業務委託の社会保険はどうなる?手続き方法やいくらかかるのか徹底解説!
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目次
はじめに
はじめに フリーランスとして業務委託契約で働くエンジニアにとって、社会保険の問題は非常に重要であり、避けては通れないテーマの一つです。企業に雇用されている場合、厚生年金や健康保険といった社会保険に自動的に加入することができ、雇用主がその一部を負担してくれます。しかし、業務委託契約のフリーランスエンジニアは、自ら社会保険に加入し、その手続きや保険料の負担を全て自己責任で行わなければなりません。このような状況を踏まえ、この記事では、業務委託契約で働く際に加入できる社会保険と、加入ができない保険、その手続き方法や費用の詳細についてわかりやすく解説していきます。フリーランスとしての働き方を選んだ方が、安心して長期的に活躍できるように、必要な基礎知識としてぜひ参考にしていただければ幸いです。
業務委託契約とは
業務委託契約は、フリーランスや独立したエンジニアが企業や個人と結ぶ契約の一つの形態です。これは、通常の雇用契約とは大きく異なり、労働者として企業に所属するのではなく、独立した事業者として仕事を請け負う形式です。このため、労働基準法などの適用を受けず、働き方においては高い独立性が求められます。業務委託契約は、フリーランスにとって重要な選択肢であり、多くのエンジニアがこの形態で働いていますが、雇用契約や派遣契約との違いをしっかり理解しておくことが必要です。
派遣契約との違い
派遣契約と業務委託契約は、表面的には似ている部分もありますが、実際には大きな違いがあります。派遣契約の場合、派遣会社と労働者の間に雇用契約が存在し、派遣先の企業に対して労働者を一時的に派遣します。派遣労働者は派遣先企業の指揮命令のもとで業務を遂行し、派遣会社から給与が支払われます。一方、業務委託契約では、エンジニアは自らの裁量で業務を遂行し、委託先企業からの直接的な指揮命令を受けることはありません。これは、派遣労働者が労働者としての権利を有するのに対して、業務委託の場合は労働者としての保護が少ないため、より独立性が高い働き方であることを意味しています。業務委託契約では、仕事の進め方や時間管理も自己責任で行うことができ、働き方の自由度が増す一方、派遣労働者のような労働者の権利は享受できないため、リスク管理が必要です。
雇用契約との違い
雇用契約は、企業が労働者を直接雇用し、その労働者が企業の指示に従って業務を行う契約です。雇用契約に基づく場合、労働者は企業の管理下で働き、労働基準法や社会保険などの保護を受けながら業務を遂行します。企業は、労働時間や業務内容を指示し、労働者には一定の給与が支払われます。また、企業が社会保険料の一部を負担するため、労働者としては経済的な負担が軽減される仕組みになっています。これに対して、業務委託契約では、労働基準法の適用を受けず、仕事の成果に対して報酬が支払われる形式となります。したがって、業務をどのように進めるか、どれだけの時間を費やすかは、エンジニア自身の裁量に委ねられます。また、業務委託契約では、企業側からの指示ではなく、契約で定められた業務内容に基づいて仕事を進めるため、自由度が高い反面、労働者としての保護は少なくなります。
業務委託で働くメリット
業務委託契約で働く最大のメリットは、時間や働く場所に対する自由度が非常に高い点です。通常の雇用契約では、勤務時間や場所が固定されることが多く、企業の指示に従って働くことが求められますが、業務委託の場合はそうした制約が少なく、自分のペースで仕事を進めることが可能です。例えば、在宅勤務やカフェでの仕事など、自分に合った働き方を選ぶことができるため、ワークライフバランスを保ちながら効率的に働くことができます。また、業務委託契約では複数のクライアントと同時に契約を結ぶことができ、収入源を分散させることで経済的リスクを軽減することができます。一社に依存することなく、複数の仕事を掛け持ちすることで、安定した収入を確保しやすくなる点も、業務委託の大きな魅力です。
さらに、業務委託契約のエンジニアは、自分のスキルや経験を活かして自由にプロジェクトを選べるため、キャリア形成においても大きなメリットがあります。自分が得意とする分野や、興味のある分野の仕事を選び、スキルアップを図ることができるため、長期的なキャリアビジョンを持って働くことができるのです。また、自己ブランディングやマーケティングに取り組むことで、より多くのクライアントとつながり、新しいビジネスチャンスを広げることも可能です。
