フリーランスが事務所を借りるメリット・デメリットは?注意点や事務所以外の方法も解説!

はじめまして、エンジニアスタイル編集部です!
コラムページでは、ITフリーランスに向けてお役立ち情報を発信します。Twitterではホットな案件を紹介してまいりますので、ぜひフォローをお願いいたします!
本記事が、皆様の参考になれば幸いです。
経験がまだ少ない方にもわかりやすく説明するために、初歩的な内容も記載しております。記事も長いので、実務経験豊富な方は、ぜひ目次から関心のある項目を選択してください。
エンジニアスタイルは、最高単価390万円、国内最大級のITフリーランス・副業案件検索サービスです。ITフリーランス・副業案件一覧をご覧いただけますのであわせてご確認ください。
目次
フリーランスはどこで仕事してる?
フリーランスは自由気ままでどこでも働けるイメージが強いですが、実際にはどこで働いているのでしょうか。
ここでは、フリーランスが働いている主な場所をご紹介します。
フリーランスは自宅で仕事している人が多い
日本政策金融金庫の発表しているデータによると、フリーランスの働く場所で最も多いのが自宅または自宅に併設している事務所です。
特に「自宅の居室」を事業場所として挙げる割合は、どの類型のフリーランスにおいても過半数を占めています。
生活を重視するタイプのフリーランスではその割合が65.0%と最も高く、これは仕事と生活のバランスを重視していることが理由と考えられます。
さらに、「自宅併設の事務所・作業場等」を含めた「職住一致」の割合は、生活重視型で79.4%と非常に高いです。
これに対し、収入を重視するフリーランスは71.3%、仕事を重視するタイプでは73.4%となっています。
フリーランスの自宅以外の仕事場は?
フリーランスの自宅以外の働く場所は、「自宅と独立した事務所・作業場」や「顧客から指示された場所」や「業務用車両」または「自宅近くのカフェやワークスペース」などが主な場所です。
「自宅と独立した事務所・作業場」では、プロフェッショナルな環境を確保しつつ、家庭と仕事の物理的な分離が可能です。
「顧客から指示された場所」での作業は、フリーランスが顧客の直接的なニーズに対応する場合に見られます。
これは、特に収入を重視するフリーランスに多く、顧客のプロジェクトや環境に応じて場所を選ぶ柔軟性が求められます。
また、「業務用車両」を使用するフリーランスは、移動が多い仕事、例えば訪問販売や特定の技術サービスを提供する場合に多いです。
最近では、「自宅近くのカフェやワークスペース」を利用するフリーランスも多くなってきました。
カフェやワークスペースは、家庭から離れたいが遠くに行く必要はないというニーズに応えるもので、創造的な仕事や集中が必要な作業に適しています。
クライアント企業に常駐することもある
フリーランスというと、場所を選ばずにどこでも働けるイメージがありますが、特にIT系のエンジニアなどはクライアント企業の社内に常駐して仕事をすることも少なくありません。
プロジェクトの性質やクライアントの要望によって異なりますが、常駐の理由は主に以下の3点です。
1.チームとの綿密な連携が必要な場合
多くのITプロジェクトでは、エンジニアがクライアントの既存チームと緊密に協力する必要があります。特に、アジャイル開発のような開発方法を採用しているプロジェクトでは、日々のスタンドアップミーティングやスプリントプランニングなどの活動に参加するために、現場にいることが求められることが多いです。
2.特定のリソースへのアクセスが必要な場合
セキュリティが重視されるプロジェクトや、特定の物理的リソース(サーバーなど)を使用する必要がある場合、クライアントのオフィスやデータセンターに常駐して作業を行う必要があります。外部からのアクセスが制限されている情報を扱う場合に特に多いです。
3.クライアントのビジネスへの理解を深める必要がある場合
クライアントのビジネスプロセスや社内文化を深く理解することがプロジェクトの成功に直結する場合、現場で直接作業を行うことで、より効果的なソリューションを提供できるようになります。
このように、フリーランスの働き方は多様であり、仕事の内容やクライアントのニーズに応じて、常駐することが必要な場合もあることは覚えておきましょう。
フリーランスが事務所を借りるメリット・デメリット
フリーランスとして活動している方の中には、専用の事務所を借りる人も少なくありません。
