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フリーランスは弁護士をつけるべき?具体的なトラブル事例と費用感を紹介


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フリーランスは「契約」を甘く見てはいけない

フリーランスは友人と仕事をする、友人の紹介で仕事をするなど、身近な人から案件を受けることも少なくないです。その結果契約を甘く見てトラブルになるケースも多いです。

そのため、どのような仕事でも業務委託契約書はリスクヘッジとして結んでおいた方が良いと考えます。

おさらい!業務委託契約とは

業務委託契約とは効率化や作業負荷分散を目的として、業務の遂行を他者に委託する契約のことをいいます。

業務委託契約は、主に、請負契約、委託契約、準委任契約に分類されます。

請負契約は成果物の納品を目的としており、契約内容に沿った成果物の納品に対して報酬が支払われます。

そのため、業務遂行の義務はありますが、成果物を目的としない契約となります。

どの契約を交わすかによって働き方や納期への向き合い方も変わってくるので、自分の契約がどの契約に分類されるか契約前に確認しておくことが大切です。

業務委託契約は、パート・アルバイト、契約社員、正社員などの雇用契約とは異なります。

業務委託と雇用契約で異なる点は、受託者・委託者間での指揮命令関係が発生しない点です。

雇用契約は労働者が使用者に対して労働に従事し、従事した労働に対して報酬が支払われる契約です。

業務を行う時間・場所の指定、業務の進め方を指示できる指揮命令関係があります。労働基準法も雇用契約では適用されます。

それに対して、業務委託は業務遂行のための条件として契約で定めていない限り、場所や時間の指示をすることはできません。

フリーランスが直面するトラブルの事例

フリーランスが直面するトラブルの事例として、実際にあったトラブルを5種類7事例ほど紹介します。

報酬の未払い・報酬の返金

事例1:報酬の未払い被害にあったウェブデザイナーAさん

Web制作を契約書を交わさずに仕事を受注。

仕事は完了したが、50万円の報酬について顧客から1円も支払われずに、連絡を断たれてしまった。

事例2:報酬の返金を要求されたメイクアップアーティストBさん

ヘアメイクのお仕事を3万円で受注。

顧客からコテでモデルの服に穴が空いたので報酬の返金と弁償代を請求する旨のクレームがあったが、服に穴を開けた記憶はなく、困っている。

一方的な減給をされた

事例3:納品後に一方的に報酬を減額されたライターCさん

10記事の納品を依頼されたCさん。

まずは1記事を納品し、内容と構成に問題がないかを顧客に確認した。

特に指摘をいただいていなかったため、内容に問題がないと思い、10記事すべてを納品した後、顧客に「方向性が違う」という理由で一方的に減給。

記事の修正を申し出たが、連絡が取れなくなり、減給分も返ってこなかった。

報酬の交渉に応じてくれない

事例4:報酬の引き上げ交渉に応じてもらえなかったECサイト配達員Dさん

1箱50円で荷物配達の契約を交わしていました。

朝9時から夕方までに100個、夕方から60個配達し、1日10時間稼働しても160個の配達が限界で、報酬は1日8000円。

顧客に報酬の引き上げ交渉をするも、全く取り合ってもらえなかった。

損害賠償請求をされた

事例5:相手が逆ギレし、損害賠償をもらえなかったイラストレーターEさん

顧客から完成した納品物の修正を最初に合意した以上に依頼されるようになる。

契約書を作って持参するが、対応してもらえず、「話が違うので、これ以上は仕事を受けられない」旨を伝えると、逆ギレされ、報酬支払い拒否に加えて、損害賠償まで請求された。

ハラスメントを受けた

事例6:写真の著作権を主張したら、パワハラを受けたフォトグラファーFさん

納品物が契約以外の媒体で使われていたことを発見し、契約したもの以外で使用しないで欲しい旨を伝えたところ、「著作権など知るか」「金の亡者」などと暴言を受け、謝罪を強要された。

事例7:請負契約で納品したが、契約を辞めさせてもらえなかったエンジニアGさん

アプリ開発で成果物を納品したものの、力不足もあり顧客から修正依頼を受けた。

納品したので契約をやめたいが、顧客から「完成させないなら法的措置を取る」と高圧的な態度で迫られた。

フリーランスがトラブル時に弁護士に相談するメリットとは

フリーランスがトラブル時に弁護士に相談するメリットを5つほど紹介します。

そもそも案件参画前の段階で契約書のチェックや作成をしてもらえる

契約書をフリーランスが不利にならないようにチェックしてもらうことや、契約不備のないように契約書作成を依頼することも可能です。

トラブルを未然に防ぐことができる

弁護士と聞くと、なにかトラブルが起こってから相談するイメージをお持ちかもしれませんが、案件参画前の契約の段階で不安な点を相談して未然にトラブルを防ぐことも可能です。

