【2023年最新】ネットワークエンジニアがクラウド時代に身につけるべきスキルと将来性とは
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目次
ネットワークエンジニア、クラウドエンジニアの違いは?
まず、ネットワークエンジニア、クラウドエンジニアの仕事内容はどのようなものでしょうか?
それぞれの内容について紹介していきます。
ネットワークエンジニアの仕事内容
ネットワークエンジニアの仕事は、ネットワークの企画、要件定義、設計、構築、運用・保守です。
ネットワークエンジニアは、企業の要望を基に要件を確定します。ネットワークの構成やどのネットワーク機器(ルーターや回線など)をいくつ使用するか決定します。
機器やライセンス費用などの購入費用や、運用開始後の月額費用が企業の予算内に収まるか確認することもネットワークエンジニアの仕事です。
次に、ネットワーク機器への構築作業を行い、運用開始となります。
運用が開始したら、監視を行います。監視とは、ネットワークの利用率やネットワーク機器が正しく動いているかを確認する業務です。ネットワークエラーや機器故障が発生した場合、原因を解明し早期に復旧させなければなりません。
また、セキュリティなどの設定が古いままにならないように定期的に見直しを行い、サイバー攻撃を未然に防ぐことも大事な仕事です。
クラウドエンジニアの仕事内容
クラウドエンジニアの仕事内容は、クラウドサービスを使用してサーバーやネットワークなどのインフラ環境を設計、構築、運用するエンジニアです。
クラウドサービスとは、インターネットを経由したコンピューター資源を利用するサービスで、amazonが提供するAWS(Amazon Web Service)やマイクロソフトが提供するAzureが代表的なものになります。クラウドサービスは、物理的なサーバーなどを用意するよりも安価で、早期に構築が可能で、柔軟な構成変更が可能です。そのため、AIやビックデータの環境として利用されます。
クラウドエンジニアは、新規にクラウド上にシステム環境を構築するだけでなく、運用開始しているシステムの移行についても検討します。その場合、クラウドサービスにすべて移行するのか、一部だけ移行するのかを決定します。
クラウドサービスのどのコンポーネント(部品)を組み合わせれば、企業が望む環境を構築できるかが重要であるため、クラウドサービスについての深い知識が必要です。
また、クラウドサービスは企業の好きなタイミングでサーバーや容量を増やすことが出来るなど、物理的な機器を運用するよりも柔軟な対応を行うことができます。そのため、運用・保守を行う際には、構成や設定を変更したときの影響範囲を把握しなければならないため、インフラ関連とクラウドサービスに関する深い知識とスキルが必要となります。
クラウド時代を生きるネットワークエンジニアに起きている変化と求められているスキルとは
クラウドサービスを一部でも利用している企業の割合は令和2年時点で6割を超え、年々増加傾向にあります。また、DX推進やIoTの普及により、今後もクラウドサービスを導入する企業は増える見込みです。
参照元:
総務省|令和2年版 情報通信白書|企業におけるクラウドサービスの利用動向
産業界のデジタルトランスフォーメーション(DX) (METI/経済産業省)
ネットワークエンジニアとして、クラウド時代に対応するために求められるスキルはどんなものでしょうか?
企業が持つネットワークの種類
企業がもつネットワークの種類は2種類に大別されます。
1つ目は「オンプレミス」と呼ばれる物理的なサーバーやネットワーク機器で構築される環境です。企業がデータセンターやサーバールームを保有、もしくはレンタルしている環境となります。クラウド移行により、データセンターの閉鎖が行われ、減少傾向にある環境です。
2つ目は「クラウド」と呼ばれるクラウドサービスを活用したサーバーやネットワークで構築される環境です。企業がAWSやAzureなどのクラウド事業者と契約を結び、使用する環境となります。前述したとおり、年々増加傾向にある環境です。
どちらのネットワークも、企業内でのみ使用できるネットワークと、企業外と接続できるネットワークを構築することができます。どちらのネットワークを構築する場合でも、ネットワークの知識やスキルを活用し、構築を行います。
ネットワークエンジニアとして、オンプレミスしか対応できない場合、残念ながら担当できる案件が増えることはないと予想します。
企業のネットワークは2種類です。
- オンプレミス:自社でデータセンターを借りてネットワーク機器を運用
- クラウド:AWSやAzureを使ってWebブラウザ経由で運用
クラウドに移行している企業が年々増えている。(総務省データ)
ネットワークエンジニアの需要に関する概要
☟参考
ネットワークエンジニアは、コンピュータネットワークやサーバーなどのインフラストラクチャを構築、運用、維持するためのエンジニアです。インターネットやクラウドなどの新しい技術の導入や、ビッグデータの分析などによって、ビジネスの成長を支えることが求められるでしょう。また、IoT(Internet of Things)の普及によって、エッジコンピューティングなどの新しいインフラストラクチャが求められることもあります。ネットワークエンジニアは、これらのトレンドに対応しながら、インフラストラクチャを適切に運用し、セキュリティーや高可用性を維持することが求められます。
