個人事業主の廃業ってどうすればいいの?廃業届の手続き方法を解説
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目次
はじめに
日本では2017年時点で6人に1人が個人事業主として働いています。
現在では働き方の柔軟性が当時よりもさらに強く求められているので、その数はさらに増えつつあるでしょう。
しかし、個人事業主として働く人が増えれば増えるほど、廃業してしまう数も比例して増えています。
本記事では、個人事業主が直面する可能性のある廃業という選択について、必要な手続きやタイミングを解説しています。
廃業を考えている個人事業主にとって、適切な知識と情報は今後の未来を左右するものです。
本記事の情報を参考に、正しい廃業手続きの方法を理解しておきましょう。
<この記事のポイント>
- 個人事業主と法人の廃業手続きの違い
- 廃業する際の具体的な手続き方法
- 廃業の適切なタイミング
- 休業や法人化を考えた際のメリットとデメリット
廃業届とは
廃業届とは、事業をやめる際に事業者が税務署や関連する公的機関に提出する書類のことです。
事業の終了を正式に通知し、事業がもう活動していないことを明確にするために必ず必要な書類です。
廃業届を提出することで、事業者はその後の税務処理や法的な責任から適切に離れることができます。
また、社会保険や労働保険の手続きの終了など、他の行政手続きにおいても廃業の事実が重要となる場合があります。
個人事業主と法人の廃業手続きの違い
<個人事業主と法人の廃業手続の違い>
個人事業主 | 法人 | |
手続きの複雑さ | 比較的単純 | 複雑で多くの手続きが必要 |
関与する当事者 | 個人主体 | 株主、清算人など複数の関係者が関与 |
手続きの期間 | 短期間で完了可能 | 長期間が必要(特に公告や清算など) |
コスト | 低コスト | 高コスト(登記、公告、清算などで費用がかかる) |
法的要件 | 税務署への届出が主 | 解散登記、公告、税務申告など法律に基づく手続きが多い |
財務清算のプロセス | 比較的単純 | 複雑で法的な手順に則る必要がある |
個人事業主と法人の廃業手続きの違いについては、厳密に説明するとかなり長くなってしまいますが、個人事業主の方が手続きは比較的簡単で速やかに終了します。
例えば、個人事業主は主に税務署への届出が中心であり、必要とされる書類も少なく、多くの場合、自身で手続きを完了することが可能です。
一方で法人は、株主総会での解散決議、法務局への解散登記、官報による公告、清算手続きなど、複数の手順を踏む必要があります。
また、法人の場合は多くのステークホルダーに関与しているため、満たさなければならない法的要件も非常に多いです。
具体的には、法人は解散決議を行った後、清算人を選任し、解散登記を法務局で行います。また、債権者保護のために官報に解散公告を行い、解散時の確定申告も必要です。
これらのプロセスは法律に基づいて厳密に行われるため、法的な準備と対応が求められます。
そのため、法人は基本的に専門のアドバイザーなどと相談して手続きを進める必要がありますが、個人の場合は必ずしも必要ではありません。
廃業する際の手続きに必要なもの
ここからは、個人事業主の廃業する際の手続きで必要になるものについて、さらに具体的に見ていきましょう。
①個人事業の開業・廃業等届出書の提出
「個人事業の開業・廃業等届出書」とは、個人事業主が事業を開始したり、事業を廃止する際に税務署に提出する必要がある公的な届出書です。
事業を廃業する際にこの書類を提出することで、税務当局は事業の終了を正式に認識し、その事業主の税務処理を適切に終了させることが可能となります。
また、事業廃止に伴う最終的な所得税の申告など、正確な税務処理を行うための基礎情報として活用されます。
提出先は、事業所の所在地を管轄する税務署です。事業所の住所と異なる場合には、事業所の所在地が納税地となります。
提出期限は、事業の廃業日から1カ月以内です。期限内に提出することで、税務処理が適切に行われ、将来的な税務上の問題を防ぐことができます。
期限を過ぎると、税務上の不利益を受ける可能性があるので必ず期限内に提出しましょう。
②青色申告の取りやめ届出書の提出
「青色申告の取りやめ届出書」は、青色申告者がその申告方法をやめたい場合に税務署へ提出する必要がある公式の届出書です。
この書類によって、税務当局は個人事業主が青色申告の特典を放棄し、今後は白色申告を行うこと、または事業を廃業することを正式に記録します。
