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組み込みエンジニアに求められる5つのスキルとは?


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目次

組み込みエンジニアを取り巻く2つの変化

組み込みエンジニアとは、製品や機器に搭載されるソフトウェアを開発するエンジニアのことです。近年、AI技術、ビッグデータ、IoTなどの先端技術の発展により、組み込みソフトウェアの需要が高まっています。しかし一方で、若手エンジニアの育成に課題があり、業界全体の人材不足が深刻化しています。本章では、組み込みエンジニアを取り巻くこの2つの変化について詳しく解説します。

組み込みエンジニアを取り巻く業界変化① AI技術、ビッグデータ、Iotなどの先端技術の発展により需要が高まっている

組み込みエンジニアを取り巻く業界変化の1つに、AI技術やビッグデータ、IoT(モノのインターネット)などの先端技術の発展による需要の高まりが挙げられます。IoT技術が急速に普及し、AI技術の進歩によって多くのデバイスが自動化されるようになっています。そのため、エンベデッドシステム技術がますます重要性を増し、組み込みエンジニアへの需要が高まっています。

例えば、自動車業界では、自動運転車の開発が進みつつあります。そのため、自動車に搭載される組み込みシステムの機能性や複雑性が高まり、組み込みエンジニアの役割もより重要になっています。また、工場の自動化による生産性向上や、スマートシティの発展によっても、組み込みエンジニアへの需要は高まっています。

しかしながら、こうした技術の発展に伴い、市場に求められるスキルや知識も変化しています。組み込みエンジニアには、ハードウェアやファームウェア、制御システムなどの専門的な知識に加え、IoTやAI技術についても深い理解が求められるようになっています。今後もこのような技術の進化に伴い、組み込みエンジニアへの需要は高まり続けるでしょう。

組み込みエンジニアを取り巻く業界変化② 若手が育たない

組み込みエンジニアを取り巻く業界変化のもう一つの変化は、若手が育たないということです。組み込みエンジニアという分野は、他のエンジニア分野に比べて、必要なスキルを身につけるのに時間がかかることが多いため、若手エンジニアの育成が重要になってきます。

しかし、最近の若い世代は、Webやクラウド系のスキルに関心が高い傾向にあるため、組み込みエンジニアを志す人が減っていることが問題となっています。また、組み込みエンジニアを育成するために必要な専門教育の提供が不十分であることも、若手エンジニアが育たない要因の一つとなっています。

一方で、組み込みエンジニアが必要な分野は増えているため、若いエンジニアのニーズは高いといえます。そのため、業界では、若手エンジニアを積極的に採用し、教育や研修制度を整備することが求められています。また、現場での実務経験を積むことが重要であるため、業界内でのハンズオンな研修や実践的なプロジェクトに参加することが、若手エンジニアの成長につながると考えられます。

組み込みエンジニアに求められる基本的なスキル

組み込みエンジニアとして活躍するために必要なスキルには、C言語やC++、アセンブラを使った実務経験やハードウェアの知識と経験が挙げられます。また、リアルタイムOSを活用した開発経験やミドルウェアやアプリケーションなどの開発経験も重要です。この章では、組み込みエンジニアに求められる基本的なスキルについて詳しく解説します。

C言語、C++、アセンブラを使った実務経験

組み込みエンジニアには、C言語、C++、アセンブラを使った実務経験が求められます。これらのプログラミング言語は、組み込みシステムの開発に必要不可欠な言語であり、特にC言語はほとんどの組み込みシステムのプログラム言語として使用されています。また、アセンブラはプログラムの最適化に役立ち、低レベルのハードウェア制御に必要なスキルです。

実務経験を持つことは、言語の機能や文法だけでなく、実際の問題に対処する能力を身につけることができます。例えば、組み込みシステムでは、リソース制約、リアルタイム性、信頼性、安全性などの問題が発生しやすいため、プログラムの設計や開発においてこれらの問題を考慮することが必要です。また、ハードウェアとソフトウェアの間のインターフェースを管理する必要があるため、低レベルのハードウェアの知識も重要です。

したがって、組み込みエンジニアには、C言語、C++、アセンブラを使った実務経験が必要であり、これらの言語の文法や機能に加え、実際の問題に対処する能力やハードウェアの知識が求められます。

