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フリーランスになるために役所や税務署でやるべき手続きとは?


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そもそもフリーランスとは?

近年「働き方改革の推進」により副業やフリーランスといった働き方が定着しつつあります。
フリーランスは従来の働き方とは異なり、企業や組織に属さず仕事を請け負うことを指し、ライター、デザイナー、プログラマーなどフリーランスで活躍する職業は多く、定年退職した方のセカンドキャリアとしても注目されています。

実際に、フリーランスの人口は1,577万人といわれており、Lancersの「新・フリーランス実態調査2021-2022年版」によると2015年に比べフリーランスの人口が640万人増加していることがわかります。

フリーランスの定義

フリーランスの定義については、大きく分けると雇用関係を持たない独立系と企業や組織に雇用される副業系の2つに分かれます。

自分の持つスキルを活かし、仕事を行い報酬を受け取る形態で、会社員とは異なり決まった収入を得られるわけではありません。

フリーランスと個人事業主の違い

フリーランスと個人事業主は、簡潔にいうと開業届を提出しているか、提出していないかの違いです。

フリーランスは、働く場所も時間も決まっておらず、組織に属さない働き方のことを指す一方、個人事業主は開業届を提出し個人で事業を行っている人のことを指します。

つまり、税務上の区分があるかないかになり、フリーランスが開業届を提出すると個人事業主となります。

フリーランスになるために必要な手続き

①開業届を出す

開業届(個人営業の開業・廃業届出書)は、税務署に事業をはじめたことを知らせる書類です。

企業に属さないフリーランスは自身で確定申告を提出する必要があり、青色申告を行う場合、必要となる書類になります。

開業届の提出期限については、国税庁のサイトに事業を開始してから1ヶ月以内に提出するよう記載されていました。

提出する期限が過ぎた場合でも罰則はありませんが、青色申告を提出する際に開業届が必要となるので期限内に提出しておきましょう。

開業届を提出する際は、税務署に出向く、郵送、またはe-Taxにて提出が可能です。

直接税務署で提出する場合は以下のものを持参してください。

  • 開業届(提出用と控え用)
  • 個人番号がわかる書類(マイナンバーカード、個人番号通知カード、住民票写しなど)
  • 本人確認書類(運転免許書、パスポート、公的医療保険の被保険証など)

    ※マイナンバーカードがある場合は不要です

  • 印鑑

郵送で提出する場合は以下のものを同封し税務署宛に郵送してください。
その後、受付印が押された開業届が返送されます。

  • 開業届(提出用と控え用)
  • 個人番号がわかる書類のコピー(マイナンバーカード、個人番号通知カード、住民票写しなど)
  • 本人確認書類コピー(運転免許書、パスポート、公的医療保険の被保険証など)

    ※マイナンバーカードがある場合は不要です

  • 返信用封筒・切手

インターネットで提出する場合は以下を準備して作成してください。

  • マイナンバーカード
  • パソコン
  • e-Taxソフトをインストール
  • JPKI利用者ソフトのインストール
  • ICカードリーダー・ライター

②国民年金の手続き

国民年金は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満全員が加入する年金制度です。

国民年金に加入する際は以下の書類が必要です。役場窓口まで行き手続きを行なってください。

  • 退職を証明する書類(離職票、退職証明書、退職辞令書など)
  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど)
  • 年金手帳

③年金と国民健康保険の切り替え手続き

会社を退職した場合、厚生年金から国民年金に切り替える手続きが必要になります。

厚生年金は、会社員や公務員が加入する年金制度です。

そもそも日本の年金は2階建て構造となっており、1階部分は国民年金(基礎年金)、これに加え会社員や公務員は2階部分の厚生年金にも加入します。

この厚生年金は、会社側が半分負担しており、残りは本人が支払う仕組みです。

厚生年金は、退職すると会社側が脱退手続きを行なってくれるので、書類を受け取ります。

その後、退職証明書を持ち原則14日以内に役場にて手続きを済ませましょう。

手続きが済むと国民年金保険料納付書が届くので支払いを行います。

それに加えもう1つ国民健康保険の切り替え手続きも必要です。

国民年金の切り替えと同時に手続きを済ませてしまいましょう。

会社員の場合、健康保険料は会社が半分負担してくれており扶養制度・出産手当・傷病手当が適用されていましたが、フリーランスが加入できる国民健康保険にはこれらの手当が適用されません。

