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GCPで知っておきたい機械学習・AI領域のサービスと機能を紹介

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そもそも機械学習とは?概要を確認

そもそも機械学習とは何なのでしょうか?

今回はその機械学習について解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

「機械学習」の概要

機械学習とは、コンピュータがデータから自動的に学習し、その学習結果をもとに新しいデータに対して予測や判断を行う技術のことを指します。

従来のプログラミング手法では、人間が明示的にルールを定義してアルゴリズムを設計していましたが、機械学習では、大量のデータから自動的にそのルールやパターンを見つけ出すことが可能となります。

具体的な例として、手書きの数字を認識するシステムを考えてみましょう。従来の方法では、各数字の形や特徴を人間が定義して、それに基づいて数字を判別するアルゴリズムを設計する必要がありました。

しかし、機械学習を用いると、大量の手書き数字のデータセットを学習させることで、コンピュータ自身が数字の特徴やパターンを学習し、新しい手書き数字を正確に認識することができるようになります。

また、機械学習は、推薦システムや自動運転車、音声認識など、さまざまな分野での応用が進められています。

例えば、オンラインショッピングサイトでは、ユーザーの過去の購入履歴や閲覧履歴をもとに、機械学習のアルゴリズムを用いて、ユーザーの興味や嗜好に合った商品を推薦することができます。

このように、機械学習は、大量のデータから有用な情報や知識を抽出し、それをもとに新しいデータに対する予測や判断を行うことができる強力な技術となっています。

「機械学習」でできること

自然言語処理

自然言語処理(NLP)は、人間の言語をコンピュータが理解・解析・生成するための技術領域です。

この技術は、テキストデータや音声データの解析に広く利用されています。

例えば、顧客からのフィードバックやレビューを自動的に分析して、ポジティブな意見やネガティブな意見を抽出するためにNLPが使用されることがあります。

また、音声認識技術を活用したスマートスピーカーや音声アシスタントもNLPの応用例です。これらのデバイスは、ユーザーの音声コマンドをテキストに変換し、意味を解析して適切なアクションを実行します。

NLPの技術は、機械学習やディープラーニングの進化とともに急速に進化しており、より高度な言語処理が可能となっています。

回帰分析

回帰分析は、変数間の関係を数学的にモデル化し、予測を行うための統計的手法です。

具体的には、ある変数(従属変数)が他の一つまたは複数の変数(独立変数)にどのように影響されるかを調査します。

例えば、不動産の価格予測において、家の面積や築年数、立地条件などの特徴量を独立変数として、価格を従属変数として回帰分析を行うことで、新しい物件の価格を予測することができます。

この手法は、ビジネスの意思決定や市場分析、製品の価格設定など、多岐にわたる分野で活用されています。

分類

分類は、入力データを特定のカテゴリやクラスに分けるタスクを指します。機械学習のモデルは、学習データをもとにデータの特徴とカテゴリの関係を学び取ります。

例として、医療画像診断において、X線画像をもとに患者が特定の病気であるかどうかを判定する場合があります。

また、金融業界では、顧客の属性や取引履歴をもとに、ローンの返済能力を予測するための分類モデルが利用されることがあります。正確な分類モデルの構築は、ビジネスの効率化やリスクの低減に大きく寄与します。

次元削減

次元削減は、データの特徴量を減少させることで、データの可視化や処理速度の向上を目指す技術です。

高次元のデータは、計算コストが高くなるだけでなく、過学習のリスクも増加します。次元削減を行うことで、これらの問題を緩和することができます。主成分分析(PCA)やt-SNEなどの手法がよく利用されます。

例えば、手書き数字の画像データを2次元に圧縮して可視化することで、似た数字がどのようにクラスタリングされるかを視覚的に確認することができます。

このような次元削減の手法は、大量のデータを扱う際の計算効率の向上や、データの構造や関係性を理解するための可視化に非常に役立ちます。

クラスタリング

クラスタリングは、データを自然なグループやクラスタに分ける非監督学習の手法です。この手法は、データの中に隠れた構造やパターンを発見するために使用されます。

例えば、顧客の購買履歴や行動データをもとに、類似の特徴を持つ顧客グループを特定することができます。

このようなクラスタリングの結果を利用して、ターゲットマーケティングや商品の推薦などの戦略を策定することができます。K-meansや階層的クラスタリングなどのアルゴリズムが一般的に使用されます。

