Webエンジニアが開発言語を選定する基準とは?カテゴリ別に具体的なプログラミング言語を紹介
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目次
Webエンジニアが学習するプログラミング言語を選ぶ際の基準とは
「どの言語が自分にあっているか分からない」、「途中で挫折して後悔したくない」などの悩みを抱えている人は少なくありません。そこで今回は言語選定の基準と各言語の特徴について紹介します。この記事を読めば、いま必要とされている言語やスキルがわかるので、言語選定の参考にしてください。
自分の興味がある言語の種別で選ぶ
まずは何を作りたいかを明確にして、そのために用いる言語の種別をチェックしてみましょう。バックエンド言語・フロントエンド言語・モバイル系言語の3種類の詳細を解説するので、興味のある言語を見つけてみてください。
バックエンド言語
裏方の仕事が好きな人はバックエンド言語がおすすめです。サーバーやデータベースなど、Webサイトを利用するユーザーから見えない部分に関する業務を行います。フロントエンジニアと比較して、人とコミュニケーションをとる頻度が少ないので1人で黙々と作業したい人にぴったりです。トラブルに対応する場面もあるので、責任感の強さも必要になります。主なバックエンド言語はJava・PHP・Ruby・Go・JavaScriptなどです。
フロントエンド言語
ユーザーのことを考えて、人のためになるサービスを作りたいという人にはフロントエンド言語が向いています。デザイン制作・システム開発・UI/UX設計などの業務がメインで、ユーザーが直接触れる箇所を作っていくのが特徴です。基本となる言語はHTMLとCSSで、Webサイトのデザインを決めていきます。JavaScriptでは動きのあるWebデザインを作成できるので、これら3つの言語を習得する人が多い印象です。
モバイル系言語
作りたいものをスマホアプリで表現したい人は、迷わずモバイル系言語を習得しましょう。iOSならobjective-cやswift、Androidならjava・Kotlin・C#を使った開発が一般的です。iOSは利用者が多く高需要ですが、リリースの審査が厳しい・料金が高いなどのデメリットが懸念点となります。Androidは審査が通りやすく低額でアプリを公開できますが、日本ではシェアが低めなのが難点です。特色を理解してどの言語を学ぶか決めていきましょう。
業界の将来性で考える
将来に期待が持てる業界から探してみるのも1つの手段です。せっかく覚えた言語を無駄にしないためにも、この先の需要が伸びる業界について理解を深めていきましょう。
IoT技術が今後ますます求められる自動車業界・家電業界など
自動運転・AI搭載ナビ・遠隔操作など、自動車ライフを豊かにするサービスはさらに拡大する見込みです。また、IoT住宅のように家のほとんどの家電がネットに繋がる未来も遠くありません。この先、通信負担・セキュリティ・開発費用などの問題が解決されれば、開発事業が加速してIoTエンジニア不足となるはずです。今のうちにIoTに必要なプログラミング言語である、C言語・Javaなどを習得しておくとよいでしょう。
ビッグデータ・機械学習の領域
インターネットの普及でさまざまなデータが日々増大・蓄積しています。これらの情報を有効利用して新規事業に取り組んだり、人材不足を補ったりする企業が増えているのは確かです。ビッグデータが将来の経営戦略となるのは十分ありえます。そこでビッグデータの解析に適したPythonや、機械学習に有利なR言語を取得することで需要に応えることが可能です。
開発言語の今後の需要から考える
TIOBEインデックスによると、2023年2月の人気プログラミング言語は1位「Python」2位「C」3位「C++」となっています。中でもC++の人気度は前月比5.93%増で、いま注目されている言語の1つです。Pythonの人気は2017年末ごろ現在にかけて上昇が続いています。Pythonはコードがシンプルで覚えやすく、それでいて汎用性も高いので初心者に人気です。
汎用性がある言語なのか。習得した先のメリットを確認する
C言語
1972年から使われているCは歴史ある言語で、Java・PHP・Pythonなど多くの言語の元となっているため、C言語を覚えれば他の言語習得もスムーズになります。業務系のシステム開発・IoTデバイスの組み込みシステム開発・OS開発などが可能で、汎用性の高い言語の1つです。高需要で仕事獲得もしやすく、組み込みシステム開発を専門にするならハードウェアの知識も身につきます。
Python