ハードウェアの知識と経験

組み込みエンジニアには、ハードウェアの知識と経験が求められます。その中でも重要なスキルには、CPU、回路図、電子デバイスの理解が挙げられます。CPUは中央演算処理装置の略で、コンピュータの「脳」として動作する部品です。組み込みシステムにおいても、CPUは処理速度や電力消費などを考慮して選定されます。回路図は、電子回路の設計図のことであり、各電子デバイスの接続方法や動作原理が示されます。組み込みエンジニアは回路図を理解し、実際の回路を構築する能力が求められます。電子デバイスは、トランジスタやダイオード、コンデンサなどの素子のことで、これらを理解し、適切に選定することが必要です。組み込みエンジニアは、これらの知識を基に、ハードウェアの設計・開発・トラブルシューティングを行うことが求められます。

ソフトウェアの知識と経験

組み込みエンジニアには、ハードウェアの知識と同様に、ソフトウェアの知識と経験が求められます。特にリアルタイムOS(RTOS)の知識が必要不可欠です。RTOSは、組み込みシステムのために設計された、ハードウェアリソースを最適化し、処理能力を最大化するために時間に敏感なアプリケーションを実行するためのOSです。以下に、一部のRTOSについて説明します。

TRON

TRONは、リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)の一種で、日本の経産省が提唱する統合システムのためのオペレーティングシステム規格です。TRONプロジェクトは、1984年に始まり、様々なハードウェアに対応したRTOSの開発が行われています。また、TRONプロジェクトは、オープンソースを基盤にしたソフトウェア開発にも力を入れており、TRONをベースにした製品が多数存在しています。

T-Kernel:

T-Kernelは、TRON仕様に基づいたリアルタイムオペレーティングシステムの一種で、組み込みシステムの開発に使用されます。T-Kernelは、シンプルで高速なカーネルと、オプションで提供される多数の機能を持つミドルウェアで構成されています。T-Kernelは、高信頼性、高拡張性、高再利用性を備えたRTOSとして、組み込みシステム開発において幅広く利用されています。また、T-Kernelは、オープンソースで公開されており、自由に利用できます。

VxWorks

VxWorksは、リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)の一種で、Wind River Systems社によって開発されています。VxWorksは、高い信頼性とリアルタイム性能を持ち、組み込みシステムの開発に広く利用されています。VxWorksは、多数のハードウェアプラットフォームに対応し、高度なミドルウェアや開発ツールが提供されています。

OSEK

OSEK(Open Systems and the Enterprise development for Automotive and avionics applications Kernel)は、自動車や航空宇宙分野などの組み込みシステム向けに開発されたRTOSです。OSEKは、高い信頼性、リアルタイム性能、標準化されたAPI、そして低いリソース消費量が特徴です。OSEKは、多数の自動車メーカーやサプライヤーによって採用されており、AUTOSAR(Automotive Open System Architecture)の基盤となっています。

Rt-Linux

Rt-Linuxは、Linuxカーネルにリアルタイム性能を追加するための拡張機能です。リアルタイム性能を持つLinuxは、組み込みシステムやオートメーションなどの分野で広く利用されています。Rt-Linuxは、リアルタイム性能を向上させるために、プリエンプティブカーネル、ミドルウェア、API、そしてドライバなどの機能を提供します。

Rt-Linuxは、Linuxの機能を活用しながら、リアルタイム性能を確保することができます。また、Linuxの豊富な開発ツールやドライバを利用することができるため、開発効率が高く、柔軟なシステム構築が可能です。

リアルタイムOSを活用した開発経験

組み込みシステムは、リアルタイム性が求められることが多いため、リアルタイムOSの知識と経験が不可欠です。リアルタイムOSは、ハードウェア資源を効率的に管理し、高速で信頼性の高い処理を行うことができます。そのため、組み込みエンジニアにはリアルタイムOSを活用した開発経験が求められます。

リアルタイムOSの種類はさまざまで、TRON、T-Kernel、VxWorks、OSEK、Rt-Linuxなどがあります。これらのOSを活用することで、組み込みシステムに必要な機能を実現することができます。また、リアルタイムOSは非常に複雑なため、エンジニアはOSの構造や機能を理解し、それを活用した開発ができる必要があります。

