1. TOP
  2. エンスタマガジン
  3. 学習
  4. データレイク・データ ウェアハウス・データマートはなぜ必要?特徴と関係性を紹介

データレイク・データ ウェアハウス・データマートはなぜ必要?特徴と関係性を紹介


はじめまして、エンジニアスタイル編集部です!

コラムページでは、ITフリーランスに向けてお役立ち情報を発信します。Twitterではホットな案件を紹介してまいりますので、ぜひフォローをお願いいたします!
本記事が、皆様の参考になれば幸いです。

経験がまだ少ない方にもわかりやすく説明するために、初歩的な内容も記載しております。記事も長いので、実務経験豊富な方は、ぜひ目次から関心のある項目を選択してください。

エンジニアスタイルは、最高単価390万円、国内最大級のITフリーランス・副業案件検索サービスです。データレイクのフリーランス・副業案件一覧をご覧いただけますのであわせてご確認ください。

はじめに

データは現代企業の最も重要な資源であり、それらを効率的に集め、整理、そして分析することがビジネスの成功を左右します。この記事では、データ基盤の構築と管理の役割を担うデータレイク、データウェアハウス、データマートについて詳しく見ていきます。

なぜデータ基盤が重要なのか

デジタルトランスフォーメーションの進展と共に、企業は日々膨大な量のデータを扱うようになり、それらのデータをいかに効果的に管理・活用するかがビジネスの競争力に直結しています。データ基盤とは、これらのデータを一元的に管理し、必要に応じて取り出し、分析・活用できる体制のことを指します。以下では、データ基盤の重要性について、特にデータの増大・複雑性と、データ活用の重要性について説明します。

データの増大とその複雑性

企業が取り扱うデータは膨大であり、その形態・大きさ・種類は多岐に渡ります。これは売上データ、顧客情報、製品データ、ソーシャルメディアからのフィードバック、IoTデバイスからのセンサーデータなど、業務に関連するあらゆる情報を含みます。また、それらのデータは単純な数値だけでなく、テキスト、画像、音声、動画など、構造化データと非構造化データの両方を含むため、複雑性も増しています。これらの情報が錯綜している中、企業は必要な情報を素早く正確に抽出し、有益な洞察を得る必要があります。

データ活用の重要性とビジネスへの影響

データを活用することは、企業の戦略的な意思決定、業績向上、新たなビジネスチャンスの創出につながります。たとえば、顧客行動データを分析することで、製品の改良点を発見したり、新たなマーケティング戦略を立案したりします。また、内部の業績データを活用することで、業務効率化やコスト削減の方策を見つけることが可能です。こうしたビッグデータの効果的な分析・活用を実現するためには、データ基盤の構築が不可欠です。データ基盤が整備されている企業は、データからのインサイトを得るスピードが速く、市場変動に素早く対応し、競争優位性を維持することができます。

つまり、データ基盤は、複雑で膨大なデータを管理し、ビジネスに有用な情報を提供するための基盤となり、企業のデジタルトランスフォーメーションとビジネス成長を支える重要な要素となっています。

データレイクとは?:あらゆるデータを蓄積

データレイクとは、あらゆるタイプのデータをその原始的な形で格納し、必要に応じて分析と利用が可能な状態に保つ大規模なストレージシステムを指します。名前が示す通り、データレイクはデータの「湖」であり、その中には様々な種類・形式のデータが流れ込みます。以下に、データレイクの概要、活用法、メリットとデメリットを詳しく解説します。

データレイクの概要

データレイクは、様々なデータ源からの生データをその原型のまま保存する大規模なストレージシステムを指します。データ形式は問わず、構造化データ、半構造化データ、非構造化データ、リアルタイムデータ、バッチデータなど、あらゆるタイプのデータを蓄積できます。そのため、企業はデータレイクを利用して、全てのデータに対するアクセスと統合を可能にし、データに基づく洞察を得るためのフレキシブルな環境を確立できます。

データレイクの活用法とは

データレイクの最大の利用法は、大量のデータを格納し、ビッグデータ分析のための原材料として利用することです。データレイクに格納されたデータは原始的な形で保存されているため、必要に応じてデータを引き出し、加工、分析することが可能です。この特性は、特定の問いに答えるために特定の形式でデータを必要とするクエリベースの分析には向きませんが、パターンを見つけ出すために大量のデータを探索的に分析するためのマシンラーニングのような用途には最適です。具体例を上げると、データサイエンティストやアナリストはデータレイクからデータを取り出し、マシンラーニングモデルの訓練や高度な分析を行うことができます。

また、リアルタイムでの分析にもデータレイクは利用されます。ストリーミングデータ(例えば、IoTデバイスからのデータやソーシャルメディアのフィードなど)をリアルタイムで収集し、その場で分析することで、即時のインサイトを得ることが可能です。

