悪いものを提出されたり、納期が遅れたりしてしまうと、クライアントの信用を失いかねません。また、コストがかかりすぎては、そもそも購入に繋がらなくなります。つまり、QCDの内どれか1つが欠けていても、プロジェクトの成功とはいえないのです。

限られた納期の中で、基準を満たす品質のシステムを開発するためには、マネージャーによる人員配置が重要な鍵となります。

マネージャーがメンバーの特性や人となりを知り、適材適所に配置することで、メンバーのパフォーマンスは向上します。チームを上手く運用できるかは、マネージャーの采配にかかっているのです。

メンバー全員が最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整えてあげることで、チーム全体の技術が底上げされ、プロジェクトを効率よく進める事ができます。

そこで、エンジニアリングマネージャーに求められているものは、技術力とマネジメント力を持ち合わせている事です。

エンジニアリングマネージャーの業務には「技術支援」や「プロダクト運用」、「開発環境の整備・開発コントロール」といった幅広い業務も含まれています。エンジニア経験のあるマネージャーだからこそ、自ら実務のフォローをする事でチームを助け、適切なフィードバックを行う事ができるのです。

加えて、組織に属しているメンバーの成長やキャリア支援、エンジニアのモチベーション、ステークホルダーとの連携・交渉などもエンジニアリングマネージャーの仕事です。その為、マネジメント能力の他にも、コミュニケーション能力やリーダーシップも、マネージャーに求められるスキルであるといえます。

システムエンジニアがマネジメントを担う背景・理由とは

次に、システムエンジニアがマネジメントを担う背景や、理由についてお伝えします。

システム開発において、技術力のある人間がチームをマネジメントする事で、パフォーマンスが向上し、プロジェクトの成功率も高まるでしょう。

組織全体の意思決定プロセスが改善され、システム開発のパフォーマンスが向上する

システムエンジニアがマネジメントを担う最大のメリットは、技術力があることです。技術があるマネージャーは、現場の事が分かるため、経験則に基づいて素早く意思決定を行う事ができます。

また、クライアントに同意を求めたり、チームの改善点の洗い出しや、新しい技術を取り入れて共有したりする事をマネージャーが担うことで、組織全体の意思決定がスムーズに回るようになります。すると、限られた納期の中でもシステム開発のパフォーマンスが大きく向上します。

さらに、システムエンジニアとしての技術力や経験は、経営層の意思決定を現場に伝える時にも役立ちます。現場の経験があれば、経営層が伝えたい情報を、現場が分かりやすいよう噛み砕いて説明できます。

つまり、エンジニアリングマネージャーは、チームをマネジメントするだけでなく、縦や横の繋がりを仲介する役割も担っているといえます。

開発プロジェクトの成功率が高まる

日経コンピュータが実施した「ITプロジェクト実態調査2018」によると、1,745件に及ぶシステム導入/刷新プロジェクトのうち、成功に終わったのは約半数の52.8%でした。裏を返すと、残りの半数がQCDの3条件を満たさず終了したといえます。

ITプロジェクト実態調査の過去データによると、2003年のプロジェクト成功率は26.7%、2008年は31.1%であり、成功率は上がってきているといえます。プロジェクト成功率が上昇した大きな理由は、QCDの管理体制が進んだ事にあります。

先述しましたが、エンジニアリングマネージャーの主な業務はQCDの管理です。つまり、マネージャーの采配によって、開発プロジェクトの成功率も変わってきます。

QCDの管理に大切なのは、PDCA(Plan:計画、Do:実行、Check:検証、Action:改善)サイクルを効率的に回す仕組み作りが大切です。

チーム内のPDCAサイクルを回す時にも、エンジニアとして現場を経験した事が役に立ちます。マネージャーがチームのPDCAを回すというよりは、メンバー1人1人が自らPDCAサイクルと回せるように指導していく事で、チーム全体の生産効率はアップしていきます。

PDCAサイクルを活用しつつ、マネージャーが適材適所に人材を配置できれば、チームがうまく回り、開発プロジェクトの成功率も高まります。そういった点では、マネジメントはとてもクリエイティブな仕事だといえます。

さらに、マネージャーは評価をする立場でもありますが、エンジニア経験があるからこそ正当な評価を下す事ができます。正当な評価をもらえる事は、メンバーのモチベーションアップにも繋がります。

チーム全体を俯瞰するマネージャーがいることでエンジニアのパフォーマンスが向上する

エンジニアリングマネージャーは、常に周りを気にかけてあげる事が重要です。

例えば有名なサービスであれば、何十人、何百人といった大人数で1つのプロジェクトに関わる場合もあります。しかし、プロジェクトに関わるメンバーの全員が、近い距離に集合している事はほとんどありません。

そのような中でも、優秀なマネージャーであれば「どこかのチームに、困っている事はないか」「全体が計画通りに進んでいるのか」など、チーム全体を俯瞰し、細かい部分まで気に掛けています。

気になる事があれば、都度オンラインミーティング等で確認しておくことも大事です。早めに不安の芽を摘むことで、チーム内のエンジニアも安心して業務に取り組む事ができます。また、メンバーとしても「気にかけてもらえている」というのは心強いものです。

マネージャーは目の前の仕事に取り組む前に、チーム全体を常に俯瞰する事で、結果的にチーム全体のパフォーマンス向上に繋がるのです。

さらに、チーム全体のパフォーマンス上昇は上層部からの評価にも繋がり、より重要なプロジェクトを任せてもらえるようになるでしょう。

エンジニアが育成され、中長期的に生産性が向上する

エンジニアの慢性的な人手不足は、業界全体で問題となっています。人手不足によって1人あたりの業務量が増え、精神的に苦痛となり辞めていくエンジニアも少なくありません。