リアルタイムOSを活用した開発経験があるエンジニアは、リアルタイム性が要求される組み込みシステムの開発において重要な役割を果たします。リアルタイムOSを活用したシステム開発には、システム全体の設計や実装、デバッグなど幅広い技術が必要とされます。

ミドルウェアやアプリケーションなどの開発経験

ミドルウェアやアプリケーションの開発経験は、組み込みエンジニアにとって非常に重要であり、システムの高度な機能を実現するために必要不可欠です。ミドルウェアとは、システムソフトウェアのことであり、組み込みシステムにおいては、RTOS、通信スタック、デバイスドライバなどが含まれます。

アプリケーション開発には、組み込みシステムの制御やインターフェースなどが求められます。ミドルウェアやアプリケーションを開発するためには、プログラミング言語や開発ツールの知識、デバッグ技術などが必要です。これらのスキルを持った組み込みエンジニアは、高度な機能を持つシステムの開発や、より効率的で高性能なシステムの構築に貢献することができます。

組み込みエンジニアに今後さらに求められているスキルとは?

組み込みエンジニアの役割は、さまざまな製品やサービスに必要なソフトウェアやハードウェアを開発することです。近年、組み込みシステムの発展とともに、組み込みエンジニアにはより多くのスキルが求められるようになってきています。

本章では、組み込みエンジニアに求められている今後のスキルについて、AWSのスキル、業界専門知識、セキュリティ技術の知識・スキル、オブジェクト指向に対応できるスキル、そして上流工程から下流まで一貫して関わった経験について解説します

組み込みエンジニアに求められているスキル①:AWSのスキル

組み込みエンジニアに求められるスキルの1つに、クラウドコンピューティングの代表格であるAWSのスキルが挙げられます。AWSは、さまざまなサービスを提供しており、IoTデバイスとの連携やデータの収集・処理・分析に必要な機能を備えています。組み込みシステムもAWSと連携することで、柔軟な機能拡張や、大量データの取り扱い、セキュリティの強化などが可能になります。

そのため、組み込みエンジニアにはAWSの基礎知識から応用まで幅広いスキルが求められます。具体的には、AWSのサービスの特徴や利用方法、ネットワーク構成の理解、AWS CLIやAWS SDKを使った開発、AWS IoTとの連携、セキュリティに関する知識などが必要です。AWSには新しいサービスが続々と追加されているため、常に最新の情報にアップデートし、柔軟な対応力を持つことが重要です。また、AWS認定資格を取得することで、スキルアップを目指すこともできます。

組み込みエンジニアに求められているスキル②:特定の業界における専門知識

組み込みエンジニアに求められるスキルの一つに、特定の業界における専門知識があります。組み込みシステムは、さまざまな業界で使用されており、それぞれの業界に特有の課題や要件があります。例えば、自動車業界では車載システムの安全性や耐久性が重要視されます。医療機器業界では、人体に関わるためセキュリティや信頼性の高いシステムが必要です。

これらの業界に関する専門知識を持っていることで、組み込みエンジニアは業界のニーズを理解し、そのニーズに適した製品やシステムを設計・開発できます。また、業界のトレンドや技術動向にも精通しておくことが重要です。業界の専門知識を習得するためには、業界団体のイベントや勉強会への参加や、関連する書籍や論文の読解、現場での経験などが有効な手段となります。

組み込みエンジニアに求められているスキル③:セキュリティ技術の知識・スキル

組み込みエンジニアには、セキュリティ技術の知識とスキルがますます求められています。組み込みシステムは、車両、医療機器、航空機、防衛システムなど、多くの場合、人々の生命や財産を保護するために使用されます。したがって、セキュリティの観点から、システムの信頼性や安全性が高いことが非常に重要です。

組み込みシステムには、外部からの攻撃や不正アクセスを防止するために、さまざまなセキュリティ技術が必要です。これには、暗号化技術やセキュリティブート、ファームウェアの署名、セキュリティに関連する規格やガイドラインの理解などが含まれます。また、セキュリティに関するテストや検証、脆弱性診断などのスキルも必要となります。