データレイクのメリットとデメリット

データレイクの主なメリットは、その柔軟性とスケーラビリティです。さまざまな形式のデータを原形のまま保存でき、必要に応じて大量のデータを効率的に処理・分析することができます。これにより、新たなデータソースを追加するための追加の変換等の作業が不要となり、企業は迅速に新しい分析を開始することができます。

一方で、データレイクの主なデメリットは、その管理の難しさです。データがその原形のまま保存されるため、品質管理やデータの整理が難しくなります。また、データの保管場所や使用方法についての厳格なガバナンスがなければ、データレイクは組織化されていない、検索が困難な「データ沼」になる可能性があります。

以上が、データレイクの基本的な概要、活用法、メリットとデメリットになります。データレイクは、あらゆるタイプのデータをその原形のまま一か所に集約・保管することを可能にするデータ基盤の一つです。主に非構造化データやセミ構造化データなど、従来のデータウェアハウスでは扱いづらかった大量のデータを、容易に保存し、必要に応じて取り出して利用することができます。その柔軟性とスケーラビリティから、ビッグデータの活用を考える上で重要な役割を果たします。ただし、データの管理と整理が不十分であるとデータスワンプとなるリスクもありますので、ガバナンスの重要性が高まります。このような特性を理解し、適切なデータ戦略を立てることで、データレイクは企業のデータ活用を大いに支えるツールとなるでしょう。

データウェアハウスとは?:構造化データの保管

データウェアハウスは、企業が運用するさまざまなデータベースから集めた情報を一元的に管理し、分析に適した形に加工・整理するシステムを指します。特に構造化されたデータに対する保管と分析に適しています。以下では、データウェアハウスの概要、活用法、メリットとデメリットについて詳しく説明します。

データウェアハウスの概要

データウェアハウスは、企業全体の組織化された、構造化されたデータの大規模なリポジトリです。データウェアハウスは一般に、企業のオペレーショナルデータベースから取得した情報を中心に構築されます。取引記録、金融情報、顧客データなど、ビジネス運営に必要なデータ全てがここに集約され、長期間保存されます。データウェアハウスのデータは、クエリとレポート作成のために効率的にアクセスできるように、一貫性を保ちつつ構造化され、組織化されます。

データウェアハウスの活用法とは

データウェアハウスは、企業の意思決定を支える情報を提供するための主要なツールです。ビジネスインテリジェンス(BI)ツールやデータ分析ツールと連携させることで、経営陣やマネージャーは、過去のパフォーマンスを評価したり、将来の戦略を立てたりするための洞察を得ることができます。

具体的な活用例としては、販売データの長期的なトレンド分析、顧客行動の分析、在庫管理の最適化、財務報告等があります。また、最近ではデータウェアハウスがマシンラーニングのモデル訓練のためのデータソースとしても利用されることがあります。

データウェアハウスのメリットとデメリット

データウェアハウスの最大のメリットは、その統一性と一貫性です。データウェアハウスを使用することで、企業はデータの矛盾を排除し、一貫した分析を行うことができます。さらに、時間経過によるデータの変化を追跡する能力により、長期的な分析やトレンド予測も可能になります。

一方、データウェアハウスの主なデメリットは、その構築と保守にかかるコストと時間です。データウェアハウスを構築するためには、異なるデータソースを統合し、データを統一的な形式に変換するための大規模な初期プロジェクトが必要です。また、データの更新やシステムの保守も継続的なコストとなります。

以上が、データウェアハウスの概要、活用法、メリットとデメリットについての説明になります。データウェアハウスは、企業の業務データを一元的に管理し、ビジネスの意思決定に必要な情報を提供するデータ基盤です。主に構造化データを中心に、企業が日々発生させる様々なデータを統一された形式で保存し、統合、クリーニング、変換などを行いながら、分析に最適な形に整理します。その結果、高速なクエリ性能と、確かなデータ品質を保証することが可能となります。しかし、データウェアハウスの設計や更新は比較的時間とコストがかかるため、その運用には慎重さが求められます。また、新たなデータソースを追加する場合、既存のスキーマに合わせる必要があります。これらの特性を理解し、適切な運用を行うことで、データウェアハウスは企業のデータ分析と意思決定に大いに貢献します。

データマートとは?:データの抽出・活用

データマートは、特定の業務部門やチームが使うために抽出され、整理されたデータの集まりを指します。データウェアハウスが全社規模の大きなデータのプールであるのに対し、データマートはそれを一歩進め、特定の業務や分析のために最適化された小さなデータのプールと言えます。以下では、データマートの概要、活用法、メリットとデメリットについて詳しく説明します。

データマートの概要

データマートは、企業のデータウェアハウスから派生した、特定のビジネス領域や部門に特化したデータの集まりを指します。データマートは、一般的にはデータウェアハウスの一部分を形成しますが、その中身は特定の部門やチームが必要とする情報に特化しています。例えば、マーケティングデータマート、財務データマート、人事データマートなど、ビジネスの特定の側面を担当する部門のためにカスタマイズされたデータストレージです。