個人事業主が事業を廃業する際、もし青色申告をしていた場合、その申告方法を正式に終了させなければなりません。
提出先は、事業所の所在地を管轄する税務署です。
なお、提出は直接税務署に持参するか、郵送で行うことができます。また、e-Tax(電子申告システム)を通じてオンラインで提出も可能です。
青色申告の取りやめ届出書は、青色申告を取りやめたい年の翌年3月15日までに提出する必要があります。
ただし、廃業する場合は廃業の日から1カ月以内に提出することが一般的です。
③消費税の事業廃止届出書の提出
消費税の事業廃止届出書は、消費税の課税事業者が事業を廃止する際に税務署に提出する届出書です。
この書類を提出することによって、税務当局は課税事業者の消費税に関する納税義務が終了したことを正式に記録します。
消費税の課税事業者が事業を廃業する場合、その事業の廃止に伴い発生する可能性のある消費税の最終的な処理を確定するために必要になる書類です。
廃業によって終了する消費税の課税対象活動を正しく終了させ、適切な税務処理を行うために提出が義務付けられています。
提出先は、事業所の所在地を管轄する税務署です。
提出は直接税務署に持参するか、郵送で行うことが可能です。また、e-Taxを通じてオンラインで提出する方法もあります。
消費税の事業廃止届出書の提出期限は、「廃業後速やかに」とされていますが、基本的に1ヶ月以内であれば問題ありません。
④給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出書の提出
「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出書」は、給与を支払う事業所が開設、移転、または廃止される際に提出する必要がある公式文書です。
この届出により税務署は、給与の支払いを行う事業所の変更や廃止を正確に記録します。
個人事業主が事業を廃業する場合、もし給与支払い事務所を持っていれば、その事務所の廃止を税務署に通知する必要があります。
提出先は、給与支払事務所等の所在地を管轄する税務署です。もし移転があった場合は、移転前の所在地を管轄する税務署に提出することが一般的です。
給与支払い事務所等が廃止される場合、廃止日から1ヶ月以内に届出書を提出する必要があります。
⑤所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書を提出
「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書」は、予定納税者がその年の所得が予測より少なくなったことに基づいて、所得税と復興特別所得税の予定納税額を減額申請するための公式文書です。
この申請を通じて、納税者は所得の変動に応じた適切な税額の調整を求めることができます。
個人事業主が廃業する場合、その年の収益が予想よりも低くなることが一般的です。
廃業により予定していた収入が得られなくなるため、予定納税額が過大に見積もられる可能性があります。
この申請を提出することで適切な税額に修正し、不必要な負担を避けることができます。
提出先は、申請者の住所地を管轄する税務署です。
直接税務署に持参するか、郵送で送ることが可能です。また、e-Taxシステムを通じてオンラインで提出することもできます。
予定納税額の減額申請には、提出期間が定められています。
第1・2期分の減額申請は7月1日から7月15日まで、第2期分のみの減額申請は11月1日から11月15日までの期間に受け付けられます。
⑥個人事業税の事業廃止届出書の提出
個人事業税の事業廃止届出書は、個人事業主が事業を廃止する際に提出が必要です。
これには、都道府県税法に定められた70業種の事業を行っている個人事業主が含まれます。
業種は多岐にわたり、医業、法律関連の専門職、設計監督者業などが対象ですが、農業や文筆業など一部の業種は個人事業税の課税対象外です。
事業廃止時にこの書類を提出することで、税務当局は事業主がもはや該当する事業から収入を得ていないことを確認し、事業税の課税対象から適切に除外します。
これにより、不正確な税金の徴収を避け、税務上の正確な状態を保つことができます。
提出先は、事業所が所在している都道府県の税事務所です。
事業廃止届出書は、事業を廃止した日から通常1ヶ月以内に提出する必要があります。
ただし、期限は都道府県によって異なる場合があるため、正確な期限については所在地の税事務所に確認しましょう。
個人事業の廃業の適切なタイミング
個人事業主が廃業をする場合、適切なタイミングはあるのでしょうか?