フリーランスが加入できる保険は以下の3つになります。

  • 国民保険
  • 会社の健康保険を任意継続
  • 国民健康保険組合

まずは会社の健康保険を任意継続する場合、これまで会社で加入していた保険に2年間継続して加入することが可能です。

その場合は、退職後20日以内に手続きを済ませる必要があります。

扶養家族がいる方にメリットが大きく、国民健康保険と異なり扶養家族の保険料を収める必要がありません。

継続して加入するためには以下の2つを確認しましょう。

  • 退職前日までに健康保険の被保険者期間が2ヵ月以上ある
  • 退職後20日以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出

国民健康保険には、地域によって加入する「国民健康保険」と職業によって加入する「国民健康保険組合」の2種類あります。

国民健康保険の場合は、住む場所により保険料が異なり、保険に加入する場合は退職日の翌日から14日以内に手続きが必要です。
下記の3つを持ちお近くの役場で手続きを行なってください。

  • 離職票
  • 身分証明書
  • 印鑑

国民健康保険組合は所得が一定を超えている場合、国民健康保険に比べて保険料を抑えることが可能です。

特定の条件を満たした人のみが加入できる保険なので職業によって条件が異なります。

フリーランスの場合、「文芸美術国民健康保険組合」に該当することが多いので、一度確認してみてください。

④青色申告承認申請書を提出

個人事業主として開業届を出すと1年間の所得をまとめ税金を計算し、報告するために青色申告・白色申告のどちらかの確定申告を提出する必要があります。

青色申告をするためには、青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があり、原則として開業から2ヶ月以内に済ませなければいけません。

青色申告は、日々の取引を帳簿に記帳し確定申告することで税金面でメリットが得られる申告方法です。

白色申告と比較すると提出する書類の数が多く、帳簿が複雑で申請するのに手間はかかりますが青色申告はメリットの多い申告方法なので申請書を提出して損はありません。
メリットは以下のようになります。

  • 最大65万円の控除
  • 家族の給与を経費にできる
  • 赤字を繰り越す、繰戻す
  • 貸倒れによる損失の一部を経費にできる

申請書は、税務署で受け取る他、国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。

開業届と一緒に申請を済ませておきましょう。

フリーランスが準備しておきたい「お金」に関する手続き

フリーランスになると何かとお金に関して気になることが多いのではないでしょうか。
フリーランスになる前に済ませておいた方がいいことや気をつけるべきことなどお金に関する問題について紹介していきます。

①事業用通帳をつくる

まずは、事業用の通帳をつくるのがおすすめです。

確定申告の際に事業で使用した経費や収入などを記載する必要があります。

プライベートの通帳で管理していると税務署調査や確定申告を作成する際に大変なので事業用の通帳はつくっておきましょう。

事業用の通帳はメガバンクやネット銀行で開設可能です。

開設には以下の書類が必要になります。

  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許書、パスポートなど)
  • 開業届
  • 印鑑
  • 屋号確認資料

②クレジットカード・ローンを申し込む

フリーランスは企業と比べると廃業リスクが高く、クレジットカードやローンの審査に通るのが難しくなります。
理由として収入が安定しない、節税のため年収が低い、リスクが高いなどが挙げられます。
そのためクレジットカードやローンを申し込む際は、できるだけ会社員のうちに申請しておくのがおすすめです。
しかし、フリーランスだからといってクレジットカードやローンの申し込みができないわけではありません。

フリーランスになってからクレジットカードをつくる場合は以下の項目が重要になります。

  • 報酬
  • 確定申告など公的な書類
  • 実績年数
  • 同居家族の有無

ローンについては、金額によって審査の難易度が高いです。

特に、住宅・自動車ローンは厳しいといわれています。

住宅ローンの場合、新生銀行では以下の条件を提示していました。

  • 業歴2年以上
  • 直近2年間平均300万円以上の所得(経費控除後)