業務委託で働くデメリット
一方で、業務委託契約にはいくつかのデメリットも存在します。まず、社会保険に自動的に加入できないという点が挙げられます。企業で働いている場合、社会保険料は企業と労働者が折半で支払いますが、業務委託の場合は、全て自己負担で社会保険に加入する必要があります。このため、保険料が負担となり、経済的なプレッシャーを感じることもあるでしょう。また、業務委託契約では、雇用契約のような安定した給与が保証されていないため、仕事がなくなった場合やクライアントからの依頼が途絶えた際には、収入が一気にゼロになるリスクもあります。そのため、フリーランスとして業務を続けていくためには、自己管理能力やビジネススキルが必要となります。
また、業務の安定性が低い点も、業務委託契約のデメリットの一つです。クライアントからの依頼が定期的に来るとは限らず、時には複数のプロジェクトが重なり、スケジュールが逼迫することもあります。逆に、長期間仕事がない場合には、収入が途絶えてしまうリスクもあるため、自己管理能力と営業力が求められます。また、クライアントとの契約が短期間で終了する可能性もあり、そのたびに新たな契約を獲得するための努力が必要です。このように、業務委託契約は自由度が高い反面、自らの責任で仕事を獲得し、リスクを管理していく必要があるため、ビジネス感覚が重要になります。
業務委託で加入できる社会保険
業務委託契約で働く場合、雇用契約で得られるような社会保険は適用されませんが、フリーランスや自営業者でも加入できる社会保険制度がいくつか存在します。特に、国民年金保険と国民健康保険がその代表例です。これらの制度は、雇用契約がないフリーランスでも社会保障を受けられるための基本的な手段となります。以下でそれぞれの社会保険について詳しく見ていきましょう。
国民年金保険
業務委託契約で働く全てのフリーランスや自営業者は、原則として国民年金に加入する義務があります。これは、20歳から60歳までの日本国内に住む全ての国民が対象となっている公的な年金制度で、老後の生活を支える基礎年金としての役割を果たします。国民年金は、日本の社会保険制度の中で最も基本的なものとされており、企業に勤めている場合は厚生年金に加入しますが、フリーランスや自営業者の場合はこの国民年金に加入する形になります。
国民年金の保険料は2024年度時点で月額16,520円です。この金額は全国一律で、収入や職業に関わらずすべての加入者が同額の保険料を支払う必要があります。このため、収入が多い少ないに関わらず、一定額の負担が生じることになりますが、これにより、将来老後の生活を支えるための年金を受け取ることができるというメリットがあります。また、万が一の障害や死亡時にも、遺族に年金が支給されることがあります。フリーランスである限り、国民年金への加入は義務であるため、必ず適切な手続きを行い、保険料を滞りなく支払うことが求められます。
さらに、国民年金には保険料を軽減するための特例制度もあります。例えば、所得が少ない人向けに「保険料免除制度」があり、収入が一定基準を下回る場合に申請を行うことで、全額免除や一部免除を受けることができます。また、「学生納付特例制度」では、学生である間は保険料の支払いを猶予することができるため、将来安定した収入が得られるようになってから納付することが可能です。フリーランスとして働き始めたばかりの人や、収入が不安定な時期にはこれらの制度を活用することで、経済的負担を軽減しつつ社会保障を維持することができます。
国民健康保険
業務委託契約で働く人は、国民健康保険にも加入することが求められます。国民健康保険は、フリーランスや自営業者、または無職の人々が加入する公的医療保険制度で、病気やけがをした際の医療費を一部負担してくれる重要な制度です。この制度は各市区町村が運営しており、加入者は市区町村に保険料を支払い、医療費が発生した際には自己負担割合を抑えて医療を受けることができます。
国民健康保険の保険料は、年収や住んでいる地域によって異なります。例えば、年収が高いほど保険料は増加し、また、地域によっても保険料の計算方法や保険料率が異なります。2024年度の一例として、年収900万円の場合、月額50,122円程度の保険料がかかることがあります。しかし、これも市区町村によって金額が大きく異なるため、正確な保険料を知りたい場合は、住んでいる自治体に確認することが必要です。
