【2023年最新】フリーランスは青色申告をしよう!いくらまで経費にできるのか?
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目次
フリーランスの確定申告は青色申告を選択すること
確定申告は、1年間の所得から所得税額を確定するための手続きで、「青色申告」と「白色申告」の2種類の申告方法があります。
所得が給与のみの会社員であれば、年末調整で処理されるため、基本的に確定申告は不要ですが、フリーランスは個人で申告する必要があり、申告方法や書類の書き方など、確定申告の知識をもっておかなければなりません。
申告方法は任意で選択できますが、フリーランスは、税制上の優遇が受けられる青色申告がオススメです。
この記事では、青色申告のために必要な事前準備、注意事項などを解説します。
青色申告と白色申告の違いって?
青色申告の手続きを解説する前に、まず、青色申告と白色申告の違いを簡単に説明します。
青色申告と白色申告とは、事前申請の要否、帳簿の記載方法、申告に必要な書類など、様々な違いがありますが、特に大きな違いは、税制上の優遇措置の有無です。
青色申告は、複式簿記で記帳した帳簿が必要となる申告方法です。
提出する書類も多く、手続きは煩雑ですが、所得に応じて最大65万円の特別控除を受けることができます。
これに対して、白色申告は複式簿記での帳簿も不要で、手続きは簡単ですが、税制上の優遇措置はありません。
フリーランスが青色申告するための事前手続きを紹介
さて、この記事の冒頭で「確定申告の方法は任意で選択できる」と説明しましたが、青色申告をするためには、事前に2種類の申請書を税務署に提出する必要があります。
事前申請しなければ、自動的に白色申告となり、節税メリットが受けられませんので、申請漏れがないようにしてください。
それでは、事前申請が必要な2種類の申請書、「青色申告承認申請書」と「開業届」について、次に解説していきます。
青色申告承認申請書の提出
「青色申告承認申請書」は、正式名称を「所得税の青色申告承認申請書」といいます。
申請書は、税務署で直接受け取るか、国税庁の「所得税の青色申告承認申請手続」からダウンロードして入手してください。
この申請書は、青色申告しようとする年の3月15日までに、所轄の税務署に持参または郵送で提出する必要があります。
青色申告承認申請書の主な記入項目は以下の通りです。
住所・氏名・生年月日など申請者の基本情報と、事業所や資産の名称・所在地、所得の種類など、必要事項を記入します。
(1)事業所又は所得の基因となる資産の名称及びその所在地
事業所や資産の名称(「本店」「〇〇支店」「〇〇事業所」「山林」など)と、その所在地や電話番号を記入します。
事業所や資産が複数あれば、すべてを記入する必要がありますので、申請書の記入欄で不足する場合は、別の用紙に記載して申請書に添付します。
(2)いままでに青色申告承認の取消しを受けたこと又は取りやめをしたことの有無
過去に青色申告承認の取消しを受けたり、取りやめたりしたことの有無を記入します。
「有」の場合は、通知を受けた日または届出をした年月日を記入してください。
なお、取消しまたは取りやめた日から1年以内は、申請が却下されることがあります。
(3)本年1月16 日以後新たに業務を開始した場合、その開始した年月日
青色申告をしようとする年の1月16 日以後に開業、または相続により事業を承継した場合に、開業等の年月日を記入します。
(4)相続による事業承継の有無
相続による事業承継の有無を記入します。
相続「有」の場合は、相続を開始した年月日と被相続人の氏名を記入してください。
開業届を提出する
「開業届」は、正式名称を「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。
開業届は、所轄の税務署、または国税庁の「[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続」からダウンロードして入手できます。
個人事業を開始または廃止したとき、事務所を新設・移転・廃止したときに、その事実を申告するための書類です。
新規事業を開始した場合には、開業日から1か月以内に、所轄の税務署に持参するか郵送で提出することが推奨されています。
開業届の主な記入項目は以下の通りです。
住所・氏名・生年月日・マイナンバーなど申請者の基本情報と、所得の種類、事業概要など、必要事項を記入します。
(1)届出の区分
新規に事業を始める場合は「開業」を選択し、住所・氏名を記入します。
(2)所得の種類
新規に開始した事業に係る所得の種類を記入します。
不動産所得・山林所得・事業所得から、該当する所得を選択してください。
(3)事業の概要
新規に開始する事業の内容を記入します。
「Webサイト運営」や「記事の企画・執筆」など、具体的に記入してください。
(4)給与等の支払の状況
届出時点での給与支給人数と税額の有無を記入します。