Webサービスやアプリの開発でPythonを利用する企業が増加しているため、多くの企業からの需要があります。ほかにはゲーム・人工知能・データ分析・組み込みシステム開発などできることは豊富です。YouTubeやInstagramなどの有名WebサービスもPythonで作られており、功績のあるプログラミング言語としても認められています。
Java
実行環境の自由度が高く幅広い分野で利用されており、多くの企業のシステム開発でも使われているため、求人数が多いのが大きなメリットです。速度がはやい・日本語の情報が充実している・オブジェクト指向など、C言語やPythonにはない利点も選ぶ際のポイントとなります。
キャリアパスで考える
「スペシャリスト」 or「ジェネラリスト」どちらを目指したいのかによって身につけるべきスキルが異なります。管理職に就きたいならジェネラリストになるための学習が必要です。例えばジョブローテーションのあるIT企業に勤めて、業務全体を多様な視点で見れるようになりましょう。ジョブ型雇用の会社に就職する・フリーランスとして活躍する、といった希望があるならスペシャリストを目指すべきです。突出した専門性はもちろん、そのスキルを証明するためにIT系国家資格の取得などが必要と言えます。
トレンドからみるWebエンジニアの需要が高いプログラミング言語
仕事を増やすためには、トレンドの言語から学ぶことも大切なポイントです。このセクションでは、世界で注目されているプログラミング言語トレンドを5つ紹介します。
1位:市場シェアトップのPython
今もっとも注目度の高い言語がPythonです。その背景には、作れるものが多い・ライブラリが豊富・未経験でもはじめやすいなど色々な要素があります。なかでもAI開発の需要が高まったことが、人気上昇の大きな理由だと言えるでしょう。GoogleやAmazonなど有名企業のWebアプリにもPythonが使われていることから、信頼性が高く今後も上位シェアであることが予想できます。
2位:C言語は幅広い需要がある
C言語は、家電の組み込みソフト開発・パッケージソフト開発・ゲーム開発・ロボット開発など、 広範囲にわたる活用が期待できます。2023年2月の人気度は1位のPythonと0.1%しか変わらず、世界中で多くのプログラマーが使用している言語です。今後IoT技術が発展すれば、さらに需要は高まると言えます。
3位:高度な処理も可能なC++
人気急上昇中なのがC++です。C言語の機能をさらに高度に拡張させた言語で、処理能力の高さからゲーム開発や大規模なシステム開発に向いています。C言語でできることはC++でもできますが、大きな違いはオブジェクト指向に対応した点です。これにより、開発作業の効率化を図れるようになりました。
4位:導入実績の高いJava
Twitter・EVERNOTE・Minecraftなど、世界的に有名なサービスやゲームはJavaで作られました。国内では楽天市場やSUUMOといったサービスが有名で、Javaの導入実績の高さがわかります。Webアプリやゲームだけでなく、Androidアプリ開発やAI開発にも用いられるのでこれからもニーズは高い傾向にあるでしょう。
5位:汎用性が高く大規模な開発にも使われるC#
5位のC#は、1〜4位の言語と比較して人気度は半減以上と大きく下がりました。しかし200種類以上あるプログラミング言語の中で5位の人気度を誇るC#は、その汎用性の高さから選ばれています。例えばWebアプリ開発では、サーバー側もクライアント側もC#で生成できるだけでなく、スマホアプリ開発ではiOSもAndroidも対応可能です。
参照:TIOBE Index
案件数別に見るWebエンジニアの需要が高い開発言語
エンジニアスタイルの統計データを元に、各開発言語の案件数を確認していきましょう。※2023年2月の情報になります。
Java(38,226件) 情報通信からの高単価案件が多数なJava
Javaは高単価案件が多く、月額単価100万円以上の案件が150件以上あり、最高単価200万円という高単価案件も確認できました。案件数だけを見ても、ほかの言語と比較して非常に多く需要の高さが伺えます。世界の人気ランキングでは4位でしたが、国内の求人数はトップクラスです。
JavaScript(30,638件) 自社サービスに携われるJavaScript位
Web系プログラミング言語のJavaScriptは、クライアントサイドの制作に携わるため、有名サービスの開発や保守を経験できるチャンスがあります。案件数もJavaに次いで豊富ですが、PHPやRubyなど他の言語ができることが条件の案件も多いので注意が必要です。
PHP(21,920件) ゲーム業界の高単価案件も多数PHP
PHPではPCゲームやスマホゲームの開発・保守に携われる案件が多数存在します。ゲーム開発の案件は、月額単価80万円以上が多く高収入を目指すことが可能です。その他にはWebアプリ制作の募集も豊富なので、覚えておいて損はない言語と言えます。