フリーランスには、審査を通過するのが難しい条件となっています。

そのためローンの審査が通らない場合は、メガバンクから地方銀行や信用金庫に変えるのも1つの手段です。

審査を通りやすくするためには、普段から税金や保険料の遅延・滞納をしないよう気をつけておきましょう。

③売上計画を立てる

フリーランスになると自身で事業計画を行い、売上・収益など経営者として様々なことを考えなくてはいけません。

フリーランスは、単発の仕事が多いので、リピートしてくれるクライアントさんを確保するのも重要となり、安定的な収入へとつながります。

そのためには、満足してもらえるサービス、高い技術力と周りとの差別化も必須です。

売上計画は、月にこれくらいの仕事を引き受け、経費と固定費がこのくらい必要で、これくらいの収益を確保する必要があるというところまで考えなくてはいけません。

まずは、業務内容を具体的に出していき、仕事に対しての対価を決めていきましょう。

数字を明確にすることで現実的な目標を立てることができます。
無理のない範囲で売上計画を立て実践していきましょう。

④会計ソフトを用意する

簿記の知識がある方は会計ソフトは必要ありませんが、個人で行う場合は会計ソフトを入れておくのがおすすめです。

会計ソフトは、確定申告を提出する際にとても便利なので事前にインストールしておきましょう。

⑤複式帳簿をつける

青色申告の場合、「複式帳簿」で提出する必要があります。

複式帳簿は、資産、負債、純資産、収益、費用と勘定科目があり、勘定科目により「借方」「貸方」に分ける方法です。

「複式帳簿」は、借方と貸方の金額が常に同じになるのでミスにもすぐ気づけますが、少し複雑なので簿記の知識がある人でないと作成するのは難しくなります。

そこであらかじめ青色申告専用の会計ソフトをパソコンに入れておきましょう。

会計ソフトを利用すれば、簡単に帳簿に記入できます。

⑥資金繰り・資金調達をする

事業を始めたけど資金繰りが苦しい、この先、事業拡大に伴い資金を調達したいなど、事業を行なっていると資金調達が必要になるケースが多々あります。

万が一に備えて、資金調達の方法を確認しておきましょう。

個人事業主が利用できる資金調達方法は以下の4つになります。

  • ファクタリング
  • 融資
  • カードローン
  • 消費者金融

この中でも資金調達が1番しやすいのはファクタリングです。

未払いの売掛債権をファンタリング販売者に売り、売掛金を現金化できる仕組みになります。

売掛金がない場合利用できませんが、融資とは違い金利が発生しません。

オンラインで完結するため手軽に資金調達が可能です。

次に融資については2つ方法があります。

まずは、日本政策金融公庫です。

日本政策金融公庫は、個人事業主や中小企業を対象に政府が100%出資している融資になります。

金利も低く、返済期間も長いため無理なく返済が可能です。

しかし、提出する書類の数は多く、融資を受けるまでに時間がかかるためすぐに資金が必要な方には不向きかもしれません。

2つ目は、信用保証協会保証付き融資になります。

信用保証協会の融資は、信用保証協会が保証人となることで個人事業主が銀行から融資を受けるという仕組みです。

そのために信用保証協会は、銀行と同じように融資について審査を行い、個人事業主はその審査に通過すると融資を受けることができます。

3つ目のクレジットカードを利用したローンについては、クレジットカードの決済を後払いに変更して資金繰りする方法とカードローンを組む方法があります。

後払いは利用範囲が狭く使用できる場所が限られており、カードローンは担保や保証人が必要なく限度額内であれば借入可能です。

しかし、金利は高く事業資金に対応しているサービスが少ないため条件を満たすのが難しくなっています。

最後は、消費者金融です。

最短即日で借入ができる消費金融ですが、金利が高く貸銀行法上の総量規制ルールより借入できるのが年収の3分の1と制限されています。

資金調達する際は無理のない範囲で行いましょう。

働く上で必要な備品をそろえる

フリーランスとして活躍する際に必要な備品は以下の4点になります。

  • 名刺
  • 印鑑
  • 契約や書類整理のための備品
  • 通信環境整備

フリーランスにおける仕事の探し方

「働き方改革」の推進と共に、会社に出社せず、在宅ワークなどの新しい働き方が増え、それに伴い仕事の探し方も年々変わりつつあります。

会社員の場合、営業部や経理など部署により仕事の範囲が変わりますが、フリーランスの場合、営業から納品まですべて1人で行わなければいけません。
これまで経験してきたことや作り上げてきた人脈を使い、最大限にスキルをアピールする必要があります。