オンプレのみの対応しかできないと仕事は増えないまま。
ネットワークエンジニアに求められるスキル
ネットワークに関連する範囲がネットワークエンジニアの仕事内容と理解いただけたと思います。しかし、近年のクラウドサービス台頭によりネットワークエンジニアを取り巻く業界変化がみられます。
どのような変化があるのか、2つ紹介します。
ネットワークエンジニアを取り巻く業界変化① プログラミング言語の習得を求められている
ネットワークエンジニアはネットワーク関連の業務が中心となるため、プログラミングとは縁がないように思われます。
しかし、クラウドサービスではネットワークの構築や運用・保守を行うために「スクリプト」と呼ばれるプログラミングを使用します。
スクリプトには、例えば定期的な監視のためのプログラム設定や、サーバー負荷によるサーバーの増減調整などをプログラミングすることができます。
運用・保守時には、自分が書いたプログラムだけでなく、他のエンジニアが書いたプログラムから内容を理解し、適切な対応を行わなければなりません。
また、近年利用する企業が増加している「ネットワーク仮想化」を利用する際にもプログラミングスキルが必要となります。(ネットワーク仮想化については後述しています。)
そのため、ネットワークエンジニアもプログラミング言語の習得が求められています。
ネットワークエンジニアを取り巻く業界変化② フルスタックエンジニアのニーズが高まっている
オンプレミスからクラウドサービスへの移行により、物理的なネットワーク機器ではなく、クラウドサービスのネットワークコードとなります。ネットワークエンジニアはネットワーク回線のセッティングなどの物理的な作業が不要になるため、クラウドサービスの新規構築では、オンプレミスよりネットワークエンジニアの担当範囲が狭まるでしょう。
クラウドサービスの新規構築では、サーバーやネットワークの構築タスクをインフラとして同時に行います。そのため、ネットワーク以外にも、サーバーの構築もできるなど複数のスキルを持ったフルスタックエンジニアとしての役割を期待されます。
また、2030年問題にみられるIT人材の不足を見込み、ネットワーク範囲のみだけでなく、インフラを広範囲に担当できるフルスタックエンジニアを求める求人が多くみられます。
クラウドエンジニアの将来性とは
クラウドエンジニアは高いニーズがあって将来性の高い職業です。
その理由について解説していきます。
クラウドファースト・クラウドネイティブの時代が到来
最近ではクラウドファースト・クラウドネイティブの時代が来ていて、今後もその状態が続くと予想されています。クラウドファーストとクラウドネイティブが何なのかについてみていきます。
クラウドファーストとは
クラウドファーストはオンプレミス型のインフラ構築やアプリケーションを開発せず、クラウド型のものの利用を優先的に考えることです。様々なコストをカットして、効率化が実現できることから、この考え方が社会全体で浸透しつつあります。
クラウドネイティブとは
クラウドネイティブはクラウドの特性を活かして設計されているシステムのことを指しています。単にオンプレミス型のシステムをクラウド上に移行させても、クラウドネイティブとはいえません。クラウド型の特性を活かしてシステムを開発する意識を持つために、この言葉が広まってきています。
クラウドを導入する企業が増えている
最近ではクラウド型のシステムを導入する企業が増えてきています。一からクラウド型のシステムを開発することしかできないとなると躊躇してしまうところもあるでしょう。しかし、オンプレミス型のシステムをクラウド型のシステムになるように作り変えることが可能です。
そのため、基幹システムをこれから導入したい企業はもちろん、クラウド型のシステムに変えたくて依頼を持ちかける企業も増えてきています。それだけクラウドを導入したいと考える企業が今も増加していて、しばらくの間は高いニーズが続くと考えられます。
ネットワークエンジニアとして今後持っておきたい知識やスキルとは
ネットワークエンジニアを取り巻く環境は、クラウドサービスの台頭によって変わります。
どのような知識やスキルを持つとネットワークエンジニアとして需要の高いエンジニアになれるのでしょうか。
ここでは、今後持っておきたい知識やスキルを5つ紹介します。
AWSをはじめとしたクラウドサービスに関するスキル・知識
繰り返しになりますが、クラウドサービスの台頭により、企業が使用する環境はオンプレミスからクラウドに移行しています。
オンプレミスで稼働するシステムの運用・保守は、システムが稼働している限り案件として存在しますが、今後減少することが予想されるでしょう。
企業からのニーズに応えるためには、クラウドサービスに関する知識が必要不可欠です。
クラウドサービスには、いくつかのクラウド事業者が存在します。amazonが提供するAWS、マイクロソフトが提供するAzure、グーグルが提供するGCPがあります。まずはひとつのサービスに絞り、学習してみましょう。