フリーランスは事務所を借りることでいくつかのメリットを享受することができます。
フリーランスが事務所を借りるメリット
フリーランスが事務所を借りるメリットは複数ありますが、主なメリットは以下の5点です。
- プライベートと仕事の切り替えができる
- 仕事に集中できる環境を作れる
- 社会的な信用を得やすい
- クライアントとの打ち合わせ場所に使える
- 自宅の住所を公開しなくてよい
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
プライベートと仕事の切り替えができる
フリーランスが事務所を借りる1つ目のメリットは、プライベートと仕事の切り替えがしやすくなることです。
一般的な会社員は、極論を言ってしまえばサボっていても収入自体がなくなることはありません。
しかし、フリーランスは生産性を高める努力を常にしていなければ、早々に契約を打ち切られることもあります。
契約がなくなってしまえば、もちろんその月の収入は基本的にありません。そのため、フリーランスの方で働く場所にこだわる方は非常に多いです。
例えば、自宅で仕事をしていると家事や家族の要求、さらには訪問者などが仕事の中断を引き起こす可能性があります。
また、自宅での仕事は「いつでも仕事を再開できる」という考えが働くため、作業が長引いたり、効率が落ちたりすることも少なくありません。
一方で、事務所を借りることによって物理的な「職場」が存在するため、自宅とは異なる環境に身を置くことができます。
この環境の変化は、仕事モードへの切り替えを助け、作業の開始と終了の時間を明確にすることが可能です。
仕事に集中できる環境を作れる
先述したように、フリーランスは生産性が自身の収入に直結します。そのため、事務所を借りることで仕事に集中できる環境を作れるのは非常に大きいメリットといえるでしょう。
しかし、「集中するだけならカフェやファミレスでも良いのでは?」と考える人も多いでしょう。
もちろん、カフェやファミレスなどの雑多な物音が多い環境でも集中できる人はいるかもしれませんが、心理学的にも集中するには静かな環境の方が良いとされています。
心理学の観点から見ると、集中力は外部の刺激に大きく影響されます。外部の雑音や会話は、注意力を分散させ、タスクに対する集中を妨げる要因となります。
特に、言語に関連する雑音(隣のテーブルの会話など)は、無意識のうちに聞き取ろうとするため、思考や創造的な作業に必要な認知リソースを消耗します。
これに対し、専用の事務所では周囲の環境を自分の作業に最適化することができ、不必要な干渉を最小限に抑えることが可能です。
また、人が多い環境ではセキュリティの関係上できない仕事もあります。
例えば、機密情報を扱う作業やクライアントから提供されたデータを安全に管理する必要がある場合、公共の場ではなく専用事務所での作業が適切です。
クライアントからの信用を得やすい
フリーランスが事務所を借りることで、クライアントからの信用も得やすくなります。
これは一概にはいえませんが、特にコンサルタントやマネージャー職に就いている方は、事務所を構えることで信用が得やすいです。
事務所を構えることは、プロフェッショナリズムと安定性の象徴と見なされることが多いのです。
具体的には、クライアントがフリーランスとの会議や商談を行う際、専用の事務所があることでそのフリーランスが安定した経営基盤を持っていると感じるため、信頼感が増します。
また、一部の業界では契約を結ぶ際に事務所の存在が必須条件となっていることもあります。
これは、プロジェクトに対するコミットメントと専門性を示すため、また情報の安全管理を徹底するために重要視されるためです。
クライアントとの打ち合わせ場所に使える
会社員であれば自社の会議部屋などを事前に予約しておけば、打ち合わせに関するコストは発生しませんが、フリーランスは外出先などで打ち合わせが発生した際にかかるコストは自腹です。
もちろん、クライアント側が経費として打ち合わせ費用を負担することもありますが、そうでない場合は別途で経費がかかってしまうのはフリーランスのデメリットの一つです。
しかし、事務所を借りている場合はこういった打ち合わせ場所を事務所内で行うことで費用を抑えることができます。
よく「フリーランスは全部経費で申請できるからお得」といったような誤解をしている人がいますがこれは間違いです。
確かに、フリーランスは事業に関わる支出を確定申告の際に経費として申請できますが、会社員のようにその経費が実質的にタダになるわけではありません。