データマートの活用法とは

データマートの主な目的は、特定のビジネス問題に対応するためのデータを迅速に提供することです。特定の部門やチームが対象となるため、データはその部門のニーズに合わせて適切にフィルタリング、集約、加工されます。この結果、必要なデータに迅速にアクセスし、部門の目標に対応した洞察を得ることが可能となります。

データマートは、一般的にデータウェアハウスからデータを取得しますが、それらは部門の具体的な要件に基づいて選択され、変換されます。データウェアハウスが全社規模の情報を提供するのに対し、データマートは特定のユーザーグループのビジネス問題を解決するために設計されています。

データマートのメリットとデメリット

データマートの最大のメリットは、迅速なデータアクセスと効率的なビジネス分析を可能にすることです。特定の部門やチームのニーズに合わせて設計されたデータマートは、ユーザーが必要なデータを迅速に見つけ出し、その部門の目標達成に役立つ具体的な洞察を得ることを可能にします。また、データウェアハウス全体にクエリを実行するよりもパフォーマンスが高く、結果の取得も速くなります。

一方、データマートのデメリットとしては、設定と管理が複雑であることが挙げられます。データマートは特定の部門やビジネス要件に合わせてカスタマイズされているため、それらの変更に合わせてデータマートも頻繁に更新する必要があります。また、データマートが独立して運用されている場合、データの一貫性を維持するのが難しくなる可能性もあります。これらの問題を避けるためには、適切なデータガバナンスと統一されたデータ管理戦略が不可欠です。

以上が、データマートの概要、活用法、メリットとデメリットについての説明になります。データマートは、特定のビジネス領域や部門に特化したデータウェアハウスの一種であり、そのデータセットは特定のグループや機能に対して最適化されています。データウェアハウスから必要なデータを抽出し、部門やチームが必要とする特定の目的に応じた形式でデータを整理します。これにより、より速く、より効果的にデータ分析を行うことが可能となります。一方、データマートの設計と運用は、データの一貫性と整合性を確保するために注意が必要です。データマートの最大の利点はその柔軟性と利便性であり、これを理解し適切に活用することで、ビジネスの意思決定を効果的に支えるツールとなるでしょう。

データレイク・データウェアハウス・データマートの関係性とは?

データレイク、データウェアハウス、データマートは全てデータ管理の重要な要素であり、企業が情報を集め、保存、分析するためのシステムですが、それぞれが果たす役割と用途は異なります。これらのシステムは一緒に作動し、一種のデータのエコシステムを形成しています。その関係性は、データが収集されるところから、それが分析に適した形に構造化され、特定のビジネス課題に対して最終的に利用されるまでの一連の流れを示しています。

データレイクはこのエコシステムの起点で、その名の通り、企業が収集するあらゆる種類のデータを「蓄積する湖」の役割を果たします。これには、構造化データ、非構造化データ、半構造化データなどが含まれ、このステージではデータはまだ加工されていません。

次に、この膨大なデータの海から必要なデータが選ばれ、洗練され、構造化されてデータウェアハウスに保存されます。データウェアハウスは企業全体で利用可能な構造化データの中心的なリポジトリであり、ここでデータは整理され、クエリと分析に適した形に変換されます。

最後に、データウェアハウスから特定の業務目的や課題に対応するためのデータが抽出され、データマートに転送されます。データマートは、特定のビジネスユニットやチームが必要とする特定のデータセットを提供します。これにより、チームはより高速なクエリ実行と、特定のビジネス目標に対するより具体的な洞察を得ることが可能となります。

これらの各ステップ(収集→構造化→集計・集約・抽出)は、データが原始的な形態から最終的にビジネスインテリジェンスに到達するまでのプロセスを描き出しています。データレイク、データウェアハウス、データマートは、それぞれこのプロセスの異なるステージを担当し、全体として一連のデータ分析基盤を形成します。それぞれが相互に連携し、データが適切に管理、加工、活用されることを確保します。

まとめ

データは現代ビジネスの重要な資源であり、膨大で複雑化したデータを管理し、活用するためにはデータレイク、データウェアハウス、データマートが不可欠です。データレイクは、企業が集めたあらゆる種類のデータを保存する大容量のストレージです。データウェアハウスは、構造化データを中心にビジネス全体で使われるデータを集約、管理します。一方、データマートは特定のビジネスユニットが使用するために抽出されたデータの集まりです。これらのシステムが連携してデータを収集、整理、活用することで、企業はより効果的なデータ分析と意思決定を実現できます。

SNSシェア
CATEGORY
学習
新規会員登録エージェントとの初面談1社につきAmazonギフト券3,000円分全員にプレゼント!

あわせて読みたい関連記事


おすすめ&新着求人・案件


各種SNSで情報を
発信中フリーランスで働くエンジニアに役立つ情報を発信しています。
フリーランス求人・案件の選び方や注意点、単価を上げるコツなどをエンジニアスタイルの編集部が発信しています。
フォロー・友達に追加していただき最新の情報をGETしてください。