高卒でもプログラマーになれる?厳しい現実や求められるスキルを詳しく解説
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目次
はじめに
IT業界は現在深刻な人手不足に直面しています。
そのため、高卒でもプログラマーとしてのキャリアを築くことが可能です。
しかし、実際にはどのような厳しい現実が待ち受けているのか、またどのようなスキルが求められるのでしょうか。
そこで本記事では、高卒プログラマーが直面する現実や必要なスキル、給与の実態などについて詳しく説明します。
<この記事のメリット>
- 高卒プログラマーが直面する現実と対策が分かる
- 必要なスキルとその習得方法を理解できる
- 取得すべきIT系資格について知ることができる
- 高卒プログラマーの給与事情を把握できる
- 高卒プログラマーに向いている人の特徴を知ることができる
最後までお読みいただければ、高卒でもプログラマーとして成功するための具体的な方法やスキルを学ぶことができます。
IT業界の深刻な人手不足を背景に、学歴よりも実力が重視される今こそ、必要な資格とスキルを身につけて一歩踏み出しましょう!
高卒でもプログラマーになれる?
一昔前までは「プログラマー」というと、そこまで人気のある職業ではありませんでした。
しかし近年では、プログラミングが必修科目になったこともあり、プログラマーを目指す若者が増えつつあります。
事実、2023年度の中学生がなりたい職業ランキング1位は「エンジニア・プログラマー」となっており、このことからもプログラマーの人気は確実に上がっていることがわかります。
ですが、プログラマーは論理的思考能力が問われるので、専門の教育を受けていないと大成できないイメージも拭えません。
では、プログラマーは高卒でもなれるのでしょうか?
結論からいうと、プログラマーになるのに学歴は関係ありません。
もちろん、あるに越したことはないですが、現在の日本のIT業界は非常に厳しい状況にあるのです。
ここではまず、日本のIT業界の現状について解説します。
IT業界は深刻な人手不足
日本のIT業界は深刻な人手不足に直面しており、この状況は高卒のプログラマー志望者にとって大きなチャンスとなっています。
経済産業省の報告によると、2030年までに日本のIT人材は約79万人不足する見込みです。
この不足の背景には、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や、AI、IoT、5Gといった先端技術の普及が挙げられます。
これらの技術は、多くの企業が競争力を維持・向上させるために不可欠であり、結果としてIT人材の需要が急増しています。
また、既存のレガシーシステムの維持管理にも多くの人手が必要であり、新たな技術へのシフトを遅らせています。
このような背景から、日本のIT業界は深刻な人手不足に陥っており、企業は高卒の人材にも門戸を開き、未経験者でも研修を通じて即戦力として育成する取り組みが進んでいる最中です。
学歴よりもスキルや経験が重要視される
高卒でもプログラマーになれるもう一つの理由は、IT業界では学歴よりも実際のスキルや経験が重要視される傾向が強まっているからです。
経済産業省の調査によれば、多くの企業が「学歴よりも実務経験や実績を重視する」と回答しています。
また、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のデータによると、IT企業の多くは新卒採用においても、学歴よりも実務経験やポートフォリオの内容を重視しています。
これは、急速に変化するIT業界において、実際のプロジェクトに対応できる能力が求められるためです。
さらに、オンライン教育プラットフォームやコーディングブートキャンプの普及により、学歴に関係なく高いスキルを身につけることが可能となっています。
これにより、高卒であっても十分にプログラマーとしてのキャリアを築くことができる環境が整いつつあります。
高卒プログラマーの厳しいところは?