会社員時代の人脈を使う

フリーランスになってからはとにかく実績作りが重要となります。
まずは、身近な友人や知人に仕事を紹介してもらうのが1番です。
また会社員時代の人脈を使い、担当してきた業務を委託してもらう方法もあります。
この場合、ゼロから仕事を探す必要がないためフリーランスになってからすぐに仕事がはじめられます。

SNSなどで営業活動をして新規案件を開拓する

これまで日本ではSNSを利用した営業はリスクが高く、ソーシャル営業は行われてきませんでした。

しかし、SNSの時代といわれている昨今、TwitterやInstagramにて業務委託や求人募集をしている企業は増えており、SNSより仕事を受注している方も多くいます。

SNSをうまく活用できれば、新規の案件も獲得可能です。

SNSでは、自分の持っているスキルや実績をPRしてスカウトしてもらう方法とハッシュタグにて「ライター募集」「デザイナー募集」と検索しコメントやDMにて営業をかける方法があります。

クラウドソーシングや求人サイトを利用

Webサイトから仕事を受注する際は、「クラウドソーシング型」と「エージェント型」の2種類があります。

クラウドソーシング型では、クラウドワークスやランサーズ、ココナラが有名です。
おもにWebライティング・Webデザイン・動画編集・イラスト制作などの仕事が募集されており、依頼から打ち合わせ、納品まですべてインターネット上で完了することができます。
中でもユーザー数の多いクラウドワークスは初心者でも案件を獲得しやすくなっています。
逆にランサーズは、フリーランスをはじめたての方には少しハードルが高く、公開できる実績がない場合、案件は受注しにくいです。

基本的に、クラウドワークスもランサーズも応募したい案件に自ら応募する方法と個人や企業からスカウトを受け、仕事を受注する方法になり「プロジェクト方式」「コンペ方式」「タスク方式」と職種により契約形態が変わります。
またココナラでは、クラウドワークスやランサーズと異なり、自分自身のスキルを活かしてサービスを販売する形になります。
いずれにせよ案件を獲得するためには自分自身で営業をしなければいけません。

一方、エージェント型の求人サイトでは、実績やスキルを登録するとエージェントの担当者が間に入り案件を紹介してくれます。

サポートが手厚く、面接の段取りから契約の手続きまで、何かトラブルが起こればすぐに対応をしてくれるので安心です。
おもにエンジニアやデザイナーの案件を取り扱っており、クラウドソーシング型に比べると職種の幅が狭くなります。
有名なサイトでいうとITプロパートナーズ、レバテック、テクフリの3つです。
ITプロパートナーズは週2日からと、副業でもエンジニアの仕事がはじめられます。
まずは希望条件や経験など面談を行いその後、専属のエージェントが案件を紹介してくれるので企業の方と面談を行い契約が決まる形です。
レバテックは、IT・Web系のエンジニアを中心とするレバテックフリーランスとWebデザインやゲームプランナー、イラストレーターなどを中心にエージェントを行っているレバテッククリエイターの2つに分かれています。

契約だけでなく単価やスケジュール調整まで交渉してくれるのが特徴です。
テクフリは、エンジニアをエージェントしており、マージンが低く設定されているため起業を考えている方や副業の方も安心してはじめることができます。
また2名体制のサポートで、通らなかった案件もしっかりとフィードバックしてくれるので、理由がわからず不採用になることはありません。

さらに保険や退職金、有給休暇制度も充実しているため安心して働くことができます。

しかし、エージェント型は実績がない場合、案件を紹介してもらえないこともあります。

まだ実績が作れてない方はクラウドソーシング型、高度なスキルを持ち実績をいくつか公開できるという方は、エージェント型の求人サイトに登録するのがおすすめです。

まとめ

フリーランスの定義からフリーランスになるための手続きまで紹介しました。
フリーランスという働き方は、簡単に選択できることではありませんが、フリーランスにはフリーランスの良さがあり、自分のスキルを最大限に活かした仕事ができます。
しかし、会社員を辞めていきなり独立しゼロから仕事をはじめるのは不安になりますよね。
そんな方は、副業としてフリーランスをはじめてみるのはいかがでしょうか。
フリーランスの方の中には副業でやられている方も大勢います。
それに加え、フリーランスで活躍している方の中には、開業届を出さずにいる方も多いと思いますが、開業届を提出することで、社会的信用や税金面、資金調達などたくさんのメリットが得られます。
この機会に開業届を出しフリーランスから個人事業主になることを検討してみるのはいかがでしょうか。

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