フリーランスエンジニアになるために必要な実務経験はどれくらい?1年目にオススメしない背景と必要なスキルを紹介
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目次
実務経験1年ほどでフリーランスエンジニアになることはオススメしない理由とは
自身でプログラミングを学んだり、会社でITスキルを身に着けた時、誰もがフリーランスについて考えることが1度はあるでしょう。フリーランスエンジニアは自由で働きやすい印象が強いです。
しかし、実務経験1年ほどでフリーランスに転向してもなかなか充実したワークライフを送れないとも言われています。あらかじめ、フリーランスに転向してから付きまとうリスクなどを理解することが必要です。
それではここで、なぜ実務経験1年ほどでフリーランスエンジニアへの転向をおすすめしないのかを解説していきます。
単価が安い
一般的に、1年くらいの実務経験だと月40〜50万円が相場です。それなりの収入があるように感じますが、税金や健康保険などを差し引くと、手取りで35〜40万円の予想がつきます。
スキルアップができれば上記の金額以上の収入を得られますが、30代・40代になっても同様の金額で働くエンジニアも少なくありません。会社に属していたほうが給与アップも見込めるので、実質単価は安いと思っていたほうがよいでしょう。
案件を選ぶことができない・選択肢が少ない
案件情報などを見ていただくと、実務経験2年以上・3年以上・5年以上といった形で応募条件が決められているのがほとんどです。当然のごとく、実務経験が長いほど案件獲得や案件の選択肢は広がります。
※フリコンで実際に案件情報の確認が可能です。
実務経験1年以上と記載されているものもありますが、基本的に自走できることが大前提となっています。案件情報の内容から、最低3年以上の実務経験があれば、ある程度の案件獲得が見込めるでしょう。
実績が少なく、クライアントからの信頼を獲得しづらい(採用されない)
フリーランスエンジニアである前に、一人のビジネスマンであることの自覚が必要です。ビジネスマンとしての経験や実績がないとクライアントから信用を得ることが困難になります。
例えば、新卒1年目で実務経験1年だとビジネスマンとしての経験や知識が少ないことがわかるでしょう。多業種であっても社会人経験が長い人が優遇される場合もあります。
クライアントとのコミュニケーションや仕事を進める段取りは、社会人経験が長い人ほどスムーズにできると思われがちです。フリーランスとはいえ、しっかりと実務経験を積んでいる人が有利になるでしょう。
また、1年ほどの実務経験だとスキル不足と思われてしまいます。実際、1年ほどで取得できるスキルはそこまで多くありません。
フリーランスエンジニアになると、一人での開発を期待されるため様々な専門スキルが必要になります。スキルが少ないことにより、クライアントから細かな指示に対応できないとなると、今後の案件獲得が非常に困難です。
スキル不足と判断され信頼を得られなくなるなら、正社員としてしっかりと経験を積むことの方が重要とも考えられます。
開発に集中できず、スキルアップしにくい
1人称で開発することは非常に重要ですが、間違いなどに気づけずなかなか開発に集中できなくなることも理由の一つです。会社であれば上司や同僚にミスを指摘してもらったりアドバイスなどを得られます。
しかし、フリーランスだと基本的に一人で行うため、つまづいたりしてしまうとなかなか前に進めません。開発に集中することはスキルアップにも繋がるので、スムーズに案件をこなせる環境選びも大切です。
他にも、以下の内容で開発に集中できない理由が挙げられます。
営業や交渉をする必要がある
業務を始める前に、クライアントに業務内容に沿った営業や交渉が必要です。互いに提示した金額に納得できないようになると、次の案件やクライアントを探さなければいけません。
経理業務をする必要がある
エンジニアに限ってではありませんが、フリーランスで仕事をする時に面倒に感じてしまうのが経理業務です。サラリーマンは会社で源泉徴収を行いますが、フリーランスは自分自身で確定申告が必要です。