国民健康保険に加入していると、病院や診療所で受ける医療サービスの際に、保険証を提示することで3割の自己負担で済みます。残りの7割は保険によってカバーされるため、大きな医療費がかかる場合でも経済的な負担が軽減されます。特に、フリーランスは収入が不安定になることも多いため、突然の病気やけがに備えて国民健康保険に加入しておくことは非常に重要です。
また、国民健康保険にも負担軽減のための制度が存在します。例えば、低所得者に対しては「減免制度」があり、収入が一定の基準を下回る場合には保険料の一部が免除されることがあります。さらに、高額な医療費が発生した場合には、高額療養費制度を利用することで、1か月あたりの自己負担額が上限を超えた場合に、その超過分が後から返還される仕組みもあります。このように、フリーランスにとって国民健康保険は、日常的な医療費の負担を軽減するだけでなく、万が一の大きな出費にも対応できる制度として欠かせないものです。
以上のように、業務委託契約で働くフリーランスエンジニアにとって、国民年金保険と国民健康保険は欠かせない社会保険です。これらに適切に加入することで、将来に備えた安心感を持ちながら働き続けることができます。社会保険への加入手続きは面倒に感じられるかもしれませんが、フリーランスとしての活動を安定させるためには重要なステップです。
業務委託だと加入できない社会保険
業務委託契約で働く場合、一般的な雇用契約で受けられる社会保険の一部には加入できないことがあります。これらの保険は、主に企業に雇用されている労働者を対象としたものであり、業務委託契約のフリーランスはその枠組みに入らないためです。具体的には、厚生年金保険、労災保険、雇用保険の3つが代表的な社会保険で、これらに加入することはできません。これにより、フリーランスとしての働き方には、ある程度のリスクが伴うことがわかります。それぞれの保険について詳しく説明します。
厚生年金保険
厚生年金は、企業に雇用されている労働者が対象となる年金制度で、企業と労働者が保険料を折半して支払う形式を取っています。企業に雇われている場合、労働者は毎月の給与から一定額が厚生年金保険料として差し引かれ、その分、企業側も負担します。この仕組みにより、老後に受け取る年金額が国民年金のみの加入者よりも高くなる傾向があります。
しかし、業務委託契約で働くフリーランスエンジニアは、この厚生年金に加入することができません。代わりに加入するのは国民年金のみとなります。厚生年金は、基本的に給与所得者が対象であるため、独立した事業者として働く業務委託契約者はその対象外となります。このため、将来的に受け取る年金額が、厚生年金に比べて少なくなることが多く、特に厚生年金に長期間加入していた会社員と比べると、老後の生活における保障が薄くなる可能性があります。
また、厚生年金に加入できないため、退職後の年金に対する不安が大きくなります。多くのフリーランスが自身の将来に備え、老後資金の積み立てや個人型確定拠出年金(iDeCo)を利用するなどして、自主的に老後の資金を準備しているのもその理由の一つです。業務委託契約で働く際は、厚生年金が適用されないことを認識し、年金以外の老後の資金確保についても考えておくことが重要です。
労災保険
労災保険は、企業で働く労働者が業務中にけがをしたり、病気になったりした際に、治療費や休業中の給与補償を受けられる保険制度です。この保険は、従業員を雇う企業が労働者のために加入するものであり、労働者が安心して業務に従事できるようにするためのものです。業務中に発生した事故や災害、または通勤中の事故に対しても労災保険が適用され、治療費が支払われたり、長期の休業中に賃金相当額が支給されたりするため、企業に勤めている人にとって非常に重要な保険の一つです。
しかし、業務委託契約で働くフリーランスは、労災保険の対象外となります。労災保険は、労働者を保護するためのものであるため、労働者として扱われないフリーランスには適用されません。このため、業務中に事故やけがをした場合は、労災保険の補償を受けることができず、自らの健康保険や傷害保険で対応しなければならないのが実情です。
また、業務委託契約では、業務に伴うリスクや責任も個人にかかるため、特に労災保険が適用されない分、業務内容や環境に応じたリスク管理が必要です。例えば、身体的なリスクが高い職業や業務を行うフリーランスは、別途、民間の傷害保険や就業不能保険に加入することを検討することが望ましいです。こうした保険は、業務中の事故や病気に備えて、休業中の収入を補償するものであり、フリーランスとしてのリスクを軽減するための有効な手段となります。
