フリーランスがふるさと納税をするメリットと計算方法を紹介
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目次
はじめに
みなさんはふるさと納税について耳にしたことがありますか?
「ふるさと納税という言葉自体は聞いたことがある」
「納税と聞くと良い印象がない」
確かに税金と聞くと良い印象を持つ人は少ないでしょう。さらにふるさと納税について知っている人も増えていますが、まだまだ認知度は高くありません。
そこで今回はフリーランスの人がふるさと納税をするメリットや、納税限度額の計算方法についても紹介します。
この記事を見れば、ふるさと納税に対する抵抗がなくなり、ふるさと納税に対して大きな魅力を感じるでしょう。
そもそもふるさと納税とは?
ふるさと納税とは、自分が好きな自治体(都道府県や市町村)に対して寄付金をするという制度です。
ふるさと納税は「納税」という単語が入っているため、強制力のあるものと考える方もいますが、一種の寄付と考えていただくのが良いでしょう。
また、ふるさと納税が導入された経緯としては、人口格差によって生じる税収入の格差を埋めるために導入されました。
近年日本では少子高齢化が進み、ますます都心部と過疎部の人口格差が問題となる中で、ふるさと納税の普及は革新的と言えるでしょう。
ふるさと納税の特徴と仕組みについて
ふるさと納税の最大の特徴は以下の2点です。
- 寄付した自治体から返礼品が送られる
- 所得税の還付と住民税の控除がある
ふるさと納税は好みの自治体に対して寄付できることを紹介しましたが、寄付の返礼品は地域の特産品から日用品まで地域によってさまざまです。
さらに寄付することによって所得税が確定申告後に還付され、住民税が控除される点も非常に魅力的ではないでしょうか。
自治体への寄付に対して返礼品や税金の控除が得られる制度が存在するのは、自治体にも大きなメリットがあるからです。
過疎化している自治体であれば税収入の助けになり、地域の特産品の認知を広める機会にもなります。
地域の特産品を広めることによって観光客や関係人口の増加に繋がり、長期的にも自治体のメリットになるでしょう。
以上のように寄付者と自治体が互いに得する関係だからこそ、ふるさと納税という仕組みが成り立っています。
ふるさと納税の申込み方法
ふるさと納税の申し込み方法は自治体によって異なりますが、「自治体名+ふるさと納税」と検索すると案内が出る場合が多いです。
申込方法は自治体によって異なるため、ふるさと納税について詳細は寄付したい自治体のホームページを確認すると良いでしょう。
ふるさと納税は生まれ育った自治体に寄付することも可能ですが、好きな自治体や返礼品が魅力的な自治体を選択する方法もあります。
魅力的な返礼品を確認して、寄付する自治体を選択したい場合は「ふるさとチョイス」や「ふるさとプラス」から申し込むことがおすすめです。
以上2つのサイトからふるさと納税をすると、銀行振込だけでなくクレジットカードでの支払いなど寄付方法が多様なので、オンラインで寄付を済ませたい方はぜひサイトを利用しましょう。
フリーランスがふるさと納税をするメリットとは
フリーランスがふるさと納税をするメリットはたくさんあります。
「結局、返礼品って物足りないのでは」
「寄付金って何に利用されるの」
以上のような不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
しかしフリーランスの方がふるさと納税をするメリットは、主に以下の3点です。
- 寄付金に応じた所得税&住民税の控除を受けられる
- 実質負担2,000円で豪華な返礼品を受け取れる
- 好きな地方自治体を応援できる
以上の3点について詳しく解説します。
寄付額に応じた所得税&住民税の控除を受けられる
ふるさと納税の特徴は「所得税の還付と住民税の控除」が可能である点です。
寄付金の上限額は存在しますが、上限額までは寄付した額に応じて所得税の還付と住民税の控除を受けられます。
応援したい自治体に寄付することによって所得税と住民税が控除され、返礼品も手に入るので、寄付者側にとってもふるさと納税はかなりお得な制度です。
実質負担2,000円で豪華な返礼品が貰うことができる
控除が受けられるのはフリーランスだけではありませんが、最小2,000円から返礼品を受け取ることが可能です。
結果的には納税する前に寄付しているため、ふるさと納税にメリットがないと考える方もいるかもしれません。
しかし、返礼品の中には2,000円では入手できないほど豪華な返礼品や、自治体によっては地域限定の特産品や名産品が入手できるので、ふるさと納税は非常にお得なシステムと言えるでしょう。
好きな地方自治体を応援できる
一度観光で訪れ、魅力的に感じた場所や好きな地域があれば、寄付という形で応援できるのも大きなメリットです。
特にフリーランスの方は仕事場所に縛られないため、会社員の方よりもさまざまな場所を訪れる機会が多いのではないでしょうか。
一度仕事や旅で訪れた経験のある場所を選択し、ふるさと納税という形で地域の活性化のために貢献することも可能です。
もしお気に入りの自治体があれば、一度どのような返礼品があるのか確認するのも良いでしょう。