レコメンデーション

レコメンデーションは、ユーザーの過去の行動や好みをもとに、関連するアイテムやコンテンツを提案するシステムを指します。

例えば、オンラインショッピングサイトや動画配信サービスでは、ユーザーが過去に閲覧や購入した商品をもとに、次に興味を持ちそうな商品やコンテンツを推薦します。

このようなレコメンデーションシステムの背後には、機械学習のアルゴリズムが使用されており、ユーザーの満足度の向上や売上の増加に寄与しています。

具体的には、協調フィルタリングや行列分解などの手法が利用されることが多いです。

「機械学習」が使われている具体的な事例とは

「機械学習」が使われている具体的な事例について3つ紹介していきます。

Netflixの映画・ドラマの推薦システム

Netflixは、世界中で数億人のユーザーを持つ動画配信サービスです。その成功の背後には、高度な機械学習を活用した推薦システムがあります。

ユーザーが過去に視聴した映画やドラマ、評価した内容、閲覧履歴などのデータを基に、次に視聴するであろうコンテンツを精度高く推薦します。

この推薦システムにより、ユーザーは自分の好みに合ったコンテンツを簡単に見つけることができ、Netflixはユーザーの満足度を高めるとともに、長期的な利用を促進しています。

Google Photosの画像分類・検索機能

Google Photosは、ユーザーがアップロードした写真や動画をクラウド上で保存・管理できるサービスです。

このサービスの特徴的な機能として、機械学習を活用した画像分類・検索機能があります。写真の中に写っている物や人の顔を自動的に認識し、タグ付けを行います。

これにより、ユーザーは「猫」や「海」、「家族の顔」などのキーワードで写真を瞬時に検索することができます。また、同じ場所や同じ人が写っている写真を自動的にアルバムにまとめる機能もあります。

Amazonの購買予測・在庫管理

Amazonは、世界最大のオンラインショッピングサイトとして知られていますが、その裏側では機械学習を駆使した購買予測や在庫管理が行われています。

ユーザーの閲覧履歴や購入履歴、レビューなどのデータを基に、どの商品が近いうちに購入されるかを予測します。

これにより、適切な在庫量を確保し、商品の欠品や過剰在庫を防ぐことができます。また、ユーザーに対しての商品の推薦も、この購買予測のデータを基に行われており、ユーザーの購買意欲を高める効果があります。

GCPが提供している機械学習サービス①:AI Building Blocks

GCPが提供している機械学習サービスAI Building Blocksについて解説していきます。

AI Building Blocksの概要

Google Cloud Platform (GCP) のAI Building Blocksは、開発者向けの強力なツールセットを提供しています。これにより、開発者は複雑な機械学習アルゴリズムやデータ処理技術を深く理解していなくても、高度なAI機能をアプリケーションやウェブサービスに組み込むことができます。

これらのBuilding Blocksは、Googleが長年にわたって蓄積してきたデータと経験に基づいて開発されており、その信頼性と効果性は高いと言えます。また、これらのツールはクラウドベースで提供されているため、スケーラビリティやアクセス性にも優れています。

事前トレーニングモデル

事前トレーニングモデルは、大量のデータセットで既にトレーニングされている機械学習モデルのことを指します。これにより、開発者はモデルのトレーニングから始めることなく、すぐに予測や分析を行うことができます。

GCPのAI Building Blocksでは、多岐にわたる用途のための事前トレーニングモデルが提供されており、例えば、画像認識、テキスト分析、音声認識などのタスクを簡単に実行することができます。