雇用保険
雇用保険は、労働者が失業した場合に、一定期間、失業給付を受け取ることができる保険制度です。企業に雇われている場合、雇用保険料は給与から自動的に差し引かれ、失業時に手続きすることで失業給付を受け取ることができます。特に、会社員であれば、会社を辞めた際に雇用保険の失業給付があるため、失業期間中の生活を一時的に支えることができるメリットがあります。
しかし、業務委託契約のフリーランスにはこの雇用保険が適用されません。これは、雇用保険が企業に雇用されている労働者を対象としているためです。フリーランスの場合、失業しても失業給付を受け取ることはできず、仕事が途絶えた時のリスクはすべて自己負担となります。これにより、収入が不安定になる可能性があるため、失業や仕事が途絶えるリスクに備えるために、貯蓄や他の収入源の確保が必要です。
雇用保険に加入できないフリーランスは、リスク管理のための計画を持つことが重要です。例えば、クライアントとの契約が途切れることを想定して、複数の収入源を持つことや、一定の期間無収入でも生活できるように貯蓄を積み立てることが推奨されます。さらに、フリーランスに適した就業支援や相談サービスを活用し、新しい案件やクライアントを継続的に見つけるためのネットワーキングや営業活動も重要な対策となるでしょう。
業務委託での社会保険料はいくらくらいかかるのか
業務委託で働くフリーランスは、企業に雇用されている労働者とは異なり、社会保険料を自ら負担する必要があります。企業に勤務している場合、社会保険料の一部は雇用主が負担しますが、フリーランスの場合はその負担が全て自分にかかります。ここでは、主要な社会保険である国民年金と国民健康保険について、具体的な保険料の額を見ていきましょう。
国民年金の保険料は、月額16,520円
2024年度における国民年金保険料は、月額16,520円となっています。この金額は全国一律で、収入や職業に関係なく、すべての加入者が同じ額を支払わなければなりません。国民年金は、日本の公的年金制度の中で基礎年金として位置付けられており、将来の老後の生活を支えるための重要な資金源となります。このため、フリーランスで働いている方も、老後に備えるためには国民年金への加入が必須です。
国民年金に加入し続けることで、一定の年齢に達した時点で老齢基礎年金を受け取ることができます。支払った保険料に応じて、毎年定額の年金が給付されるため、長期的な生活の安定を考えるうえで欠かせないものとなっています。また、年金の給付額は一律であるため、保険料が高くても低くても、将来受け取る年金の額は同じです。
国民年金には免除制度や猶予制度もあり、経済的に困難な場合や一定の条件を満たす場合には、保険料の支払いを一部または全額免除できる制度が設けられています。このような制度を活用することで、収入が不安定なフリーランスの方でも、無理なく年金を確保することが可能です。
国民健康保険料は年収900万円の場合、月額50,122円(※年収や地域によって異なる)
国民健康保険は、業務委託契約で働くフリーランスが加入する公的医療保険です。国民健康保険の保険料は、年収や住んでいる地域によって大きく異なる特徴があります。たとえば、年収900万円の場合、月額で50,122円程度の保険料がかかるケースがあります。この金額は収入に応じて決定されるため、所得が多ければ多いほど保険料も高くなります。
また、国民健康保険は各市区町村が運営しているため、保険料の計算方法や適用される保険料率は地域ごとに異なります。そのため、実際にどれくらいの保険料を支払う必要があるのかは、住んでいる自治体に確認することが大切です。市区町村のホームページや窓口で最新の保険料を確認することができるため、自分の年収や状況に合った正確な保険料を把握しましょう。
国民健康保険に加入していると、病気やけがをした際に医療費の一部を保険でカバーしてもらえるため、自己負担が3割で済みます。万が一の大きな医療費が発生した場合でも、一定の限度額を超えた分は高額療養費制度でカバーされるため、フリーランスとして不安定な収入で働いている方にとっては非常に心強い保険制度です。
また、国民健康保険にも減免制度があり、所得が低い場合には保険料が減額されるケースもあります。こうした制度を活用することで、保険料負担を軽減しながらも必要な医療を受けることができます。
国民年金の加入方法