経費の領収書や売上額など帳簿をつくり正確な記録が必要になります。税金や保険の計算も自分自身で行うため、業務だけに集中できないのは非常にストレスです。
相談相手やレビュー者ができづらい
前述の内容に似ていますが、フリーランスは一人で業務を行うため、正しく業務遂行ができているかなどを判断してくれる人がいません。クライアントに提出するものは全て完成品です。
少しのミスに気づけずクライアントから信頼を失うこともあるでしょう。より神経質になってしまい納期に間に合わないなどのリスクも伴います。
フリーランスエンジニアになるために必要な実務経験の目安
フリーランスエンジニアになるには、実際にどれほどの実務経験を得れば良いのか不安になる人も多いでしょう。かといって、年数を決めても正しいかわからなくなる人もいるのが現状です。
下記の内容で、実務経験目安の年数と内容について解説していきます。
フリーランスエンジニアに挑戦する目安:3年の実務経験
エンジニアとして3年企業で働くと、様々な経験や知識を得られます。正社員やアルバイトとして経験を積むことでしかできないスキルも身に付くでしょう。
具体的にどういったことができるのかを解説していきます。
一連の開発経験を積み、1人で完遂できる経験を積む
会社で数年働いていると開発を任されることがあり、1人で完遂することで自信や経験がつくのは間違いありません。自分自身での案件獲得ではなく、会社に提案されることで業務だけに集中できます。
業務スピードを上げ、一連の開発経験を何度も積み、スキルアップを目指しましょう。
チームリーダーやマネージャーなどの管理職を経験する
管理職を経験することで、最新の情報を手に入れられるというメリットもあります。プロジェクトを任され最新の情報で挑むことにより、新たなアイディアや知識を得られるでしょう。
また、マネジメントスキルや問題解決能力・決断力は必然と高まり、今後ぶつかる壁にも冷静に対応できるようになるのも一つのメリットです。
自分の実力を試すためにも副業案件を探すことも視野に入れる
フリーランスの傍ら、副業としてエンジニア業務を行うのもおすすめします。案件獲得から業務完遂・納品まで行い報酬体験を得ることは、必ずフリーランスとして独立したときに役立つでしょう。
例として、副業案件は下記のサイトで探すことが可能です。
- クラウドワークス
- ランサーズ
- ココナラ
また副業として様々なクライアントと繋がることにより、人脈が太くなり業界内に知人が増えます。人脈は財産であるため、繋がりが増えて損をすることはほとんどないでしょう。
副業をすることは実務経験を積む以上に価値があると言っても過言ではありません。
エンジニアスタイルでは、20万件に及ぶフリーランスエージェントの案件をまとめて閲覧することができます。
自分に合った案件を見逃すことなく、じっくり案件を比較することで最適な案件に参画することができるので、ぜひ活用ください。
エンジニアが実務経験を積む方法とは
個人プロジェクトの開発
個人的なプロジェクトを開発することで、自分で設計やコーディング、テストまで一貫した開発を実施できます。実際に動作するアプリケーションを作ることができます。開発において自分で問題を解決することで、エンジニアとしてのスキルを向上させることができます。
オープンソースプロジェクトの貢献
オープンソースプロジェクトに参加し、自分が持つスキルを活かしてコードやドキュメントの改善を行うことで、エンジニアリングコミュニティに貢献することができます。
オープンソースの開発に参加することで、コミュニケーション能力やコラボレーション能力、コードリーディング能力などのスキルも向上させることができるでしょう。
自己学習
インターネット上には多くのエンジニアリングに関する情報があります。
オンラインコースや書籍、YouTube動画などを利用して、独学することでエンジニアリングのスキルを向上させるきっかけになります。しかし、あくまで個人開発の領域なのでビジネスの実務経験とは見なされないでしょう。
プロジェクトのリーダーシップ経験
チームでの開発経験を通じて、プロジェクトのリーダーシップ経験を積むことで、エンジニアリングのスキルだけでなく、プロジェクト管理やチームマネジメントのスキルも身に付けることができます。