組み込みエンジニアは、セキュリティの問題を理解し、防止策を実装できるようになるため、関連するトレーニングやコースを受講し、学ぶことが重要です。また、セキュリティに関する最新の動向を把握することも重要です。

組み込みエンジニアに求められているスキル④:オブジェクト指向に対応できるスキル

組み込みエンジニアに求められているスキルの1つに、「オブジェクト指向に対応できるスキル」があります。オブジェクト指向は、プログラミングにおいて重要な設計思想の1つで、プログラム内のデータや処理を「オブジェクト」と呼ばれる単位で扱い、それらを独立して設計することで、柔軟性や再利用性の高いプログラムを実現することができます。オブジェクト指向の設計思想は、組み込みシステムの開発でも重要な考え方となっており、組み込みエンジニアにはこの思想に基づいた設計・開発が求められます。

例えば、センサー情報を取得して処理するプログラムにおいて、センサーから得られる情報をオブジェクトとして扱い、データの処理をオブジェクトに分割することで、システムの柔軟性や保守性を高めることができます。したがって、オブジェクト指向に対応できるスキルは、組み込みエンジニアにとって重要なスキルの1つです。

組み込みエンジニアに求められているスキル⑤:上流工程から下流までの一貫して実施できるスキル基本設計からデバッグまで一貫して関わった経験

組み込みエンジニアに求められているスキルの一つとして、上流工程から下流まで一貫して実施できるスキルが挙げられます。これは、基本設計からデバッグまでの一連の開発プロセスを経験し、プロジェクトの全体像を把握し、自分の役割を正確に理解することが必要です。また、チーム全体のコミュニケーションを円滑に進めることができるため、協調性のある人材としても求められます。

特に、基本設計段階で要件定義や設計書作成などの経験があると、プロジェクトの成功に重要な役割を果たすことができます。そのため、上流工程における設計や仕様書の作成に精通していることが求められる場合もあります。

また、下流工程である詳細設計やプログラムの実装、テスト、デバッグなどにも幅広い知識や技術が必要とされます。これらを一貫して実施できる経験があると、品質の高い製品を開発することができるため、求められるスキルとなります。

総合的に見て、上流工程から下流までの一貫した経験を持つことで、組み込みエンジニアはプロジェクトの全体像を把握し、要件や設計の変更にも柔軟に対応できるため、求められるスキルの一つとなっています。

組み込みエンジニアも身につけたおきたいヒューマンスキルとは

組み込みエンジニアに必要な技術的スキルに加え、現代のビジネス環境で求められるヒューマンスキルも重要となっています。この章では、組み込みエンジニアが身につけるべきヒューマンスキルとして、ビジネスコミュニケーションスキル、プロジェクトマネジメント能力、若手エンジニアを育てるマネジメント能力、そしてリーダーシップについて解説します。これらのスキルは、技術的な能力と同様に、組み込みエンジニアのキャリアにおいて重要な役割を果たすことが期待されます。

ビジネスコミュニケーションスキル

組み込みエンジニアは技術的スキルだけでなく、ビジネスコミュニケーションスキルも身につけることが重要です。これは、組み込みシステムが製造業、自動車産業、医療機器などさまざまな業界に使用されるため、ビジネス関係者との円滑なコミュニケーションが不可欠だからです。

具体的には、プロジェクトのスケジュールや予算について上司やクライアントに報告する能力、技術的な問題をわかりやすく説明する能力、チーム内のコミュニケーションを円滑に行うスキルなどが求められます。また、海外との取引も増えているため、英語力も必要になってきています。

ビジネスコミュニケーションスキルは、技術的スキルと同じくらい重要なスキルであるため、積極的に磨くことが求められます。ビジネスコミュニケーションスキルを高めるためには、プレゼンテーションの練習やビジネス英語の勉強などが有効です。また、業界や顧客のニーズを理解するために、ビジネスの知識も身につけることが重要です。

プロジェクトマネジメント能力

組み込みエンジニアが身につけるべきヒューマンスキルの一つに、プロジェクトマネジメント能力が挙げられます。プロジェクトマネジメントは、プロジェクトの目的やスコープ、コスト、スケジュール、品質などを達成するために、計画、実行、監視、制御、改善を行う管理活動のことです。組み込みシステム開発は、複数のエンジニアやチームが協力して行われることが多く、プロジェクトマネジメントの能力が求められます。