プログラマーは高卒でも十分に目指せる職業であることはご理解いただけたかと思います。
しかし、やはり学歴があった方がいくつかのシーンで有利に働く場面があるのも事実です。
ここからは、高卒プログラマーの厳しいところを解説します。
大企業に就職するのは難しい
全ての大企業に当てはまることではありませんが、やはり現在でも大企業は学歴を重視する傾向が強いです。
特に一部の名門企業では、学歴フィルターと呼ばれる採用基準が存在し、高学歴の応募者を優先することがあります。
これにより、高卒のプログラマーが大企業に就職するのは難しくなります。
経済産業省のデータによれば、実際に大企業では特に新卒採用時に学歴が重視されるケースが多く、これは企業のブランドイメージや社内文化の維持のためでもあります。
また、競争が激しい大企業の採用プロセスでは、多くの応募者の中から選ばれるために学歴が一つの重要な指標となることが一般的です。
しかし、近年はスキルや実績を重視する企業も増えてきており、高卒でも実力次第では大企業への道が開ける可能性も十分にあります。
下流工程の仕事が多く忙しい
日本のIT業界では、「ウォーターフォール型」という開発手法を取るのが一般的です。
ウォーターフォール型とは、その言葉の通り、水が下に流れるように開発工程が進んでいく開発手法です。
つまり、まずは上流工程にあたる「要件定義やシステム設計」を綿密に計画し、その後「開発やテスト・運用」などの下流工程をスケジュール通りに進めていく開発手法のことです。
一般的に、給与水準が高いのは上流工程にあたるエンジニアになりますが、高卒エンジニアの場合、上流工程に携われるまでに多くの経験を積む必要が多い傾向にあります。
そのため、最初は下流工程での作業が中心となり、納期に追われることが多く忙しい状況に陥りやすいです。
下流工程ではコーディングやテストなどの反復作業が多く、労働時間も長くなりがちです。
残業や休日出勤が多い
これも一概にはいえませんが、高卒エンジニアは残業や休日出勤が多いプロジェクトを担当することが多いです。
日本のIT業界というのは、良くも悪くも大規模プロジェクトの実権は大手企業が握っています。
そのため、下請け企業にまわされる仕事は、大手が進んでやりたくない仕事をまわされることが多いのです。
特に下流工程の作業では、納期が迫る中での急な仕様変更やバグ修正などが頻繁に発生し、これが残業や休日出勤の原因となります。
また、プロジェクトの進行状況によっては突発的な対応が必要になることもあり、結果として長時間労働が常態化する傾向が強いです。
労働環境の改善が進んでいるとはいえ、まだまだ多くの課題が残っています。
高卒プログラマーの給与はどれくらい?
キャリアアップを考える際にどうしても気になってしまうのが平均給与。
では、高卒プログラマーは学卒プログラマーと比較してどれくらいの給与が期待できるのでしょうか?
学歴による初任給の違い
結論からいうと、高卒プログラマーの初任給は大卒や院卒と比較して低い水準にあります。
あくまでその他の福利厚生などを抜きにしてみると、高卒・大卒・院卒の平均年収は以下のような結果になっています。
- 高卒:約217万4,400円
- 大卒:約265万2,000円
- 院卒:約288万円
もちろん、高卒の場合は早いうちから働き始めるので、その分若いうちは総年収でいえば上かもしれません。
しかし、どうしても長期的な目線で見ると大卒や院卒とは差がついてしまいます。
ただし、これらの数値はあくまでもデータに基づいた統計の結果です。
特にIT業界は、自身の努力やキャリアプラン次第で学歴に縛られない給与水準を期待することができます。
高卒
政府が発表している「令和3年版 賃金構造基本統計調査」によると、高卒プログラマーの初任給の平均は「約18万1,200円」です。
高卒の初任給は、大卒や院卒に比べて低い傾向がありますが、それでもIT業界では安定したスタートを切ることができます。
性別による差もあり、男性は18万3,400円、女性は17万7,600円となっています。
ただし、高卒プログラマーは若いうちから実務経験を積むことで、将来的にスキルアップやキャリアの幅を広げることが可能です。
大学卒
大卒プログラマーの初任給の平均は「約22万1,000円」です。
大卒は高卒に比べて専門的な知識を持ち、企業からの需要も高いため、初任給も高めに設定されています。
性別による大きな差は見られず、男性と女性でほぼ同じ水準です。
なお、この初任給には基本給の他に残業手当や通勤手当などの諸手当は含まれていません。
大卒プログラマーは企業の研修制度を活用してさらに専門性を高め、キャリアを築いていくことが可能です。
特に大企業や首都圏の企業では、初任給が高めに設定されることが多いです。
大学院卒
院卒プログラマーの初任給は大卒よりもやや高く、平均で「約24万円」です。
大学院での研究や専門知識が評価され、初任給も高くなる傾向にあります。
特に、先端技術や高度なプログラミングスキルを持つ院卒は、専門職としての価値が高いので企業からのニーズも非常に高いです。
初任給には基本給が含まれ、その他の手当は別途支給されます。
院卒プログラマーは、高度な技術力を活かして、プロジェクトのリーダーシップを取ることや、新技術の開発に携わることが多く、キャリアパスの選択肢も広がります。
下請け企業は給与が少ない
日本のITプロジェクトは、いわゆる「多重請負構造」をとっているものも少なくありません。
多重請負構造とは、簡単にいえば元請け企業が受注した案件をさらに二次請け、三次請けと下請けに発注する形態です。
この構造がエンジニアの給与を低くする主要な理由の一つです。
まず、元請け企業が利益を確保するために、下請けに発注する際には予算が削減されます。
三次請け、四次請けとなるほど予算が少なくなり、その結果、下請け企業のエンジニアの給与も低く抑えられます。
また、下請け企業は限られた予算内で業務を遂行するため、長時間労働や休日出勤が常態化しやすく、労働環境が悪化する傾向にあります。
これも給与の低さに拍車をかける要因となっています。
高卒プログラマーを採用するのは下請け企業が多い
高卒プログラマーが下請け企業に勤めることが多い理由の一つには、即戦力としての需要があります。
高卒のエンジニアは、大学や大学院卒に比べて早期に職場に入るため、企業側にとっては即戦力としての価値が高いです。
多くの下請け企業は、限られた予算内で迅速にプロジェクトを進める必要があるため、比較的低コストで雇用できる高卒エンジニアを積極的に採用する傾向があります。
また、高卒プログラマーは初任給が低めに設定されていることが多く、企業側にとって人件費を抑えることができるというメリットがあります。
このため、特に予算が限られている下請け企業では高卒のエンジニアが重宝されるのです。
これらの要因により、日本のIT業界では高卒プログラマーが下請け企業に多く勤める傾向が見られます。
高卒プログラマーが向いている人
では、高卒プログラマーにはどのような人が向いているのでしょうか?