日本の税制上、フリーランスが支出した経費は事業収入から差し引かれるため、課税所得が減少します。
これにより、納税額も減るわけですが、支出した金額そのものが戻ってくるわけではなく、あくまで課税される利益が減ることにより、間接的にコスト負担が軽減される形になります。
自宅の住所を公開しなくてよい
フリーランスとして活動していくには、何度も契約書類に署名しなければなりません。
この際、もちろん所定の住所を記載する必要があるのですが、自宅の住所を直接契約書に記載するのはセキュリティの観点からあまりおすすめしません。
最近では契約書を装った詐欺被害なども報告されており、個人情報が漏れるリスクがあるからです。
事務所の住所をビジネスの連絡先として使用することで、プライバシーを守りつつプロフェッショナルなビジネスイメージを保持することができます。
フリーランスが事務所を借りるデメリット
このように、フリーランスが事務所を借りるメリットは複数ありますが、メリットだけではありません。当然、デメリットも存在します。
フリーランスが事務所を借りるデメリットは主に以下の3点です。
- 初期費用や毎月の固定費がかかる
- 自分で備品を揃える必要がある
- 家事や育児との両立が難しくなる
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
初期費用や毎月の固定費がかかる
事務所を借りるには、もちろん初期費用や毎月の固定費が発生します。具体的には、以下のような費用が発生します。
<初期費用>
- 敷金:月額賃料の1〜2ヶ月分が一般的ですが、場所によってはそれ以上かかることもある。
- 礼金:物件によっては必要となる場合があり、これも月額賃料の1〜2ヶ月分です。
- 仲介手数料: 不動産を仲介する業者を通じて契約する場合、月額賃料の半月分から1ヶ月分が目安です。
- 初期設備投資:オフィス家具や機器の購入、場合によっては内装工事などが必要です。
<毎月の固定費>
- 賃料:地域やオフィスの規模、設備によって異なりますが、東京都心部では少なくとも数万円から数十万円が必要です。
- 共益費・管理費:建物の共用部分の維持管理に必要な費用で、これも物件によって異なります。
もちろん、この分の経費も確定申告の際に経費として計上できますが、それでも事務所を借りる額以上の生産性を発揮しなければマイナスになってしまうことは理解しておきましょう。
自分で備品を揃える必要がある
最近の賃貸事務所では、ビジネスに必要な備品は一通り取り揃えられている場合も多いですが、備品がない場合は自分で準備しなければなりません。
主に必要な備品は以下の通りです。
- デスクや椅子などのオフィス家具
- 書類やオフィス用品を整理するためのキャビネットや棚
- コンピューターとプリンター・スキャナーなどの周辺機器
- クライアントやビジネスパートナーとの連絡用の電話回線
- インターネットルーター
- プロジェクター、プレゼンテーション用スクリーン
- ホワイトボードやマーカー
- ペン、ノート、フォルダー、ホッチキスなど日常的に使用する小物
- 長時間の労働に必要なコーヒーメーカーや冷蔵庫など
フリーランスが自分でこれらの備品を揃える必要がある場合、それにはかなりのコストがかかることがあります。
また、どの備品を選ぶか、どの程度の品質のものを選ぶかによっても初期投資の額は大きく変わります。
そのため、自分のビジネスモデルと将来計画をしっかりと考え、必要な備品投資を計画的に行いましょう。
家事や育児との両立が難しくなる
フリーランスは柔軟な働き方が魅力の一つですが、自宅から離れた場所に事務所を借りた場合、家事や育児との両立が難しくなります。
例えば、子供が急に熱を出した時、自宅近くに事務所があればすぐに駆けつけることができますが、事務所が自宅から遠い場所にあると、すぐに帰宅することが難しくなります。
また、日常的に必要とされる家事の時間も、通勤に時間が取られるため削られがちになります。
このように、フリーランスが外部の事務所を利用することにはメリットも多いですが、家庭とのバランスを取る上ではデメリットも考慮する必要があります。
自宅近くで事務所を構える、または自宅を事務所として使い続けるなど、ライフスタイルに合わせた働き方を選択することが重要です。
事務所を選ぶ際に重視したいポイント
では、事務所を選ぶ際にはどのようなポイントに着目して選べば良いのでしょうか?