訴訟の対処ができる

前述のトラブルの事例でもあったように、自分が訴訟を望んでいなくても、顧客先から突然訴えられることもあります。

そんなとき、初めてであろうと対応せざるを得ません。

勝訴以外にも和解など検討すべき選択肢はありますが、いずれにせよ訴訟が起きてしまったのであれば早期に弁護士に相談すべきです。

弁護士は訴訟の対応もできるので、発生したトラブルを最小に抑えることができ、万が一にも安心です。

また訴訟に関して、通常の民事訴訟は多額の弁護士費用に加え審理も長期に及ぶので、請求額に見合わない負担を負いがちです。

実際にトラブルが起きた際、少額訴訟、支払督和解あっせんのいずれかを行うと良いです。

和解あっせんに関しては記事後半で説明します。

少額訴訟は請求額が60万円以下の支払を求める場合に利用できる裁判手続です。

原則1回の審理で終わるメリットがあり裁判所は原告被告双方の主張を踏まえ、判決をしたり、話し合いによる和解を進めたりします。

支払督促は簡易裁判所に金銭支払いを申し立てる制度です。

書類審査のみのため裁判所に出向く必要はなく、手数料も訴訟の半分となります。

相手側が異議申し立てをした場合、相手側の住所を所管する裁判所での訴訟手続きに移るため、やり取りする相手の職場が遠い場合などは注意が必要になります。

少額訴訟、支払督促のどちらにおいても相手が異議申し立てをしなければ申立人の言い分が認められるため、相手は手続きから逃げることができなくなります。

相手が裁判手続に応じない場合も、強制執行を申し立てることが可能です。

不当なクレームに対応してもらえる

弁護士を味方につけることで法律を武器にして不当な請求を見分け、クレームに法的に対応するので悪質クレーマーの主張を排斥してもらえます。

また、そもそも弁護士を立てた時点で諦めて引いていくクレーマーもいます。

トラブル時に多くの時間を割かずに済む

事前の相談によって、仮にトラブルが発生してしまったとしても、早期に相談することで法的側面からトラブル解決にあたってくれるため、業務に集中することができます。

フリーランスが弁護士に相談する際の費用はどれくらいなのか

弁護士に相談すると莫大な費用がかかるのではないかと気になっている方も多いのではないでしょうか。

実際、労務上トラブル等で弁護士に相談して対処してもらう場合、高額費用がかかるケースも少なくありません。

フリーランスは弁護士に相談する際、どれくらいの予算があれば依頼をかけることができるのか、保険があるかなども踏まえ、見ていきましょう。

一般的な顧問弁護士に依頼する費用

大半の弁護士事務所は顧問弁護士サービスを用意しており、弁護士事務所にもよりますが、約1〜10万という安価な価格でサービスが提供されています。

特に3〜5万円の価格帯が相場であることが分かっています。

フリーランス向けに相談時間や相談件数に制限を設けることで、より安価なサービスを提供してくれる弁護士事務所も多く見受けられます。

弁護士費用保険の活用

費用を聞いても、トラブル時に費用が跳ね上がるのではないか、手数料やオプションなど、見えないお金がかかってくる可能性はないかと不安になる人も多いのではないでしょうか。