プロジェクトマネジメント能力を持つ組み込みエンジニアは、プロジェクトの進捗状況を正確に把握し、問題を事前に発見して解決することができます。また、コミュニケーション能力に優れ、プロジェクトに関する情報を適切に共有し、プロジェクト全体の視野を持って判断できることも求められます。これらの能力があることで、組み込みシステムの開発において、プロジェクトマネジメントの専門家としての役割を果たすことができます。

若手エンジニアを育てるマネジメント能力

組み込みエンジニアが身につけるべきヒューマンスキルの一つに、若手エンジニアを育てるマネジメント能力が挙げられます。技術力を高めることはもちろん重要ですが、マネジメント能力によって部下を適切に指導・育成し、チーム全体の生産性向上につなげることが求められます。若手エンジニアのモチベーションアップやキャリア形成支援など、部下一人ひとりのニーズに合わせたアプローチが必要です。

また、プロジェクトマネジメント能力とのバランスも重要であり、上司やクライアントとの折衝能力、リスク管理能力も必要です。マネジメント能力の向上には、自己啓発やコミュニケーションスキルの向上など、多角的なアプローチが必要です。

リーダーシップ

組み込みエンジニアにとって、リーダーシップは重要なヒューマンスキルの1つです。リーダーシップは、他のメンバーやチームを引っ張っていく能力や、目標を達成するための計画の策定、チームメンバーの能力を引き出し最大限活用するためのマネジメントスキルが必要です。リーダーシップを発揮することで、チームやプロジェクトの成果を最大化し、チームメンバーを育成し、自身のキャリアアップにもつながります。

また、組み込みエンジニアは、リーダーシップを発揮することで、プロジェクトの進捗管理や、品質管理、チームの調整など、複雑なプロジェクトをリードできます。具体的には、ビジョンや方針を示すこと、目標を明確にすること、メンバーの能力を評価し、適材適所で配置することなどが求められます。これらのスキルを持つことで、組み込みエンジニアは、チームの重要な一員として貢献し、自身の成長にもつなげることができます。

組み込みエンジニアは知っておきたい。スキルマップとなる組込みスキル標準(ETSS)

この章では、組み込みエンジニアが押さえておくべきスキルマップとなる「組込みスキル標準(ETSS)」について解説します。ETSSは、組み込みシステム開発における技術的スキルだけでなく、ヒューマンスキルやマネジメントスキルなど、エンジニアとして必要な幅広いスキルをカバーした規格です。

スキル基準、キャリア基準、教育研修基準の3つの要素から構成されており、組み込みエンジニアのキャリアアップや教育研修に役立つことが期待されています。今後ますます需要が高まる組み込みシステム開発分野において、ETSSを活用し、スキルアップに取り組むことが重要です。

スキル基準

組み込みスキル標準(ETSS)は、組み込みソフトウェアに関する技術スキルを「技術要素」、「開発技術」、「管理技術」の3つのカテゴリに整理し、4段階の階層でスキル診断を行うものです。技術スキルを定量的に可視化することを目的としています。技術要素には、組み込みシステムの基礎技術やハードウェア・ソフトウェアの統合技術、組込みシステムの開発技術には、要件定義やアーキテクチャ設計、ソフトウェア設計・開発・テスト、品質管理、コンフィグレーション管理が含まれます。

また、管理技術には、プロジェクトマネジメントやプロダクトマネジメント、リスク管理、コミュニケーションスキルなどが含まれます。これにより、組み込みシステム開発における技術スキルの評価と強化が可能になります。

参考URL:スキル基準とは

キャリア基準

「組み込みスキル標準(ETSS)」のキャリア基準は、組み込み開発の各レベルに対応するスキルを示しています。基本的なスキルから応用的なスキル、組み込みシステムを設計するために必要なスキルまで、エンジニアが目指すべきキャリアを明確にし、スキルの評価や訓練の基準として利用できます。

また、キャリアの目標設定やスキルアップに向けた方針策定にも活用できます。ETSSには、初級、中級、上級、リーダーの4つのキャリアレベルがあり、それぞれに必要なスキルが定義されています。各レベルごとに必要な技術や知識、業務経験や能力が示され、組み込みエンジニアのスキルマップとして有用です。