国民年金に加入するための手続きは、フリーランスとして働き始めた際に必要な重要なステップです。以下の手順に従って、スムーズに手続きを進めることができます。
申請先→住んでいる市区町村の役所
国民年金の加入手続きは、住んでいる市区町村の役所で行います。具体的には、役所の年金担当窓口に直接訪れて手続きを進めることが一般的です。また、役所によっては郵送やオンラインでの手続きも可能な場合があるため、事前に確認しておくと便利です。
申請期限→退職日の翌日から14日以内
会社を退職してフリーランスとして働く場合、国民年金の加入手続きは、退職日の翌日から14日以内に行う必要があります。この期限を過ぎてしまうと、手続きが遅れる可能性があるため、早めの手続きを心がけましょう。特に、会社員時代に厚生年金に加入していた場合は、退職後にスムーズに国民年金へ切り替えることが重要です。
必要書類
国民年金の加入手続きには、以下の書類を準備する必要があります。
年金手帳・基礎年金番号通知書などの基礎年金番号がわかるもの
基礎年金番号を確認するために必要な書類です。年金手帳が手元にない場合は、基礎年金番号通知書でも対応可能です。
勤務先や退職年月日がわかるもの(離職票や退職証明書など)
離職票や退職証明書など、退職の事実とその時期を証明できる書類を提出します。これにより、退職後の年金の切り替えが確認され、スムーズに手続きが進められます。
国民健康保険の加入方法
国民健康保険は、業務委託契約で働くフリーランスが加入するべき重要な公的保険制度の一つです。以下に、その加入手続きの流れを説明します。
申請先→住んでいる市区町村の役所
国民健康保険の加入手続きは、住んでいる市区町村の役所で行います。役所の国民健康保険担当窓口に直接訪れて手続きを進めるのが一般的ですが、多くの市区町村では郵送やオンラインでの手続きも受け付けている場合があります。役所に出向く前に、手続き方法や必要書類について事前に確認しておくとスムーズに進めることができます。
申請期限→退職日の翌日から14日以内
国民健康保険の加入手続きは、退職日の翌日から14日以内に行う必要があります。会社員を辞めてフリーランスになる際は、この期間を過ぎると手続きが遅れる可能性があるため、早めに行動することが重要です。特に、社会保険から国民健康保険へ切り替える際には、空白期間が生じないように迅速に対応することが求められます。
健康保険の任意継続方法
フリーランスとして働き始める際、会社を退職した後も健康保険を継続して利用したい場合は、任意継続制度を活用することが可能です。以下に、その手続き方法について詳しく説明します。
条件
健康保険の任意継続を利用するためには、以下の条件を満たす必要があります。
退職日までに2カ月以上継続して加入していた
任意継続の資格を得るためには、退職日までに少なくとも2カ月以上、企業の健康保険に加入していることが必要です。この条件を満たさない場合は、任意継続の手続きを行うことができません。
退職日の翌日から20日以内に申請している
任意継続の申請は、退職日の翌日から数えて20日以内に行わなければなりません。この期限を過ぎてしまうと、任意継続の資格を失い、制度を利用できなくなりますので、早めの手続きを心がけることが大切です。
申請先→自宅の住所地を管轄する協会けんぽの都道府県支部
健康保険の任意継続を希望する場合、申請は自宅の住所地を管轄する「協会けんぽ」の都道府県支部に行います。最寄りの協会けんぽの窓口に直接出向くか、郵送での手続きも可能です。事前に支部の連絡先や営業時間を確認しておくとスムーズに手続きが進みます。
提出書類→健康保険任意継続被保険者資格取得申出書、退職日を確認できる書類(任意)
任意継続の手続きを進めるためには、いくつかの書類を提出する必要があります。まず、最も重要なのが「健康保険任意継続被保険者資格取得申出書」です。これは、任意継続を希望する際に必ず提出しなければならない申請書で、健康保険を継続する意思を正式に表明するための書類です。この申請書には必要事項をしっかりと記入し、提出することが求められます。
また、退職日を確認するための書類として「退職証明書」や「離職票」が推奨されます。これらの書類は必須ではありませんが、退職日を証明できる資料を提出することで、手続きをよりスムーズに進めることができます。これらの書類があれば、退職後の手続きが迅速かつ確実に行われるため、可能な限り用意しておくとよいでしょう。
業務委託で加入できない社会保険をどう補う?