Python(10,967件) サービスやシステム開発など技術志向の会社から求められるPython
人気ランキングでは1位を獲得したPythonですが、国内の案件数はJavaやJavaScriptほど多くはありません。とはいえこれから伸びると予想されている言語なので、今後案件の数は増えていくでしょう。さまざまなことができるPythonですが、現時点ではWebサービス業界の案件が多い印象です。
Ruby(9,729件) トレンドの「リファクタリング」に触れられるRuby
トレンド案件のリファクタリングに携わりたいならRubyがおすすめです。ゲーム業界・小売業界・Webサービス業界で多くの需要があります。また技術志向の会社からのオファーが多いので、Rubyのスペシャリストになれば案件さがしに困ることはないでしょう。
Go言語(6,867件) トレンドに携われる案件が多数Go言語
ディープラーニング・SPA・ブロックチェーン・EC・Devopsなど、トレンド案件が豊富なのがGo言語の特徴です。2009年に誕生した比較的歴史の浅い言語ですが、小規模開発から大規模開発までGo言語のみで対応できるといった利便性の高さから近年注目されています。
Swift(5,584件) スマホ・iOSの開発ならSwift
Apple社が発表したSwiftはiOSアプリ開発に適しており、一般公開されたのは2014年と新しいプログラミング言語です。そのため、ほとんどの求人がスマホアプリに関するものになります。iOSアプリが好きな人は学んでおくべき言語の1つです。
開発言語別にみるWebエンジニアの平均年収は?
次に、各開発言語の平均年収を確認していきましょう。
※2023年2月の情報になります。
Java
Javaの月額平均単価は65万円で、平均年収は780万円となります。単価50万円台から70万円台の案件が多く、継続案件を獲得できれば収入を安定させることが可能です。
PHP
PHPの月額平均単価は65万円で、平均年収は780万円となります。最高単価は500万円と非常に高額でした。高額案件を獲得できれば、がっつり働く月・しっかり休む月を交互に切り替えるなど、柔軟な働き方が実現できます。
Python
Pythonの月額平均単価は69万円で、平均年収は828万円となります。単価のバラつきがあまりなく、単価50万円台から80万円台の案件が多い印象です。
C++
C++の月額平均単価は64万円で、平均年収は768万円となります。単価90万円以上の案件は247件とあまり多くなく、公開されている案件のほとんどが単価50万円台から70万円台でした。
Ruby
Rubyの月額平均単価は70万円で、平均年収は840万円となります。 単価70万円台から80万円台の案件が2,866件と最も多いため、それに伴い月額平均単価も高めとなりました。
Swift
Swiftの月額平均単価は70万円で、平均年収は840万円となります。Rubyと同じく平均単価は高めですが、総案件数がRubyの半分ほどなので、気になる仕事があれば早めに応募しましょう。
Objective-C
Objective-Cの月額平均単価は69万円で、平均年収は828万円となります。かつてiOSアプリ開発にはObjective-Cが主流でしたが、現在はSwiftに移行しているため総案件数は3,000件未満と少なく減少傾向です。
Javascript
JavaScriptの月額平均単価は65万円で、平均年収は780万円となります。案件の多さも単価の高さも両方期待できる言語です。月額80万円以上の高単価案件も少なくないので、十分な高収入を得られます。
JavaScriptのフリーランス求人・案件(全40,593 件)
Typescript
Typescriptの月額平均単価は75万円で、平均年収は900万円となります。これまで紹介した言語の中でも、平均単価が最も高いことがわかりました。単価100万円以上の案件が1,672件以上もあるので、高収入を狙いやすいと言えます。
開発言語だけでなく、需要が高いWebエンジニアに必要なスキルとは
IT企業が増えている中、同じようにエンジニアの数も増えています。活躍し続けるためには、開発言語習得だけではなく、ほかのエンジニアにはないスキルを身につけるのがベターです。ここでは、需要が高いWebエンジニアになるために必要なスキルを、技術領域・ヒューマンスキル領域の2つに分けて紹介します。
技術領域
フレームワーク・上流工程・クラウドといった、プログラミング言語以外の技術を持つことで仕事を増やすことが可能です。それぞれの詳細を解説するので参考にしてください。
アプリケーションの土台となる各種フレームワークの習得