ここからは、フリーランスの事務所の選び方で重要になってくるポイントをいくつかご紹介します。
自宅からの距離や周辺の環境
事務所を借りるときに最も重視したいのが、自宅からの距離と事務所周辺の環境です。
何度も言うように、フリーランスは仕事における生産性を常に意識していなければ収入は上がりません。
そのため、通勤時間は極力抑えてその分を仕事の時間にあてたいです。また、事務所までの交通費も基本的に自腹なので、できるだけ公共交通機関や車を使う移動手段も避けておきたいといえます。
加えて、事務所周辺の環境にも注意しておきましょう。事務所周辺の環境で気を付けることは主に以下の点です。
- 頻繁にクライアントやビジネスパートナーが訪れる可能性があるため、公共交通の利便性も重要
- 騒音が少なく、集中して仕事ができる環境を選ぶ
- 特に夜遅くまで働くことが多いフリーランスは、治安の良い地域を選ぶことが重要
- 電力供給が安定しており、インターネット接続が速い地域を選ぶ
- 近くに郵便局や銀行などの便利な施設があるか確認
- 周辺に他のビジネスやコワーキングスペースがあると、新たなビジネスチャンスにつながる
これらの要素を総合的に考慮し、自分のビジネスニーズとライフスタイルに合った事務所選びをすることが、フリーランスにとって成功への鍵となります。
ビルの管理や設備の状態
ビルの管理や設備も事前に確認しておくことが重要です。
例えば、ビルが新築に近い場合でも、日常的な管理が行き届いていないと長期的に仕事の効率や快適さが損なわれる恐れがあります。
また、空調設備の状態も重要です。
空調設備が古かったり、適切にメンテナンスされていなかったりすると、夏場の暑さや冬場の寒さを効率的にコントロールできず、作業環境に大きく影響します。
他にも、防音設備の有無やその質も確認が必要です。
壁が薄い、または防音設備が不十分なビルでは、隣室や外部の騒音が気になることがありますし、自分のオフィスからの音が漏れてしまう可能性もあります。
このように、ビルの管理や設備の良し悪しはフリーランスとしての日々の作業効率や心地よさ、プライバシー保護に直接影響を与えるため、契約前にはこれらの点をしっかりと確認し、問題があれば他のオプションも検討することが賢明です。
部屋の間取りやコンセントの配置
事務所を借りるときに見落としやすいのが、部屋の間取りやコンセントの配置や個数です。
部屋の間取りが悪いと、例えば効率的に家具を配置できない、必要な機器を適切に設置できない、作業スペースが狭くなり作業効率が下がるなどの問題が生じます。
また、移動の流れが悪くなり、日常の作業で無駄な動きが増えてしまう可能性もあります。
コンセントの配置や個数も事前によく確認しておきましょう。
特に、ハイスペックなPCやサーバーを複数使用する職業の方は、十分な電源供給が確保できないと、機器の設置場所を限定されてしまったり、電源タップを多用することで事故のリスクが高まったりすることがあります。
このため、十分なコンセントの数と適切な位置にあることを確認することは、機器の稼働に直結する重要なポイントです。
フリーランスが事務所を借りる時の注意点
フリーランスで事務所を借りることを検討している方は、以下に紹介する注意点は事前に必ず確認しておきましょう。
入居審査に通らないことがある
一般的な会社員と比較して、フリーランスは社会的信用が低いです。そのため、入居審査に通らない可能性もあります。
フリーランスは収入が不安定になりやすいため、社会的信用が低く見られがちです。
一方で、会社員は安定した雇用と定期的な収入があるため、賃貸の入居審査で有利になります。
入居審査に通りやすくなるためには、以下の点に注意しましょう。
- 事前に収入が証明できる書類(例:課税証明書や地方税納税証明書、所得税の納税証明書など)を用意しておく
- 入居申込書に「フリーランス」とだけ記載するのではなく、「プログラマ」「Webデザイナー」など具体的な職種を明記し、安定して仕事をしていることをアピールする
- 誠実で信頼できる態度を見せることで、貸主に良い印象を与えることができる
これらの準備を整えることで、フリーランスでも賃貸契約の入居審査をスムーズに進めることが可能になります。
事業として利用できる物件を借りる
賃貸契約の物件には「居住用」と「事業用」の2種類があります。フリーランスとして事務所を借りる場合は「事業用」を選択するようにしましょう。
この選択が重要な理由は、事業用物件のみが業務活動に適しているからです。