一概には言えませんが、年末のタイミングに合わせて廃業を行えばいくつかのメリットを享受できます。
年末に廃業を計画することで、税務年度が1月1日から12月31日までのカレンダー年に一致するため、その年の収益と経費を一度に処理することが可能です。
また、確定申告の際にも廃業に関する手続きを同時に行うことができるため、手続きの煩雑さを軽減し、時間的な効率も上がります。
さらに、税負担の面でも廃業年の収益が予想よりも少ない場合、所得が下がることによって税率が下がる可能性があり、結果として納税額が減少するかもしれません。
このように、年末に廃業することで税務上の処理がスムーズになり、翌年の計画を立てやすくなるなど複数の面で利点があるため、個人事業主にとって有効な選択肢となり得ます。
事業を休業したい場合は?
個人事業主にとって、廃業はつまり収入が無くなることを意味します。
やはり今まで努力してきた事業を全て無に帰すのはどうしても抵抗感がある人も多いでしょう。
もちろん、個々人によって状況は違ってくると思いますが、廃業ではなく「休業」という選択肢もあることは知っておいた方が良いでしょう。
ここでは、事業を休業したい場合に知っておくべきことを解説します。
所得税には「休業」の届出はない
個人事業主が事業を一時的に休業する場合、所得税の観点から「休業届」という正式な届出書は存在しません。
これは、所得税法上、事業の一時的な中断に特定の届出を要求する規定がないためです。
ただし、事業の休業中でも所得税の申告義務が消滅するわけではなく、その間に発生した所得があれば申告が必要です。
休業をしていても、例えば賃貸収入や投資収益など、他の源泉からの所得があればそれに対する税務申告は継続しなければなりません。
また、休業を理由に「廃業届」や「青色申告の取りやめ届出書」を提出する必要はありません。
これらの届出は事業を完全に終了する場合にのみ関連します。
もし将来的に事業を再開する意図がある場合、これらの届出を行わずに休業状態を維持することが望ましいです。
これは、再開時に新たに「開業届」や「青色申告の承認申請書」を提出する必要があるため、手続きが煩雑になることを避けるためです。
一方で、個人事業税に関しては、自治体によっては「事業休止届」の提出を求める場合があります。
これは地方税の管理を目的としており、事業の一時的な休止を自治体に報告することで、事業税の徴収に関する適切な処理が行われます。
したがって、事業を休業する際は、所在地の自治体の税務部門に連絡を取り、必要な届出があるかを確認することが重要です。
「純損失の繰越控除」がある場合は注意が必要
休業を考えている個人事業主が知っておくべき重要な点の一つは、「純損失の繰越控除」に関する知識です。
この制度は、事業からの所得がない場合でも、特に注意が必要です。
所得税において、事業所得やその他の特定の所得から生じた赤字が他の所得と相殺できない場合、その余った赤字を「純損失」と呼びます。
この純損失は青色申告をしている事業主の場合、翌年以降の3年間にわたって繰り越すことができます。
この繰り越しにより、将来発生する所得と相殺し、税負担を軽減することが可能です。
また、休業をして事業からの所得がなくなったとしても純損失の繰越控除を活用している場合、毎年の確定申告が必要です。
もし確定申告を怠ると、これまで繰り越されてきた純損失は失われ、再度事業を開始した際に利用できなくなってしまいます。
このため、休業中であっても「収入0円、経費0円」での確定申告を行いましょう。
開業届の提出を取り下げたい場合は?