寄付金の使い道を指定できる
ふるさと納税では寄付金の使い道を細かく指定できるのも大きなメリットです。
例として以下のような指定例がございます。
- 動物保護の補助金
- 子育ての補助金
- 災害などの復興支援
上記以外にも自治体ごとにさまざまな使用例があるため、一度気になる自治体を確認してみてはいかがでしょうか。
しかし、寄付金の指定ができない自治体も一部存在します。
税金の使用用途を考えて寄付しても、自治体の取り組みに対して希望通りに貢献できない場合があるので注意しましょう。
ふるさと納税の上限額はフリーランスの年収により変わる
ふるさと納税には上限額が存在し、上限額はフリーランスによって異なります。
決して寄付すればするほど、返礼品や税金の控除が受けられるとは限りません。
寄付金の上限が異なる理由や、上限額の計算方法について詳しく解説します。
なぜフリーランスによって控除を受けられる限度額が異なるのか
フリーランスによって控除を受けられる限度額が異なるのは、収入が人それぞれ異なるからです。
所得税の控除限度額は一年の総所得金額の40%が上限とされています。
また住民税の上限額は非常に複雑なので、総務省が公開している以下のサイトを参考にしてみてはいかがでしょうか。
上限額以上の金額を自治体に寄付することも可能ですが、受けられる控除にも上限があるため、控除を受けられる範囲内で寄付しましょう。
フリーランスの方は年収の把握が難しいため、収入が確定する直前の11月や12月での寄付がおすすめです。
フリーランスのふるさと納税の計算方法
ふるさと納税の計算方法についても紹介します。
納税額の計算方法については以下の流れです。
まず、住民税課税決定通知書に記載の「市民税の税額控除前所得割額」と「都道府県民税の税額控除前所得割額」を合算し、合算して出た数字を「住民税所得割額」といいます。
そして、確定申告書の控えに記載の「課税される所得金額」(=課税所得金額)を確認しましょう。
下記の表で、自分の「課税される所得金額」に当てはまる変数を確認し、計算式に当てはめて計算してください。
『上限額=算出した「住民税所得割額」×変数+2,000円』が計算式となります。
課税される所得金額に応じた寄付可能上限額と、変数を示した表は以下のとおりで、変数は右列の「%」表記されているものが対象です。
課税所得金額 | 寄付可能上限額 |
195 万円以下 | 住民税所得割額 × 23.559% +2,000円 |
195 万円超〜330 万円以下 | 住民税所得割額 × 25.066% +2,000円 |
330 万円超〜695 万円以下 | 住民税所得割額 × 28.744% +2,000円 |
695 万円超〜900 万円以下 | 住民税所得割額 × 30.068% +2,000円 |
900 万円超〜1,800 万円以下 | 住民税所得割額 × 35.520% +2,000円 |
1,800 万円超〜4,000万円以下 | 住民税所得割額 × 40.683% +2,000円 |
4,000 万円超 | 住民税所得割額 × 45.398% +2,000円 |
※住民税所得割額は「課税所得 × 10%」で算出可能
ふるさと納税は確定申告が必要になる
フリーランスの方であれば、年に1回は確定申告しているでしょう。
しかし、普段行っている確定申告ですが、ふるさと納税をすることで一手間必要になり、記入が増える箇所があるため注意が必要です。
確定申告に関する主な注意点は以下の通りです。
- 「寄付金受理証明書」を保管すること
- 「確定申告書B」に金額を記載すること
- フリーランスは「ワンストップ特例制度」が利用できないので注意が必要
以上について詳しく解説します。
「寄付金受領証明書」を保管すること
寄付金受理証明書とは、ふるさと納税を受け取った自治体から発行される証明書であり、「寄付を受けましたよ」という証明をする役割があります。
この寄付金受理証明書がふるさと納税に関する書類の中で最も大切であり、住民税の控除や所得税の還付の際に必要です。
住民税の控除や所得税の還付には原則確定申告が必要なので、寄付金受理証明書は必ず保管しておきましょう。
寄付金受理証明書は自治体への寄付が終了すると郵送で送られてきます。
期間は自治体によっても異なりますが、1ヶ月〜2ヶ月程度の場合が大半です。
「確定申告書B」に金額を記載すること
確定申告する際「確定申告書B」に控除額を記載するのを忘れないように注意してください。
適切に記入しなければ、住民税の控除や所得税の還付を適切に受けられません。
ふるさと納税は寄付金控除に該当するため、ふるさと納税によって寄付した金額を寄付金控除欄に記入しましょう。
ふるさと納税は自治体に寄付した金額のうち2,000円を超過した金額が、住民税の控除や所得税の還付に充てられます。
そのため確定申告する際は、寄付金控除欄にふるさと納税をした合計金額をそのまま書くのではなく、「実際に寄付した合計金額ー2,000円」の金額を記入しましょう。
誤って寄付した合計金額を変更せずに記入される方もいるため、記入の際は注意しましょう。
フリーランスは「ワンストップ特例制度」が利用できないので注意が必要