事務所として使用する場合、居住用物件を借りてしまうと契約違反になる可能性があります。
加えて、事務所用途で居住用物件を使用すると、違約金が発生するリスクや最悪の場合退去を求められることがあります。
また、自宅でビジネスを行う場合でも事業利用が可能な物件かどうかを確認し、必要であればオーナーや管理会社からの使用許可を得る必要があります。
事業用物件であっても、使用できる範囲には制約がある場合が多いです。
例えば、「商号登記や法人登記が不可」といった条件が設けられていることもあるため、契約前にはその点を詳しく確認することが大切です。
連帯保証人が必要な物件が多い
多くの賃貸事務所は契約の際に連帯保証人の証明が必要です。
これは、賃貸契約において、賃貸者(フリーランス)が家賃やその他の費用を支払う能力があるかどうかを確認するためです。
連帯保証人として認められるのは基本的に以下に該当する人物です。
- 安定した職業に就いている人: 連帯保証人は、定期的かつ安定した収入があることが求められます。これには正社員として働いている人が含まれます。
- 近親者: 通常、2親等以内の親族(親、兄弟、祖父母、孫)が連帯保証人になることが多いですが、3親等以内の親族(叔父・叔母など)も可能です。
- 国内居住者: 連帯保証人は国内に住んでいることが必要です。
事務所を借りる際には、これらの条件を満たす連帯保証人を用意することがスムーズな契約への鍵となります。
事務所を借りる以外の選択肢5つ
事業用の事務所を借りるにはそれなりのコストがかかります。
例えば、まだフリーランスになったばかりの人や、事業がうまく軌道に乗っていない場合は事務所を借りるのはコスト的に不可能な場合もあるでしょう。
そこでここでは、フリーランスが事業を営む上で事務所を借りる以外の選択肢をご紹介します。
レンタルオフィスを借りる
1つ目の選択肢はレンタルオフィスを借りることです。
賃貸事務所とレンタルオフィスは非常によく似ていますが、厳密には全く異なるものです。
レンタルオフィスと賃貸事務所の違いは主に次の3つの点に集約されます。
- 面積の考え方:賃貸事務所は通常、必要な坪数に基づいて選ばれますが、レンタルオフィスは利用する人数に応じて選ぶことが多いです。
- 初期費用と移動の容易さ:賃貸事務所では入居時に内装工事が必要ですが、レンタルオフィスは既に必要な設備が整っているため、契約後すぐに業務を開始できます。
- ランニングコスト:賃貸事務所では家賃の他に電気代や通信費が別途かかりますが、レンタルオフィスではこれらの費用が家賃に含まれており、コスト管理がしやすいです。
フリーランスがオフィスを選ぶ際には、これらの違いを理解し、自身のビジネスニーズに合った選択をすることが重要です。
コワーキングスペースを利用する
2つ目の選択肢はコワーキングスペースを利用することです。
コワーキングスペースとは、複数の個人や組織が共有のオフィススペースを利用する形態です。
さまざまな職種のフリーランス、起業家、リモートワーカーが仕事をするための共有環境を提供し、オフィス設備やインターネット接続、会議室などの基本的なオフィスサービスにアクセスできます。
コワーキングスペースのメリットは多岐にわたります。
まず、コストパフォーマンスが非常に高いです。長期契約や高額な初期投資を避けながらプロフェッショナルなオフィス環境を利用できます。
また、柔軟性も大きな利点です。利用者は必要に応じてスペースを利用する時間や日数を調整でき、自由な働き方を支援します。
さらに、ネットワーキングの機会も豊富にあり、他の事業者との交流を通じて新たなビジネスチャンスを見つけることができる可能性も高いです。
カフェやファミレスを利用する
3つ目の選択肢はカフェやファミレスを利用することです。
新型コロナが流行して以降、カフェやファミレスもWi-Fiやコンセントを設置する店舗も増えてきました。
そのため、ノートPCを使ってできる作業なら十分にカフェやファミレスでも仕事ができます。
例えば、ライターやプログラマー、グラフィックデザイナーなどの職種では、基本的にインターネット接続とノートPCがあれば外出先での作業が可能です。
これらの職種は文書の作成やコーディング、デザイン作業など、オンラインでのやり取りが主なため、カフェやファミレスでの作業に適しています。
ただし、カフェやファミレスは機密性の高い仕事をするには適していません。
例えば、クライアントから提供された機密情報を扱う場合や、セキュリティに関する厳格な契約があるプロジェクトに関わっている場合、公共の場での作業はリスクが伴います。