休業とは若干意味合いが変わってきますが、何らかの個人的な理由で開業届を提出した後に撤回したい場合は、開業届の取り下げを行うことも可能です。
開業届の取り下げに関しては決まった方法は存在しませんが、以下の手順で取り下げるのが効率的です。
1.税務署への連絡
最初に行うべきことは、開業届を提出した税務署に連絡を取ることです。電話や直接訪問を通じて、開業届の提出取り下げについて相談し、必要な手続きの指示を受けます。
2.取下げの理由の説明
取り下げたい理由を明確に説明する必要があります。事業を実際には開始していない、または開始後すぐに事業を中断することになったなど、事情を具体的に伝えます。
3.書類の準備
税務署の指示に従って、必要な書類を準備します。これには「撤回届」などのフォームが含まれることがあります。具体的な書類は税務署によって異なるため、指示に従うことが重要です。
4.書類の提出
準備した書類を税務署に提出します。この際、開業届の提出から日が浅い場合や、実際に事業が行われていないことを証明できる場合に、取り下げが比較的容易に承認されることがあります。
なお、取り下げる場合は開業届を提出した後すぐに行うのが望ましいです。
時間が経過しすぎてしまうと手順が煩雑になる恐れがあるので、なるべく早くに所定の税務署に連絡しましょう。
個人事業主から法人化(法人成り)するメリット・デメリット
税務署への登録を個人事業主から法人にすることで、いくつかのメリットを享受することができます。
ただし、いくつかのデメリットも存在するので法人として登録する場合は以下に紹介することを事前に必ず確認しておきましょう。
メリット
個人事業主が法人として登録するメリットは以下の4点です。
- 信用度が高くなる
- 節税対策がしやすい
- 有限責任になる
- 決算月を自由に決められる
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
信用度が高くなる
一般的に個人事業主よりも法人の方が社会的信用度が高いです。
これは、法人が公的な登記を経て正式な法的エンティティとして認識されるため、事業の透明性や信頼性が高まるためです。
また、法人化することによって、事業の規模や実績が外部により認識されやすくなります。
信用度が高くなることで得られるメリットは以下の通りです。
- 銀行や金融機関からの借入れが容易になり、より好条件での融資を受けやすくなる
- 他の企業や公共機関からの信頼を得やすくなるため、大規模なプロジェクトや契約を獲得しやすくなる
- 法人としての地位は取引先からの信頼を得る上で有利に働き、安定した取引関係の構築に寄与する
- 投資家からの資金調達がしやすくなり、事業拡大や技術革新のための外部資本を確保しやすくなる
これらのメリットは、特に成長を目指す事業にとって大きなアドバンテージとなります。
法人化は手続きや管理の面で負担が増える可能性がありますが、その利点は個人事業主のステータスを超えるものが多いため、多くの事業主が法人への移行を選択しています。
節税対策がしやすい
法人化すると節税対策を取りやすくなる理由の一つは、税制上の優遇措置を受けやすくなるからです。
法人税の税率は所得の大小に応じて異なり、特に中小企業には軽減税率が適用されることが多いため、適切な会計処理を行うことで効果的に税負担を軽減することが可能です。
また、法人は経費として認められる項目が個人事業主よりも広く、経費計上できる項目が増えるため、税務上の利益を抑えることができます。
例えば、福利厚生費や社会保険料など、法人が負担する経費は税務上の控除対象となりやすいです。
さらに、法人は資産の減価償却を戦略的に行うことで、資産の購入や更新時のコストを税務上の費用として計上することができ、これが直接的な節税につながります。
このように、法人は多様な税務戦略を用いることで節税効果を最大化できるのです。
有限責任になる
法人化すると、最も大きな利点の一つに「有限責任」があります。
個人事業主の場合、事業に関する負債や義務は事業主個人の責任となり、個人の資産も差し押さえの対象となることがあります。
これに対し、法人は独自の法的人格を持つため、株主の責任は出資額に限定されます。つまり、事業が倒産しても株主の私財は基本的には保護されるのです。
そのため、投資や事業拡大の際にも株主は自身の出資限度以上の負債に対して責任を負うことはないため、より大胆な事業展開が可能となります。
また、この特徴は投資家にとっても魅力的で、事業への投資を促進する効果があります。
決算月を自由に決められる
法人化することで、事業主は自社のビジネスサイクルに最も合致する決算月を自由に選択することができます。
個人事業主の場合、決算期は一般的にカレンダー年(1月1日から12月31日)に固定されていますが、法人は設立時に決算期を設定でき、必要に応じて変更することも可能です。