チームで働くエンジニアは、経験が浅い人からベテランまで様々です。また、人によって得意な分野も異なります。マネージャーは案件に優先順位をつけた上で、メンバーの特性や業務量に合った振り分けをする事で、働きやすい環境を整える事ができます。

特に気をつけたいのが、特定のチームやメンバーに比重が偏っていないかを意識する事です。例えば「重要度が高くても納期が長い案件」を若手のメンバーに任せ、エンジニア経験のあるマネージャーがサポートに回ることで若手の成長にも繋がります。

システムエンジニアのマネジメントでは「人の強みを活かす能力」が必要です。そのためには、マネージャー自身がエンジニアとしての技術を持ち合わせていなければ、見極めができません。

マネジメント力のあるエンジニアの元で教育を受けることは、エンジニアが育つにはとても良い環境といえます。エンジニアが育成されることで教育体制が整っていき、現場エンジニアが新人の教育担当を務める場合の育成スキルも向上します。

優秀なエンジニアリングマネージャーがいるだけで、優秀なエンジニアが多く育ち、中長期的に社内の生産性が向上します。

プロジェクトに関わる人材の特性を見抜き、適正な仕事を割り振ることで、より効率的にプロジェクトを完成させることができます。

システムエンジニアはマネジメントを経験しておいた方が良い?そのメリットとは

次に、システムエンジニアがマネジメントを経験しておいた方が良い理由について紹介します。管理職でない場合でも、エンジニアがマネジメント能力を身につけることは、メリットに繋がります。

市場にエンジニアリングマネージャーが少なく、転職や独立に有利

システムエンジニアがマネジメントを経験する事は、近い将来において転職や独立する時にも役立ちます。

なぜならば、技術力がありつつ、エンジニアの採用、評価制度の構築や改善、開発チームの技術力を底上げできるような人材はとても貴重だからです。

そして、エンジニアリングマネージャーを募集している企業の多くが、実務経験がある人材を募集しているのが現状です。

多くのエンジニアは20〜30代と若く、常に新しい技術を追い求めている中、採用や組織作りに尽力するエンジニアは、市場全体では稀でしょう。さらに経験を積んでマネージャーになる前に、退職してしまうケースも少なくありません。

また、独立して企業する際には、転職以上にマネジメント力が必要になります。加えて経営者としてゴールを指し示す「リーダーシップ」も必要となります。経営者にマネジメント力があると、社員の満足度、定着率、プロジェクトの成功率の向上に繋がります。

転職や独立で有利になるためにも、マネジメントする機会があれば積極的に参加しましょう。

問題解決能力やステークホルダーとの折衝など、汎用性の高いポータブルスキルを身につけることができる

マネジメントをする際に必要な「問題解決能力」や「交渉力」といったポータブルスキルは、ビジネスパーソンなら誰もが身につけておきたい基礎力です。

ビジネスの多くは、ステークホルダーとの交渉で成り立っています。相手が求めている事を的確に把握し、円満に解決できるスキルがある人は、企業にとっても魅力的な人材です。

システムエンジニアの仕事においても、顧客の要望をヒアリングする能力が必要になりますが、さらにマネジメント能力を鍛える事で、ITだけでなく様々な分野で活躍できる人材になります。

また、転職を考えていない場合でも、マネジメント能力を身につけるメリットはあります。システムエンジニアは年齢が上がるにつれ、チームメンバーの仕事を管理するマネジメントがメインの仕事が多くなるからです。

さらに、マネジメント業務をこなしていくと、向上心や責任感といった「上司として必要なスキル」も身につきます。社会人としてできることが増えるだけでなく、メンタル面での成長にも繋がります。

プロジェクトマネージャーやITコンサルタントなど、キャリアの幅が広がる

システムエンジニアがマネジメントを経験した後、プロジェクトマネージャーやITコンサルタントとなるキャリアパスを目指す場合は多いです。どちらもシステムエンジニアの、さらに上流工程にあたります。

プロジェクトマネージャーは、チーム以外にクライアントや外部企業に協力を仰ぎつつ、プロジェクトを円滑に進め成功に導く事が主な仕事です。マネジメント力はもちろん、コミュニケーション能力や臨機応変に対応できるスキルが必要になります。

また、ITコンサルタントはクライアントから課題をヒアリングし、解決策を立案する事が主な仕事です。ここでもマネジメント力は必要で、さらに問題解決力や分析力が必要になります。

つまり、システムエンジニア職からどのようにステップアップしていきたいか考えた時、マネジメント経験があった方が次の道が開かれ易くなるのです。

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まとめ

今回はシステムエンジニアがマネジメント能力を身につけることで得られるメリットについて紹介しましたが、結論をいうと「マネジメント能力を持ち合わせたエンジニアは貴重な人材である」です。

マネジメントは出来るが技術力がない人、エンジニアとして技術力はあるがマネジメントができない人が多い中で、どちらのスキルも持ち合わせている事で、需要はより高まります。

管理職ではない人でも、今のうちからマネジメント能力を鍛える事で、システムエンジニアとしてのスキルアップに繋がるでしょう。

さらにマネジメント能力は、プロジェクトマネージャーやITコンサルタントといったキャリアパスでも必須となるスキルでもあります。IT業界以外にも、様々な業界で活躍できるスキルなので、転職や独立にも役立ちます。

書店では、マネジメントについて分かり易くまとめられた書籍も販売されているので、手にとって読んでみるのもおすすめです。技術力とマネジメント力を高め、希少な人材を目指しましょう。

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