顧問弁護士に依頼する費用はあくまで初期費用のような感覚でトラブルの内容次第で想像の通り費用がかさんでいきます。

例えば、以下のようなパターンがあります。

  • オーダーメイドの中でも特殊なパターンの場合

完全オーダーメイドである以上、費用は上がってしまいます。過払いや破産などのパターンオーダー的な処理であれば、費用は安めの料金になります。

  • 危険手当的要素が多い場合

トラブルに介入する以上、一定の危険があります。そのリスクが大きければ大きいほど費用はかさんでいきます。

  • 信用や管理額からくる費用がかかる場合

高額な金銭の管理、高度の信用が求められる業務は前述のリスクを伴う分、費用も高くなります。

高額の入出金や郵便物の管理も、費用や安全性の観点から弁護士に対応が集中し、費用がかさむことになります。

  • 目に見えない労力が伴う場合

第三者に同意をもらっていると聞いても、その第三者に連絡を入れることや、書面での一筆をお願いすることがあります。

実際に現場に確認しに行く場合もあります。

依頼するフリーランス側にとって無駄に感じる確認作業でも、事実確認を行うにあたって、「依頼者や関係者が言っていたから確認をしない」とはできません。

信用を得るために行わなければいけないことがあり、時間や費用もかかってきます。

そんな経緯もあり、訴訟やトラブル対処で追加の費用が必要にはなりますが、できるだけ費用を抑えて気軽に利用したいのであれば、弁護士費用保険の活用をオススメします。

保険料は1日155円〜となっており、顧客弁護士よりリーズナブルな価格になっています。

弁護士費用保険の内容としては、加入者が、弁護士に依頼する時、かかる費用が保険会社・共済協同組合から支払われます。

また知人の弁護士がいなくても、日弁連と協定を結ぶ保険会社・共済協同組合の保険・共済に加入している場合、日弁連・弁護士会を通じて弁護士を紹介してもらいます。

フリーランス・トラブル110番を活用する

弁護士や弁護士費用保険を検討したけどやっぱり高い。

そう考えている人におすすめなのが、フリーランス・トラブル110番。

相談やその後の弁護士による和解あっせんも無料で受けることができて、とても得です。

フリーランス・トラブル110番は次のことができます。

  • 和解あっせんの申立書の書き方

和解あっせんとは、フリーランスの方と顧客双方の話を聞いて、利害関係の調整や解決案を提示することで、和解を目指す手続きになります。

裁判と比較して解決までの期間が短く、審理非公開の手続きになります。

流れは下記の通りとなります。

  1. ご相談
  2. フリーランス・トラブル110番に和解あっせん手続きの申し立てをする
  3. 顧客へ連絡して出席を呼びかける
  4. 和解あっせん期日(所要2時間、複数回指定されることもあり)
  5. 解決なら無事、和解成立になります。

和解あっせん申立書にはトラブルの内容とフリーランス側が求める結論、自分の考え、法的根拠(定型約款の合意)などを記載します。

  • 証拠提出へのアドバイス

相手とのメールの内容のスクリーンショットや、顧客が法人の場合は履歴事項全部証明書も必要です。履歴事項全部証明書は594円でネットで取り寄せられる他、Graffer法人証明書請求というところで簡単にネット取り寄せができます。

  • 仕事をキャンセルするルール決めの話し合い

和解あっせんだけでなく、仕事をキャンセルするルール決めの話し合いもすることができます。

  • 相談に応じて解決に適した機関の紹介

フリーランス・トラブル110番のアドバイスや、和解あっせんでも解決しない場合は、解決に適した機関を紹介してもらえます。

トラブル解決、相談をしたい場合には、フリーランス・トラブル110番に連絡してみましょう。

フリーランスは知っておきたい知識や契約の種類

次に紹介する知的財産権、非侵害保証、NDA(秘密保持契約書)は、トラブルを未然に防ぎ、自分の身を守ることにもつながるので、フリーランスとして働くにあたって事前に知っておきましょう。

知的財産権とは

知的な創作活動で何かを作り出した人に付与される、他人に無断使用されない権利のことです。

著作権や、特許権、実用新案権、意匠権、商標権からなる産業財産権などが知的財産権に含まれます。

以下、それぞれの説明です。

著作権:著作物を保護する権利

特許権:発明を保護する権利

実用新案権:物品の構造、形状又は組み合わせに係る考案を保護する権利

意匠権:商品や製品のデザインを保護する権利

商標権:サービスや商品についた目印である商標を保護する権利

非侵害保証とは

委託先は、取引の対象となる制作物(納品物)が第三者の知的財産権を侵害していないことを保証することです。

契約書には、この規定を盛り込んでおくことが重要で、盛り込んでおけばフリーランスが、顧客に契約上の追求をすることができます。

NDA(秘密保持契約書)については知っておこう

NDA(秘密保持契約書)は、契約で顧客から提供される業務上の機密情報や個人情報などを第三者に開示しないよう、情報管理のあり方について取り決めた契約書のことです。

NDA(秘密保持契約書)締結以降は、トラブルを防ぐため、顧客情報が漏洩しないよう十分注意して業務に取り組みましょう。

まとめ

本記事では、フリーランスが直面するトラブルの事例や、トラブル時に弁護士に相談するメリットと相談費用や弁護士保険、フリーランス・トラブル110番、その他フリーランスが知っておきたい知識や契約についてお伝えしました。

パート・アルバイトや正社員など雇用契約を結んで働いている時と比べて、委託しない限り、フリーランスは契約関係を自分自身で行わなければなりません。

トラブルの責任も営業や会社ではなく、全て自分に降り掛かってくるので、トラブルをできれば起こさない、起きてしまっても対処できる力が自分の身を守るために必要になってきます。

フリーランスになったら、トラブルに対して他人事にすることが難しくなってくる上、弱い立場を狙ってくる悪質な企業も残念ながら一定数いるのが現状です。

もし、トラブルに自分がなったら、もしくは少しでも不安を感じているなら本記事で紹介した、事前にしっかりと契約について確認し、弁護士やフリーランス・トラブル110番に相談してみましょう。

弁護士でかかる費用を抑えたいなら、合わせて弁護士費用保険も検討してみましょう。

  1. 業務委託契約には請負、委託、準委任がある。報酬未払い、損害賠償請求、ハラスメントなど様々なトラブルに注意する。
  2. 弁護士への依頼は3〜5万円が相場。費用を抑えたいなら弁護士費用保険の活用がおすすめ。
  3. 自分の身を守る知的財産権、NDAの知識や、フリーランス・トラブル110番を活用してみましょう。
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