参考URL:キャリア基準とは

教育研修基準

組み込みスキル標準(ETSS)の教育研修基準は、組み込みシステムの基礎的な知識や技術を身につける初級レベルから、高度な技術や開発手法を習得する上級レベルまでの教育研修に関する基準を示しています。教育研修の対象となる人材やその必要なスキルレベル、研修内容の詳細が示されており、職場研修や外部研修の計画に役立ちます。

また、ETSSに基づいて研修を行うことで、組み込みエンジニアのキャリアアップに繋がることが期待できます。さらに、研修後には習得したスキルを証明するための認定試験も実施されています。ETSSの教育研修基準は、組み込みエンジニアにとって重要なスキルマップの一つであり、キャリアアップのために必要な知識や技術を身につけるための指標として活用されています。

参考URL:キャリア基準とは

組み込みエンジニアがキャリアやスキルを考える際にやるべきこと

組み込みエンジニアとしてキャリアアップを考える場合、ロードマップの作成やポートフォリオの作成、そしてスキルマップの作成が重要なステップとなります。キャリアアップを目指すためには、自分がどのようなスキルを身につけ、どのようなプロジェクトに携わっていきたいのかを明確にする必要があります。

そして、その目標を達成するためには、自己PRやポートフォリオの作成が必要になってきます。また、組み込みエンジニアとして必要とされるスキルを把握するためにも、スキルマップの作成が重要です。この章では、これらのステップについて詳しく解説していきます。

キャリアのロードマップの作成

組み込みエンジニアがキャリアを考える上で、まずは自分の現在地点を把握し、将来的なキャリア目標を設定することが重要です。そのためには、キャリアのロードマップを作成することが役立ちます。ロードマップは、自分が取り組むべきタスクや必要なスキル、それらを身につけるための方法を示す計画書となります。

自己評価や企業のキャリアパスに基づいて、長期的な目標を設定し、段階的にその目標に向かって取り組むことが求められます。また、途中で計画を見直し、修正することも重要です。

ポートフォリオの作成

ポートフォリオは、エンジニアが自分の能力や実績をアピールするための重要なツールです。ポートフォリオを作成することで、エンジニアのスキルや経験を示すことができ、求職活動やキャリアアップの際に有利になります。ポートフォリオには、自分が開発したプロジェクトの成果物やコード、技術的な解決策やアプローチの記述、実装した機能や仕様書、開発したWebサイトやアプリのスクリーンショットなどを含めることができます。

ポートフォリオは、自分自身がどのような開発者であるかを証明するための有力な手段です。また、自分自身がどのような分野に興味を持っているかや、どのようなプロジェクトに参加しているかを示すこともできます。ポートフォリオは、エンジニアとしての自分自身を確立するために必要な重要なステップです。

スキルマップの作成

組み込みエンジニアがスキルアップするためには、まず現在のスキルを把握することが大切です。そのために、スキルマップを作成し、自分のスキルを整理する必要があります。スキルマップは、自分が持っているスキルを明確にし、今後どのようなスキルを身につける必要があるかを把握するために役立ちます。

スキルマップの作成には、自分ができること、やりたいこと、やってみたいこと、将来的に必要なスキルを洗い出し、それらを整理することが必要です。スキルマップは、キャリアの方向性を考える上での重要な情報源となります。

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まとめ

組み込みエンジニアを取り巻く業界はAI技術、ビッグデータ、IoTなどの先端技術の発展により需要が高まっている一方、若手が育たないという問題もあります。

組み込みエンジニアに必要なスキルとしてC言語、C++、アセンブラを使った実務経験、ハードウェアの知識と経験、ソフトウェアの知識と経験などの基本的なスキルを備える必要があります。さらに今後必要とされるスキルとしてAWSのスキルや特定の業界に関する専門知識やセキュリティ技術の知識・スキル、オブジェクト指向に対応できるスキルなどがあります。

またヒューマンスキルとしてビジネスコミュニケーションスキル、プロジェクトマネジメント能力、リーダーシップなども重要です。組み込みエンジニアはこれらのスキルマップを把握して一歩先をいくことが重要です。

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