この柔軟性は、季節性の強い業種や特定のプロジェクトが集中する時期を考慮して、最も効果的な財務管理と税務計画を立てることを可能にします。
例えば、小売業を営む法人がクリスマスや年末年始の商戦を重要な収益期としている場合、1月や2月を決算月と設定することで、その年度の収益を正確に把握しやすくなります。
さらに、税務上の計画を立てやすくなるため、税金の納付時期や資金の流れを最適化し、キャッシュフローの管理もしやすくなります。
これにより、企業の財務健全性を高めることができ、より安定した運営が期待できるのです。
デメリット
個人事業主が法人として登録するデメリットは以下の3点です。
- 法人設立時に費用がかかる
- 社会保険に加入する必要がある
- 赤字でも税金がかかる
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
法人設立時に費用がかかる
個人事業主として登録する場合には費用がかかりませんが、法人設立の際にはいくつかの経費が必要です。
<法人設立時にかかる主な費用>
種類 | 費用感 | 備考 |
定款作成費用 | 20,000~150,000円前後 | 行政書士または司法書士に依頼する場合の相場。定款認証は公証人が必要で、その費用も含む。 |
定款認証手数料 | 30,000~50,000円 | 資本金の額に応じて変動。1,000万円未満は30,000円、それ以上は更に高額。 |
登記費用 | 株式会社:150,000円以上、合同会社:60,000円以上 | 登録免許税は資本金の0.7%か一定額の高い方。株式会社は150,000円から、合同会社は60,000円から開始。 |
印鑑証明書取得費用 | 一般的に450円以下 | 法務局での登記に必要な印鑑証明書の取得費用。地域によって若干の違いあり。 |
会社実印作成費用 | 20,000~60,000円 | 会社実印として使用する印鑑の作成費用。実印・銀行印・角印が一般的。 |
資本金 | 法人化可能額:1円以上 | 資本金は最低限制がなく、1円以上で設立可能。しかし、多くの企業は社会的信用や事業計画に応じて適切な金額を設定。 |
ただし、はじめて法人成りをする場合は不安要素も多いため、専門家に依頼するのが一般的です。
社会保険に加入する必要がある
法人化する際には、社会保険への加入が必要となる点もデメリットの一つです。
個人事業主として活動している際には、健康保険や厚生年金保険への加入は任意ですが、法人として事業を行う場合、従業員を雇用するとこれらの社会保険への加入が法的に義務付けられています。
事業主は保険料の計算、従業員からの控除額の管理、さらには定期的な報告義務など、多くの管理コストが発生するため、個人事業主の時よりもかなり大変です。
また、社会保険への加入は法人の運営コストを増加させます。
特に小規模な事業では、この保険料が財務に大きな影響を与える可能性が高いです。
保険料は従業員の給与に基づいて計算されるため、給与総額が増えるほど、支払う保険料も多くなります。
赤字でも税金がかかる
個人事業主として活動している際は、その年の所得が赤字であれば所得税の納税義務(確定申告)は発生しません。
しかし、法人として運営する場合、赤字の年でも一定の税金が課せられます。
法人には最低限税と呼ばれる税金があり、これは法人の課税所得が赤字または非常に低い場合でも、一定額の税金が課せられるというものです。
また、法人は事業用の不動産や設備などの固定資産を保有している場合、その資産に対する固定資産税を支払う必要があります。
これらの税金は、個人事業主が法人化することによって新たに考慮しなければならない財務の負担となります。
赤字の年であってもこれらの税金を支払う必要があるため、事業のキャッシュフロー管理がより複雑になり、計画的な資金管理が求められるようになるのです。
まとめ
本記事では、個人事業主が直面する可能性のある廃業のプロセスについて詳細に解説しました。
個人事業主の増加に伴い、廃業という選択を考える事業主も増えています。
今後、個人事業主は事業の継続性と変革のバランスをどのように取るべきか、その策略を練り続けることが重要になるでしょう。
本記事の情報が、事業の未来を左右する重要な決断を下す際の一助となることを願っています。
「エンジニアスタイルマガジン」では、今後もこういったエンジニアにとって役立つ情報を随時お届けいたします。
それでは、また別の記事でお会いしましょう。今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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