ここからは、高卒プログラマーでも十分に活躍できる人の特徴をご紹介します。
体力に自信がある
高卒プログラマーに向いている特徴の一つとして、体力に自信があることが挙げられます。
IT業界では、特に繁忙期には長時間労働や集中力が要求される場面が多くあります。
特に、下請け企業に所属する場合は予算が限られていることから人員が不足しがちで、一人当たりの負担が増えることも多いです。
体力があることでこれらの厳しい労働環境に耐えることができ、安定して高いパフォーマンスを発揮することが可能です。
また、健康を維持しながら働き続けることができるので、長期的なキャリア形成にも有利です。
集中力がある
プログラミングは、高度な集中力を必要とする作業です。
コードのミスを見逃さずに修正するためには、長時間にわたって集中力を維持する能力が重要です。
高卒プログラマーは、実務経験を積みながらスキルを向上させていくことが多いため、集中力を持続させて効率的に学ぶ姿勢が求められます。
また、複雑な問題を解決するためには、一つの課題に対して深く掘り下げて考える力が必要です。
このため、集中力が高い人は、プログラミングの分野で成功する可能性が高くなります。
コツコツとした作業が得意
プログラミングはコツコツとした作業が多い職業です。細かいコードを書き、何度もテストを繰り返すことでシステムの安定性を確保します。
高卒プログラマーは学歴が大卒や院卒に比べて短い分、早期に実務経験を積むことができますが、その分、細かい作業を着実にこなすことでスキルを磨く必要があります。
そのため、コツコツと努力を続けることができる人はプログラミングの基本をしっかりと身につけることができ、将来的にはより高度な技術に挑戦する基礎を築くことができるでしょう。
学び続ける意欲がある
IT業界は技術の進歩が非常に速く、新しいプログラミング言語やツールが次々と登場します。
そのため、プログラマーとして成功するためには常に学び続ける意欲が必要です。
高卒プログラマーにとっても、この姿勢は非常に重要です。
実務経験を通じてスキルを身につける一方で、自己学習を継続することで最新の技術動向に対応できるようになります。
したがって、学び続ける意欲がある人は技術革新に柔軟に対応できるため、長期にわたって活躍できる可能性が高くなります。
高卒でプログラマーを目指す際に求められるスキル
学歴の高いプログラマーよりも高い年収を目指すためには、彼らよりも多くの実務経験を積み、需要の高いスキルを効率的に習得していく必要があります。
では、高卒プログラマーはどのようなスキルを習得していけばよいのでしょうか?