ワンストップ特例制度とはふるさと納税がより簡単で身近なものになるように作られた制度であり、確定申告しなくても寄付金控除を受けられる制度です。
しかし、フリーランスの方はワンストップ特例制度を利用することができません。
ワンストップ特例制度を利用できるのは以下の3つの場合です。
- 確定申告が必要ない給与所得者
- 1年間で5つ以上の自治体に寄付していること
- 申し込むたびに自治体へ申込書を郵送している場合
ワンストップ特例制度をフリーランスの方が利用したい場合であっても、「確定申告が必要ない給与所得者」に該当しないため、ワンストップ特例制度はいかなる場合であっても利用できません。
ふるさと納税するフリーランスの方は確定申告して、必ず確定申告書Bの寄付金控除欄を記入しましょう。
フリーランスがふるさと納税を行う流れを紹介
フリーランスの方がふるさと納税をする流れについて紹介します。
大まかな流れについては以下の通りです。
①寄付先を探して選ぶ
②ふるさと納税を実施
③返礼品と寄付金受理証明書を受け取る
④翌年の3月15日までに確定申告する
⑤所得税から控除される
⑥翌年の住民税から控除される
以上の6つの流れについて紹介するので、ぜひご覧ください。
① 寄付先を探して選ぶ
まずふるさと納税をしたいお好みの寄付先を選択しましょう。
寄付先を選ぶポイントは以下の通りです。
- お世話になった地元
- 返礼品が豪華な自治体
- 希望通りの使用用途がある自治体
寄付する自治体の選び方は各人によって異なるため、ふるさと納税を行っている自治体について詳細に確認してみてはいかがでしょうか。
② ふるさと納税を実施
ふるさと納税を各自治体に申し込むことによって、申し込んだ自治体から寄付に関する書類が手元に届きます。
必要書類は数日で届くため、年末に申し込みしても確定申告には必ず間に合うため安心です。
寄付方法には指定銀行への振り込み、現金書留で送付する方法などありますが、近年ではクレジットカードでの支払いが可能な自治体も増加しています。
「ふるさとチョイス」や「ふるさとプラス」といったふるさと納税のポータルサイトを利用することによって、ふるさと納税が格段に楽になるためおすすめです。
③ 返礼品と寄付金受領証明書を受け取る
自治体への寄付を完了することで、返礼品と寄付金受理証明書を受け取ることが可能です。
返礼品と寄付金受理証明書を受け取るタイミングですが、大きく分けて以下の2通りに分かれます。
- 返礼品と寄付金受理証明書が同時に送られる
- 返礼品とは別で寄付金受理証明書が送られる
以上のように2パターンに分かれるのは、返礼品が季節ものの場合があるからです。
先に寄付金受理証明書が届き、返礼品が送られてこない場合でも焦らずに待ちましょう。
ただし、返礼品を希望しておらず地域貢献のために寄付を希望する場合は、「返礼品を希望しない」や「返礼品不要の寄付をする」のような選択欄があるため、そちらを選択しましょう。
④ 翌年の3月15日までに確定申告する
フリーランスの方は毎年確定申告されていますが、1月1日から12月31日の確定申告を翌年の3月15日までに忘れずにしましょう。
ふるさと納税の申告漏れが発生した場合は更生が必要です。
更生とは誤った情報で確定申告を訂正してもらうための手続きのことであり、更生する場合は税務署に問い合わせる必要があります。
更生について詳しくは以下から確認してみてはいかがでしょうか?
⑤ 所得税から控除される
確定申告を終えるとふるさと納税をした年の所得税の控除が認められ、申告のおおよそ2ヶ月後に控除された額が銀行口座に振り込まれます。
還付される金額については確定申告書の控えに記載されているため、控えは必ず保管しておきましょう。
もし確定申告後3ヶ月以上経過しても、銀行口座に振り込まれていない場合は確定申告書Bに不備があると考えられます。
口座に控除分の金額が振り込まれない場合は、一度確定申告に不備がなかったか確認しましょう。
⑥ 翌年の住民税から控除される
所得税と異なり、住民税は確定申告した年の6月から5月までにかかる住民税が控除されます。
所得税の場合は確定申告書の控えに還付される額が記載されていますが、控除される住民税については、住民税決定通知書を確認するまで分かりません。
住民税決定通知書は毎年5月から6月に届くため、住民税決定通知書が届いた際は必ず控除額について確認してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?フリーランスがふるさと納税をするメリットや控除限度額について理解していただけましたか?
この記事をまとめると以下の通りです。
- ふるさと納税で所得税の還付や住民税の控除が受けられる
- 寄付先から返礼品が送られる
- フリーランスの年収によって所得税と住民税の控除限度額が異なる
- 確定申告で寄付金控除欄への記入が必要
特にフリーランスの方は年収が毎年異なる場合が多いため、上限額について細心の注意を払う必要があります。
ふるさと納税をして、お気に入りの自治体やお世話になった自治体に地域貢献をしてみませんか?
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