フリーランスエンジニアになるために、実務経験外で必要なスキルとは
実務経験だけでフリーランスエンジニアになるのも危険が伴います。もちろんのこと、実務経験以外でもスキルが多いことに越したことはありません。
ここでは、どういったスキルがあると良いかを解説していきます。
開発で専門的な領域を持つこと
開発業務は、複数の広い言語を1年ずつ経験するよりも、一つの言語を一点集中で3年経験する方がエンジニアとして高い評価を得られます。その理由は、クライアントがフリーランスに仕事を依頼するのは即戦略だからです。
幅広い知識をある程度取得しているより、一つのことに深い知識があるエンジニアの方が圧倒的に重宝されます。
ここで例を挙げてみると、Python・PHP・Rubyなどを1年ずつ勉強するのではなく、PythonであればPythonだけをひたすら3年間勉強した方が良いということです。
需要が高い言語や単価に注目し、自分自身の武器と言えるほど完璧に一つの言語をマスターすると良いでしょう。
交渉力
フリーランスエンジニアにとって、高い営業力や交渉技術が備わっていることは非常に良いことです。独立すると、案件獲得は全て自分次第であるため、クライアントとの度重なる交渉は避けられません。
独立したては非常に困難に感じますが、案件獲得と収入源を増やすためにも積極的な営業や交渉は必要です。
調整力(期待値コントロール)
実務経験の有無に関係なく、仕事の流れを把握しておくことはどの分野でも大切になります。理由として、スケジュール管理や仕事の工程に必要な作業と時間を自分自身で確保できるからです。
クライアントの指示や要望を全て鵜呑みにしてしまうと、開発日程がタイトになったりして疲弊するケースも少なくありません。万が一遂行できなかった場合は信用も失うため、自分自身でしっかりと仕事の流れを把握し調整するようにしましょう。
なぜフリーランスエンジニアになりたいのかを明確にすること
なんとなく憧れでフリーランスエンジニアになることは危険です。フリーランスエンジニアになりたい理由はさまざまですが、明確になっていないと正社員で働いていた頃より損をしてしまう場合もあります。
雇う側からしてもクビを切りやすく、クライアント側のリスクが少ない分、市場ではフリーランスエンジニアの価値が高いのも事実です。収入アップが目的であれば会社員として働く方が良い場合もあるので、目的を明確にしてから考えましょう。
フリーランスになる上でのリスクを把握すること
フリーランスエンジニアだけに限らず、個人で仕事をすることにはリスクがつきものです。事前に注意が必要なポイントを押さえておくことが重要になるでしょう。
ここでは、フリーランスになる上でどういったリスクが伴うか解説していきます。
保険をはじめとした国からの保障が少なくなる
フリーランスは会社勤めとは保険の支払方法が異なります。給与所得者であれば、給与元の「社会保険」というものに加入しており、会社がいくらか保険料を負担してくれるのが一般的です。
フリーランスの場合は、保険料を自分自身で全額負担しなければいけなくなります。フリーランスになる前に、ある程度保険料が増えることを想定しておくことで、予想外の支出は避けられるでしょう。
有給休暇・育休・時間外労働手当がなくなる
正社員をはじめとした給与所得者は基本的に、充実した生活を送れるようにと会社から「有給休暇」が与えられます。急な体調悪化や事前に計画した希望で会社を休んでも給与が発生する制度です。
フリーランスは、仕事がなくなっても報酬を約束されているものはありません。時間外労働手当てもなく、そもそもフリーランスは自分自身で仕事の時間を決めているため、予定より時間が長くなくっても追加報酬などは存在しません。
また、「育児休暇」がある会社員に対して、フリーランスは子どもの急な体調不良でクライアントの約束を反故にしてしまう場合があります。女性男性に限らずフリーランスで働くには、少々不安要素になるのも事実です。
納品日に追われないよう、しっかりと時間や業務工程の計画を考えておくことが大切になるでしょう。
社会的信頼が低くなる
フリーランスは別名「個人事業主」とも呼ばれ、個人事業主は不動産ローンやクレジットカードの審査に非常に不利になるケースが多いです。確定申告書や支払明細書などで所得を証明しても、会社に属していないことで勤務先不適格とみなされてしまいます。