ここでは最後に、高卒プログラマーが身につけておきたいスキルを一通りご紹介します。
ITの基礎知識
高卒プログラマーが高学歴プログラマーよりも優位に立てるものの一つが「実務経験」です。
特に、高学歴プログラマーというのは一般的なIT基礎知識は学んでいても、上流から下流まで全ての状況に即したスキルというのは持っていない場合が多いです。
例えば、以下のようなIT関連基礎知識を身につけましょう。
1.プログラミング言語
Python、Java、C++、JavaScriptなどの基本的なプログラミング言語を習得しましょう。これらは多くのプロジェクトで使われており、実務で即戦力となるスキルです。
2.データベース
SQLを用いたデータベースの操作は必須です。データの管理やクエリを行うスキルは、データベース管理の基礎となります。
3.ネットワークの基本
TCP/IP、DNS、HTTP/HTTPSなどのネットワークプロトコルを理解することで、システム間の通信やデータ転送の基本を把握できます。
4.オペレーティングシステム(OS)
Windows、Linux、macOSの基本操作を習得しましょう。特にLinuxはサーバー環境で広く使われているため、基本コマンドやシェルスクリプトを学ぶことが重要です。
5.バージョン管理システム
Gitを使ったバージョン管理は、プロジェクトの変更履歴を管理し、チームでの共同作業を円滑に進めるために重要です。
6.セキュリティ
基本的なセキュリティ知識を持つことで、システムの脆弱性を理解し、適切な防御策を講じることができます。暗号化技術や認証プロトコルを学びましょう。
これらのIT基礎知識を身につけることで、高卒プログラマーは実務で即戦力として活躍することができます。
プログラミングのスキル
当たり前のことではありますが、高卒プログラマーであってもプログラミングスキルは必須です。
ただし、高学歴のプログラマーというのは、授業で教えられるような一般的なプログラミングスキルを学習します。
そのため、彼らに打ち勝つためには、データ分析などの特定の領域に特化したプログラミング言語や、需要の高い最先端領域で使われるような言語を学ぶのも一つの手です。
例えば、以下のようなプログラミング言語がおすすめです。
1.Python
Pythonは、データ分析や機械学習、Web開発などで広く使われる言語です。シンプルな文法と豊富なライブラリが特徴で、迅速にプロトタイプを作成することができます。
2.JavaScript
JavaScriptは、Web開発に欠かせない言語です。フロントエンドの動的な機能を実装するために使用され、ReactやVue.jsといったフレームワークと組み合わせて使われます。
3.Java
Javaは、エンタープライズアプリケーションや大規模システムの開発に適した言語です。多くの企業で利用されており、その安定性とスケーラビリティが評価されています。
4.SQL
SQLは、データベース操作の基本となる言語です。データの検索、挿入、更新、削除を効率的に行うスキルは、データ管理に必須です。
5.C#
C#は、Microsoftの技術スタックに組み込まれた言語で、特にWindowsアプリケーション開発やゲーム開発(Unity使用)で重要です。
これらの言語を習得することで、高卒プログラマーは実務に即したスキルを身につけることができ、特定の領域での競争力を高めることができます。
IT系の資格をとるのもおすすめ
高学歴のプログラマーよりも高い年収を得るためには、彼らよりも多くのIT系資格を取得するのも一つの手です。
特に、日本のIT業界は選考の際に資格をかなり重要視するので、できれば資格を多く取得しておくに越したことはありません。
例えば、日本のIT業界で人気の高いIT系資格には以下のようなものがあります。
1.基本情報技術者試験
ITエンジニアの基礎的なスキルを証明する国家資格で、プログラミングやデータベースなど幅広い知識が問われます。
2.応用情報技術者試験
基本情報技術者試験の上位資格で、プロジェクトマネジメントやシステム設計などの高度なスキルが必要です。
3.ITパスポート試験
ITに関する幅広い基礎知識を証明する資格で、IT業界だけでなく多くの職種で役立ちます。ただし、あくまでも入門資格なので専門性はそこまでありません。
4.情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティに関する知識を証明する資格で、セキュリティエンジニアや情報セキュリティ部門の担当者に最適です。
5.マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
Microsoft Office製品の操作スキルを証明する資格で、事務職や営業職など幅広い職種で活用できます。
これらの資格を取得することで、高卒プログラマーは実務において即戦力として認められ、キャリアアップの道を開きやすくなります。
フリーランスエンジニアの仕事探しはエンジニアスタイルがおすすめ
高卒でもより高い年収を目指すなら、「フリーランス」という選択肢も視野に入れておきましょう。
フリーランスプログラマーとして成功することができれば、一般的な会社員よりも高額な年収を期待できます。
しかし、「フリーランスになっても自分1人で仕事を見つけられる気がしない…。」と考えてなかなか最初の一歩が踏み出せない方も多いでしょう。
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まとめ
本記事では、高卒プログラマーが直面する現実と必要なスキル、給与の実態、そして有利なIT系資格について詳しく解説しました。
高卒プログラマーは、学歴よりもスキルや経験が重視されるIT業界において、大いに活躍できる潜在力を持っています。
特に、IT系資格の取得はその証明となり、自身の市場価値を高める重要な手段です。
現在のIT業界の人手不足も追い風となり、高卒プログラマーの需要は今後ますます高まるでしょう。
今後も、IT業界でのスキルや知識の重要性は増す一方です。
継続的な学習と自己研鑽を怠らず、時代の変化に対応できる柔軟性を持つことが、成功への鍵となります。
「エンジニアスタイルマガジン」では、今後もこういったフリーランスエンジニアにとって役立つ最新情報を随時お届けいたします。
それでは、また別の記事でお会いしましょう。今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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