業務委託契約で働くフリーランスは、雇用契約で自動的に適用される社会保険制度のいくつかを利用できません。例えば、雇用契約者が享受できる厚生年金や労災保険、雇用保険などが適用されないため、万が一の際には自らリスクに備える必要があります。しかし、これらのリスクを軽減するための選択肢がいくつか存在します。以下に、その具体的な補完方法を紹介します。
就業不能保険へ加入する
就業不能保険は、病気やけがにより働けなくなった場合に、収入が途絶えるリスクを補うための保険です。業務委託契約では、労災保険が適用されないため、労働中や通勤中に事故やけがをした際には、自らの保険でカバーする必要があります。特にフリーランスの場合、働けなくなると収入がゼロになってしまうリスクが高いため、就業不能保険への加入は非常に重要です。この保険は、収入補償の形で給付金を受け取ることができ、治療に専念するための経済的なサポートとなります。
就業不能保険の種類やプランは多岐にわたり、選ぶプランによって給付金額や保障期間が異なります。自分の職種や生活スタイルに合わせて、適切な保険を選ぶことが大切です。ITエンジニアのように、身体的なリスクが低い職業でも、病気やメンタルヘルスの問題で長期間働けなくなる可能性があるため、こうした保険は予防的な措置として有効です。
損害を補償する賠償責任保険へ加入する
業務委託契約で働くフリーランスエンジニアには、クライアントとの業務においてミスや過失による損害賠償リスクがつきものです。特に、ITエンジニアはクライアントのシステムやデータに直接関与することが多く、ミスが重大なトラブルにつながる場合もあります。例えば、プログラムのバグやシステムダウンによる損害、納期遅れに伴う損失補償などが発生するケースでは、高額な賠償を求められる可能性もあります。
このようなリスクに備えるため、賠償責任保険への加入を検討することが重要です。賠償責任保険は、業務上のミスや過失によって第三者に損害を与えた際、その賠償金や訴訟費用をカバーしてくれる保険です。特に、フリーランスで多数のプロジェクトを手掛けているエンジニアにとって、損害をカバーできる保険は安心材料となります。この保険を通じて、リスク管理を行い、予期せぬトラブルによる経済的損失を防ぐことができます。
健康保険を任意継続する
業務委託契約で働くフリーランスが、会社員として加入していた健康保険を退職後も継続したい場合、任意継続制度を利用することができます。この制度を活用するためには、以下の条件を満たしている必要があります。
資格喪失日の前日までに健康保険の被保険者期間が継続して2ヵ月以上あること。
健康保険を任意継続するためには、退職日までに少なくとも2か月以上、健康保険に継続して加入していたことが条件となります。この条件を満たしていない場合、任意継続は利用できません。
資格喪失日(退職日の翌日等)から20日(20日目が土日・祝日の場合は翌営業日)以内に手続きができること。
健康保険の任意継続を希望する場合、退職日の翌日から数えて20日以内に申請手続きを行わなければなりません。20日以内に手続きを完了しないと、任意継続の資格を失うため、注意が必要です。手続きは郵送や窓口で行えます。
75歳未満で後期高齢者療養制度への加入がない
任意継続は、75歳未満の方が対象です。75歳を超える場合、後期高齢者医療制度に移行するため、任意継続の対象外となります。
この制度を利用することで、退職後も最大2年間、同じ健康保険に加入し続けることができ、医療費負担を軽減することができます。
まとめ
業務委託契約で働くフリーランスのエンジニアにとって、社会保険の選択や手続きは自己責任で行う必要があります。雇用契約と異なり、自動的に社会保険に加入できないため、自らが適切な手続きを行い、リスクに備えることが重要です。特に、国民年金や国民健康保険、さらに退職後も健康保険を継続できる任意継続制度を利用することで、老後の年金や医療費の負担を軽減できます。また、就業不能保険や賠償責任保険を活用することで、万が一の病気や業務上のトラブルにも対応できるように備えることが可能です。自分の状況や収入に合った保険を選び、安心してフリーランスとしての活動を続けましょう。
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