これらのモデルは、Googleが提供する大規模なデータセットでトレーニングされているため、高い精度と効果性が期待できます。

Translation API

Translation APIは、テキストの翻訳を行うためのAPIで、100以上の言語に対応しています。

このAPIを使用することで、ウェブサイトやアプリケーションにリアルタイムの多言語翻訳機能を簡単に組み込むことができます。

例えば、国際的なECサイトを運営している場合、ユーザーの言語設定に応じて商品説明やレビューを自動的に翻訳し、表示することができます。

また、カスタマーサポートチャットボットを運営している場合、ユーザーからの質問をリアルタイムで翻訳し、適切な言語で回答することも可能です。

Vision API

Vision APIは、画像の内容を分析するためのAPIで、物体の検出、顔の認識、テキストの抽出などの機能を持っています。

このAPIを使用することで、例えば、ECサイトで商品画像をアップロードする際に、商品のカテゴリやブランド、色などの属性を自動的にタグ付けすることができます。

また、SNSプラットフォームでユーザーがアップロードした画像の内容を分析し、不適切なコンテンツを自動的にフィルタリングすることも可能です。

Recommendations AI

Recommendations AIは、ユーザーの行動や嗜好に基づいてパーソナライズされた商品やコンテンツの推薦を行うAPIです。ECサイトや動画配信サービスなどで、ユーザーに合わせた推薦を行うことで、購買率や閲覧時間の向上を図ることができます。

このAPIは、ユーザーの過去の購買履歴や閲覧履歴、クリック行動などのデータを基に、機械学習モデルを用いて最適な推薦文を生成します。

例えば、ECサイトでは、ユーザーが過去に購入した商品や閲覧した商品ページのデータを基に、次に興味を持ちそうな商品を自動的に推薦することができます。

また、動画配信サービスでは、ユーザーが過去に視聴した動画のジャンルやキーワードを基に、次に視聴する可能性が高い動画を推薦することができます。

このように、Recommendations AIを使用することで、ユーザーエクスペリエンスの向上や売上の増加を実現することができます。

カスタムモデル

GCPのAI Building Blocksでは、事前トレーニングモデルだけでなく、独自のデータセットを使用してカスタムモデルをトレーニングすることも可能です。

これにより、特定の業界やニーズに特化したモデルを作成することができます。

例えば、医療画像診断のためのモデルや、特定の言語や方言を理解するためのモデルなど、標準的なモデルではカバーできないニーズに対応することができます。

AutoML Vision

AutoML Visionは、画像認識のためのカスタムモデルを簡単にトレーニングできるサービスです。

専門的な機械学習の知識がなくても、独自の画像データセットをアップロードし、モデルのトレーニングを行うことができます。

例えば、特定のブランドのロゴを検出するモデルや、特定の動植物を識別するモデルなど、独自のニーズに合わせた画像認識モデルを簡単に作成することができます。

BQML

BQML(BigQuery Machine Learning)は、Google CloudのBigQuery内で直接機械学習モデルのトレーニングと予測を行うことができる機能です。SQLの知識だけで、大量のデータを使用してモデルのトレーニングを行い、そのモデルを使用して予測を行うことができます。

例えば、過去の売上データを基に、次の月の売上予測を行ったり、ユーザーの行動データを基に、ユーザーの離脱リスクを予測することができます。BQMLを使用することで、データ分析と機械学習のプロセスを効率的に一元化することができます。

GCPが提供している機械学習サービス②:AI Platform

次にGCPが提供している機械学習サービスAI Platformについて解説していきます。

AI Platformの概要

Google Cloud Platform (GCP) のAI Platformは、機械学習のプロジェクトを効率的に進めるための統合型サービスとして提供されています。

このプラットフォームは、データの前処理からモデルのトレーニング、評価、そしてデプロイまでの一連の流れをシームレスにサポートします。特に、TensorFlowやscikit-learn、XGBoostといった主要な機械学習フレームワークとの互換性があり、開発者は自身の得意なフレームワークを使用してカスタムモデルの開発が可能です。

さらに、AutoMLの機能を活用することで、専門的な知識がないユーザーでもデータをアップロードするだけで高品質なモデルを生成することができます。

AI Platformを活用するメリット

AI Platformを使用することで、機械学習のプロジェクトを効率的に進めることができる多くのメリットがあります。

機械学習の環境構築が簡単

機械学習の環境構築は、多くの設定やインストール作業が伴うため、時間と労力がかかることが一般的です。

しかし、AI Platformを使用することで、これらの手間を大幅に削減することができます。GCPのクラウド環境上で、必要なライブラリやツールがプリインストールされた状態で提供されるため、開発者はすぐに機械学習の開発を開始することができます。