自分以外で、自分の仕事を証明できる人がいないことは、金融機関からの信用度が下がるので非常に不利です。
近年、フリーランス向けのローンや保険のサービスが普及しているのは事実ですが、会社員の時に保険やローンを組んでおくことをおすすめします。
居住区によっては保育園の審査が厳しくなる
前述でも説明したように、フリーランスは勤務時間や勤務場所があいまいとみなされるケースが多いです。その結果、事前に決められた時間通りに子どもを迎えにこれないという理由や、保育料を滞納するなど様々な観点からフリーランスは入園審査が厳しくなっています。
さらに、多くの自治体が行っている入園審査「点数制」です。幅広い条件で加点減点のルールが決められています。(詳細は各自治体のHPをご覧ください)
厳しい審査を通過するには、事前に必要な書類を調べて準備し、万全の体制をとっておくことが大事です。
フリーランスエンジニアになるために準備しておきたいこと
「フリーランスエンジニアになるために何があったら良いだろうか…」
「準備しておくものは多いのだろうか…」
など、駆け出しの時は不安を抱いてしまう人も少なくないはずです。
それではここで、どういった準備が必要かを解説していきます。
自分のポートフォリオを作っておく
フリーランスエンジニアとして活動するにあたりWebサイトを準備しておくことは案件獲得に有利になります。自社のWebサイトを準備しておくことで、営業活動を積極的に行わなくてもWebサイトを見たクライアントから仕事を受注できる可能性が高くなるでしょう。
また、ポートフォリオを作っておくことはクライアントへのアピールだけでなく棚卸しにもなるので、自分の作業工程や作業内容の確認にもなります。過去の実績を確認することは、今後のミスを減らすことにもなる良い機会となるでしょう。
フリーランスエンジニアに強いエージェントや案件サイトに登録して案件と自分のスキルを定期的に照合してみる
エージェントに相談したり案件サイトに登録することで、待っているだけで案件を紹介してくれるという利点があります。フリーランスエンジニアに強いエージェントや案件サイトは下記のようなものがあるので参考にしてみてください。
- エンジニアスタイル
- フリーランススタート
- フリーランスハブ
特に、駆け出しのころはどのようにして案件を見つけて良いかわからない人も多いはずです。
何もわからず案件獲得できたものの、案件内容が自分に合わず不履行になりクライアントとの信用に傷をつけてしまった人もいるでしょう。
ですが、エージェントや案件サイトは自分自身のスキルに合った案件を紹介してくれるので、フリーランスエンジニアになりたての人でも非常に便利です。「こういったスキルがないとこの案件はできない」など、必要なスキルも明確になるので自分自身の成長にも繋がります。
また、面倒に感じる営業活動や契約手続きの代行もしてくれるので、時間に余裕ができるのも一つの利点です。
6ヶ月分の貯蓄をしておく
フリーランスエンジニアとして独立した場合、すぐに安定した収入が得られる保障はありません。仮に、早く案件を獲得できたとしても、クライアントによっては締め日や支払日が決まっているので、入金まで時間がかかることもあります。
焦らず余裕を持って案件を探すためにも、ある程度の貯蓄をしておくことが大事です。
まとめ
ここまで、フリーランスエンジニアになるために必要な実務経験や事前準備について解説してきました。会社員エンジニアと比べて求められる業務に大差はありません。
ですが、フリーランスエンジニアとしてやるべきことが増えるのも事実です。会社員として実務経験が多いことに越したことはありませんが、相応のスキルや準備が必要であることがわかったのではないでしょうか。
本記事を読んで、フリーランスエンジニアを目指している人に少しでも役立てれば幸いです。
- フリーランスエンジニアはスキルより経験を積んでいる方が有利
- フリーランスエンジニアになりたい理由を明確にする
- フリーランスエンジニアになる前の準備を怠らない
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