上記3つのクラウドサービスには、認定資格が複数あります。レベルや分類(セキュリティやサーバー)に応じて認定資格があるため、認定資格を取得することで知識をアピールできます。
クラウドサービスはサーバーやネットワークをはじめ、ユーザー設定やセキュリティ設定などさまざまなサービスを提供しているため、企業が求める要件に対して適切なサービスを組み合わせる知識が必要です。
クラウドサービス全般の知識(SaaS 、PaaS、IaaS)
クラウドサービスでは、クラウドの利用形態によって呼び方が異なります。例えば、クラウドにあるソフトウエアを利用する場合の形態は「SaaS(Software as a Service)」と呼ばれます。
サーバーやネットワークなどのインフラ周りまで利用する場合は「IaaS(Infrastructure as a Service)」、開発環境のようにクラウドを利用する場合は「PaaS(Platform as a Service)」となります。
また、企業内など限定的に利用するクラウドは「プライベートクラウド」、インターネットで全世界に公開して利用するクラウドは「パブリッククラウド」と呼ばれます。
AWSやAzureなど、どのクラウドサービスを利用しても、上記の呼び方は変わりません。このように、クラウドサービスには共通の知識が存在します。他のエンジニアとコミュニケーションをとる際などにもクラウドサービス全般の知識が必要といえるでしょう。
セキュリティに配慮した設計・構築力
オンプレミスでも、クラウドサービスでも、サーバーやネットワークの設計を行う場合、セキュリティの知識を活用します。セキュリティ知識は知っているだけでなく、どのような設計を行えば正しくセキュリティが機能するか構築力が必要です。
さらに、クラウドサービスは、手軽にシステムを構築できる一方、インターネットを介したサービスであるためセキュリティ設定が非常に重要となります。
サーバー攻撃に対応するため、クラウドサービスにも多くのセキュリティ設定が用意されています。しかし、その設定自体がされていなければ、企業の重要情報が守られず企業の社会的信用に関わる問題に発展する可能性があります。クラウドを使用する場合は、セキュリティに関するクラウドサービスの理解が必要です。
セキュリティに配慮した設計・構築力に加え、クラウドサービス独自のセキュリティ知識を学ぶ必要があるといえるでしょう。
ネットワーク仮想化の知識とスキル
仮想化とは、物理的な機器をソフトウエアで抽象化し、論理的に利用できる技術です。この技術により、物理的な機器を論理的なリソースとして、複数にみせたり、1つに見せたりすることができます。
サーバーの仮想化により、ネットワークを仮想化する「ネットワーク仮想化」の普及も進んでいます。ネットワークを仮想化すると、物理的なネットワークよりも、論理的なリソースとして柔軟なネットワーク対応ができます。
ネットワーク仮想化には、SDN(Software Defined Networking)や「OpenFlow」と呼ばれるネットワーク規格があります。このネットワーク規格はオンプレミスのネットワーク知識に存在しない、ネットワーク仮想化の知識となります。
ネットワークを担当するネットワークエンジニアとして、ネットワーク仮想化の業務に対応するためには、専門的な知識とスキルを取得する必要があるといえるでしょう。
ネットワーク仮想化に対応可能なプログラミングスキル(Ruby、Java、Python)
ネットワーク仮想化を支える技術は、プログラミングによって制御されます。
そのため、ネットワーク仮想化に対応するためにネットワークエンジニアもプログラミングスキルが必要です。
ネットワーク仮想化に対応するプログラム言語を3つ紹介します。
Ruby、Java、Pythonなどのバックエンド処理を中心としたプログラム言語は、ネットワーク設定で使用できます。
RudyはWebアプリケーションの開発で使用されることの多い言語ですが、仮想化ネットワークのSDNの実装にも多く使用します。
JavaはWebアプリケーションをはじめ、多くのITサービスで使用される言語ですが、Ruby同様、仮想化ネットワークのSDNを使用する際のフレームワークとして実装されます。
PythonはWebアプリケーションで使用する印象が強い言語ですが、フレームワークを使用しSDNの実装が可能です。
紹介した3つの言語は、ネットワークエンジニアとして活用できると同時に、サーバー周りのサーバーサイドや、ユーザーまわりのフロントエンドとしてのプログラム言語であるため、習得することでエンジニアのキャリアパスを広げることができるでしょう。
まとめ
今回はネットワークエンジニアがクラウド時代に身に着けるべきスキルをご紹介しました。エンジニア職は、新しいサービスの台頭により、求められる知識とスキルが変わります。ネットワークエンジニアの知識とスキルを活かしながら、クラウドの知識やスキルをはじめとした複数のスキルを習得し、需要の高いフルスタックエンジニアを目指しましょう。
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