これにより、環境構築にかかる時間やコストを大幅に削減することが可能となります。

「機械学習」領域の多くをカバーした開発ができる

AI Platformは、多岐にわたる機械学習のタスクをサポートしています。

画像認識、自然言語処理、時系列予測など、さまざまな領域の問題に対応することができます。

これにより、一つのプラットフォーム上で複数の機械学習プロジェクトを進めることができるため、開発の効率が大幅に向上します。

AI開発の着手までの時間を短縮できる

AI Platformの最大の特長の一つは、AIの開発プロセスを高速化することができる点です。

データの前処理からモデルのトレーニング、デプロイまでの一連の作業を効率的に行うことができるため、開発のスピードが大幅に向上します。

これにより、短期間でのプロジェクトの完了や、迅速なプロトタイピングが可能となります。

AI Platformの機能

AI Platformの機能についていくつか紹介していきます。

AI Platform Predictions

AI Platform Predictionsは、トレーニング済みの機械学習モデルを使用して、新しいデータに対する予測を行うためのサービスです。

ユーザーは、自分でトレーニングしたモデルや、Google Cloud上で利用可能な事前トレーニング済みのモデルを使用して、リアルタイムまたはバッチ処理での予測を行うことができます。

例えば、オンラインショッピングサイトの運営者が、ユーザーの購買履歴や閲覧履歴を基に次に購入する可能性のある商品を予測する際に、このサービスを利用することができます。

これにより、パーソナライズされた商品の推薦やマーケティング戦略の最適化が可能となります。

AI Platform Notebooks

AI Platform Notebooksは、Jupyterベースの統合開発環境(IDE)を提供するサービスです。

データサイエンティストや機械学習エンジニアは、このノートブックを使用して、コードの記述、データの分析、モデルのトレーニングなどの作業を行うことができます。

Google Cloudのリソース、特にBigQueryやGCSなどのデータソースとシームレスに統合されており、大量のデータを効率的に処理することができます。

また、TensorFlowやPyTorchなどの主要な機械学習ライブラリがプリインストールされているため、すぐに開発を開始することができます。

AI Platform Data Labeling

AI Platform Data Labelingは、機械学習モデルのトレーニングに必要なラベル付きデータを作成するためのサービスです。

ユーザーは、未ラベルのデータをアップロードし、具体的なラベリングの指示を与えることで、Googleの専門家チームが高品質なラベル付きデータを提供します。

例えば、画像認識モデルのトレーニングのために、特定のオブジェクトの位置を示すバウンディングボックスの情報が必要な場合、このサービスを利用して効率的にラベル付けを行うことができます。

AI Platform Training

AI Platform Trainingは、ユーザーが提供するトレーニングデータと機械学習モデルのコードを使用して、大規模なトレーニングジョブを実行するためのサービスです。

Google Cloudの強力なインフラストラクチャを活用して、大量のデータに対するモデルのトレーニングを高速に行うことができます。

ユーザーは、トレーニングの設定やハイパーパラメータの調整を行い、最適なモデルを得るための試行錯誤を効率的に行うことができます。

AI Hub

AI Hubは、機械学習のアセットを共有・発見するための中央リポジトリです。

ユーザーは、自分で作成したモデルやデータセット、パイプラインをAI Hubに公開することができます。また、他のユーザーが公開しているアセットを検索し、自分のプロジェクトに再利用することも可能です。こ

これにより、機械学習の開発の効率が大幅に向上し、コミュニティ全体での知識の共有が促進されます。AI Hubには、Google Cloudが提供する事前トレーニング済みのモデルや、業界のベストプラクティスに基づくソリューションテンプレートも含まれています。

例えば、小売業向けの需要予測や、医療業界向けの画像診断などのソリューションが提供されています。また、AI Hubはチーム内でのコラボレーションをサポートしており、チームメンバー間でのアセットの共有やフィードバックの収集が容易になります。

以上のように機械学習のプロジェクトの進行状況を一元的に管理し、効率的な開発を実現することができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回の記事では、GCPで知っておきたい機械学習・AI領域のサービスと機能を紹介してきました。

機械学習は大量のデータから自動的にそのルールやパターンを見つけ出すことが可能となるため、データ量が膨大となる現代、そして未来において重要な役割を果たすようになります。

AIとの共存を図ることで、より効率が良く、より多くの事象に対してシステムを対応させることができるようになります。

IT技術の発展とともに、それを扱う私たちの知識・技術を向上させるためにもこのような機械学習についてご自身でも一度勉強してみてはいかがでしょうか?

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