外部からの視線や不特定多数がアクセスできるWi-Fiネットワークを利用することは、情報漏洩のリスクを高める可能性があるため、これらの状況ではカフェやファミレスでの作業はおすすめできません。
図書館などの公共施設を利用する
4つ目の選択肢は図書館などの公共施設を利用することです。
図書館は基本的に無料で利用できるため、先述したノートPCさえあればできるような職業に就いている方にはおすすめできます。
比較的新しい図書館にはWi-Fiやコンセントも設置されているので長時間の仕事も可能です。
ただし、カフェやファミレスと同じ理由で機密性の高い仕事には適していません。
図書館以外でおすすめな公共施設は以下の通りです。
- コミュニティセンター:多くの地域にあるコミュニティセンターは、会議室や勉強室を低料金で利用でき、一部は無料でアクセスできるインターネットやプリンター設備を設置している。
- 市民会館:市民会館もまた、低コストで会議室やイベントスペースを提供しており、フリーランスや小規模ビジネスミーティングに適しています。
- 公共のワークスペース:一部の自治体では、特に起業家やフリーランスを支援するために設けられた専用のワークスペースを提供しています。
これらの施設を利用することで、フリーランスとしての業務を低コストで行うことが可能になり、また地域コミュニティとの連携も深めることができるでしょう。
バーチャルオフィスを契約する
5つ目の選択肢はバーチャルオフィス(仮想オフィス)を契約することです。
バーチャルオフィスも新型コロナによって柔軟な働き方が求められた結果、非常に数が増えてきました。
バーチャルオフィスとは、実際の物理的なオフィススペースを持たずに、住所や電話サービス、郵便物の受け取りや転送、会議室の利用などのオフィス関連サービスを提供する仕組みです。
これにより、フリーランスや小規模企業が低コストでビジネスのプレゼンスを確立でき、信頼性を向上させることができます。
フリーランスにおすすめのバーチャルオフィスは以下の通りです。
- GMOオフィスサポート:複数の一等地にオフィスがあり、低価格で利用できるためコストパフォーマンスが高い
- リージャス:世界各地に拠点を持つ大手プロバイダで、多様なビジネスニーズに対応する柔軟なプランが特徴
- サーブコープ:高級感あふれるオフィス住所とプロフェッショナルなサポートサービスが魅力
- ユナイテッドオフィス:利用者のニーズに応じたカスタマイズ可能なサービスが利用できる
- レゾナンス:東京と神奈川の一等地で住所提供、法人登記にも対応
バーチャルオフィスの利用は、特に自宅でのプライバシーを保ちたい、初期投資や固定費を抑えたいと考えているフリーランスにとって、非常に有効な選択肢です。
まとめ
本記事では、フリーランスが事務所を借りる際の様々な選択肢と、それに伴うメリット・デメリットについて詳しく解説しました。
フリーランスの働き方は多様であり、自宅での作業が主流ですが、事務所を借りることでプロフェッショナルな環境を確保し、仕事とプライベートの区別をつけやすくなるなどの利点があります。
しかし、初期費用の負担や家事との両立の難しさなど、考慮すべきデメリットも存在します。
今後、フリーランスの働き方はさらに多様化すると考えられ、それに伴い、オフィスの形態もより柔軟で多様なものになっていくでしょう。
本記事を通じて、フリーランスが自分に合った働き方を見つけ、より効果的に仕事を進めるための参考にしていただければ幸いです。
「エンジニアスタイルマガジン」では、今後もこういったエンジニアにとって役立つ情報を随時お届けいたします。
それでは、また別の記事でお会いしましょう。今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
- CATEGORY
- フリーランス
- TAGS
この記事を書いた人

海外、コスメが好きな東北人。2015年に世界一周一人旅をしたアクティブ女子。 コスメECの運営業務に従事後、独立し。現在は、取材を中心にフリーランスWEBライターとして活動中。
この記事を監修した人

大学在学中、FinTech領域、恋愛系マッチングサービス運営会社でインターンを実施。その後、人材会社でのインターンを経て、 インターン先の人材会社にマーケティング、メディア事業の採用枠として新卒入社し、オウンドメディアの立ち上げ業務に携わる。独立後、 フリーランスとしてマーケティング、SEO、メディア運営業務を行っている。