フレームワークを使いこなせると、ミスを最小限に減らしながらスピード感のある仕事が実現できます。それだけでなく、大規模で複雑なアプリケーション開発を行う際はフレームワークの活用は必須とも言えるので、覚えておくと転職の時に有利です。例として代表的なフレームワークを3つ紹介します。
Laravel
LaravelはPHPのフレームワークで、コードが分かりやすく日本語の情報も豊富なので2011年から今日まで長く使われています。Laravelを活用することでプログラムを早くミスなく作ることが可能です。
Ruby on Rails
Ruby on RailsはRubyのフレームワークで、RailsもしくはRoRと呼ばれています。初心者でも比較的簡単にコードが書けるのが特徴です。SNSのTwitterもRailsで作られているのは有名で、ほかにも多くの企業がRailsを利用しています。
Django
DjangoはPythonのフレームワークで、豊富な機能が使えてさまざまなWebアプリケーション開発に好適です。大規模なSNSやWebメディアなどがDjango1つで作れるので、Webアプリ開発で多く使われています。
PMなどの上流工程の経験とスキルの重要性
上流工程の経験があれば、獲得できる案件の幅が一気に広がります。下流工程で経験を積んだのち上流工程の仕事を受ける・上流工程に関係する資格を取るなどしてスキルアップするのが一般的です。関係性のある資格として、次の3つの資格が挙げられます。PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)・システムアーキテクト試験・データベーススペシャリスト試験の3つです。どれも上流工程を行ううえで取得して損はない資格なので、ぜひチェックしてみてください。
増加するAWSなどのクラウドの知識
近年クラウドサーバーを利用する企業が増えているため、AWS・Azure・GCPといったクラウドサーバーの知識を持つことも重要です。総務省が行った2,396社を対象とした通信利用動向調査によると、2017年から2021年にかけてクラウドサーバーの利用率は13.5%も上昇していることが分かりました。これからインフラエンジニアを目指そうとしている人は、クラウド時代に向けてクラウドサーバーの学習も視野に入れてみてください。
あらゆるフェーズを担当できるフルスタックエンジニアの素養
サーバーサイド・インフラ・セキュリティといったバックエンドから、WebデザインやSEOなどフロントエンドまでの工程をすべて1人でこなせるフルスタックエンジニアは高需要と言えます。このようなエンジニアを目指すには、小規模なベンチャー企業に就職するのがおすすめです。少ないエンジニアで業務を進める必要があるため、上流工程から下流工程までを担当できるチャンスがあります。フルスタックエンジニアと聞くと難しく感じるかもしれませんが、少しずつ対応できる分野を広げて、小さなプロジェクトからスタートしてみましょう。
ヒューマンスキル領域
読みやすいコードを書くことだけでなく、人間力もエンジニアには求められています。相手に好印象を与えて、チームとうまく仕事をするためにも、コミュニケーション能力やマネジメント能力が必要です。ここでは、3つのヒューマンスキルを紹介します。
ビジネスコミュニケーション能力
上流工程を行ったりフリーランスで稼働したりする場合は、コミュニケーションコストも考えて行動しましょう。無駄のない商談でスムーズな取引をすることで、利益を産まない時間を減らすことができます。またコミュニケーションを充実させることで、信頼関係構築につながり今後の営業にも好影響です。
マネジメント能力
経営者や管理職を目指すならコミュニケーションスキルはもちろん、問題解決能力・チームをまとめるスキル・スケジュール管理などに対応する必要があります。プロジェクトを成功に導くには欠かせないスキルです。
若手エンジニアの育成・組織開発
人材不足のIT業界では優秀な人を募集するのは簡単ではありません。そこで重要なのが今一緒に働いている社員の育成です。事業の目的達成に必要なスキルを若手エンジニアが持っているか確認し、スキル不足を感じた場合は育成に時間をかけて組織全体を成長させましょう。
まとめ
まずは作りたいものを決めて、将来性・稼ぎやすさ・覚えやすさ・需要・シェア率などを考慮したうえで、覚えるべきプログラミング言語を選定しましょう。興味がないと継続が難しくなるので、単価や案件数は参考程度にして好きな言語を見つけるのが重要です。今回紹介したほとんどの言語は将来性があるので、心配せず覚えたい言語を習得してください。
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