青色申告事業の専従者がいる場合は「専従者」に、それ以外に従業員がいる場合は「使用人」に、それぞれ該当する人数を記入してください。
また「税額の有無」欄は、給与から源泉徴収する必要があるかどうかを選択します。
フリーランスが納税する必要がある5つの税金
税金に関する基本的な知識をもっておかないと、納税通知が届いて初めて、予期せぬ支払額に慌てることにもなりかねません。
ここでは、フリーランスが納税する必要のある5つの税金について解説します。
税金の仕組みや算出方法は複雑ですので、税理士など専門家への相談が必要となる場合もあると思いますが、どのような税金を納める必要があるのかは、把握しておきましょう。
所得税
所得税は、収入から経費と各種控除を差し引いた「課税所得金額」に対して支払う税金で、税額は、課税所得金額に税率を掛けて算出されます。
また、フリーランスが受け取る報酬から差し引かれる源泉徴収も、所得税に含まれます。
課税所得に対する税率、控除額は下表の通りです。
課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超695万円以下 | 20% | 42万7,500円 |
695万円超900万円以下 | 23% | 63万6,000円 |
900万円超1,800万円以下 | 33% | 153万6,000円 |
1,800万円超4,000万円以下 | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円超 | 45% | 479万6,000円 |
住民税
住民税は、個人が居住する都道府県と市町村区に支払う税金で、非課税対象者を除く16歳以上の全員が納税者です。
「所得割」と「均等割」の2つの計算方法で税額が決定し、それぞれ以下の通り算出します。
(1)所得割
1年間の所得に応じて、次の計算式にあてはめて計算します。
所得割=(所得-所得控除額)× 所得割税率(10%)- 税額控除額
(2)均等割
1年間の所得に関わらず、一定額で課税されます。
均等割=市区町村民税(3,000円)+都道府県民税(1,000円)=4,000円
一般的には上記の一定額ですが、自治体によっては異なる場合があります。
個人事業税
個人事業税は、個人事業をしていることに対して都道府県に支払う税金です。
所得が290万円を超えると、超えた部分に対して課税され、業種によって3~5%の税金がかかります。
ただし、フリーライターの執筆活動など、事業内容によっては個人事業税がかからない場合もあります。
消費税
消費税は、原則として全ての財貨の販売・サービスの提供による売上に対して課税される税金です。
事業者が納税義務者となるため、原則として課税売上が1,000万円を超えると納税義務が生じます。
ただし、課税売上高が1,000万円未満、または開業してから2年間は、消費税の納税義務が免除されます。
固定資産税
固定資産税は、土地、家屋および償却資産の所有者に対して、その資産額をもとに課税する税金です。
フリーランスの場合、自宅を事務所としている場合も多いと思いますが、その自宅が自身の所有物件であれば、固定資産として課税されることとなります。
フリーランスが青色申告する際に知っておきたい注意点
失業保険がもらえなくなってしまう
失業保険を現在受け取っている方、または受け取りを予定している方は、開業届を提出するタイミングに注意しましょう。
失業保険は、「就職したいという積極的な意思と、いつでも就職できる能力があり積極的に求職活動を行っているにもかかわらず、就職できない状態」の方を支援するために給付されるものです。
したがって、開業届の提出により個人事業者と認定されると、失業保険の受給対象から外れます。
失業保険の受給期間中に開業届を提出した場合には、未受給分の失業保険も受け取ることができません。
提出書類が増える
白色申告の場合は、確定申告書と収支内訳書のみで手続きできますが、青色申告では、確定申告書の他に、複式簿記で記帳した各種書類、証明書類が必要となります。
各書類を作成するためには、日々の帳簿管理も大切ですので、青色申告で必要となる書類を把握しておきましょう。
青色申告時に提出が必要な書類は以下となります。
- 確定申告書B
- 青色申告決算書
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 各種控除(医療費、住宅ローンなど)の添付書類
フリーランスの給与所得と事業所得の違いとは
「給与所得」とは、雇用契約に基づいて会社などに所属し、雇用主に提供した労務の対価として、雇用主から支払いを受ける給付による所得をいいます。
これに対し、「事業所得」とは、個人が独立して、かつ継続して行う、営利性を持った事業活動による所得です。
つまり、給与所得は雇用主に従属して得られる所得、事業所得は独立した事業活動による所得ということになります。
フリーランスの所得は、一般的には事業所得と考えられますが、契約形態によっては、クライアントから給与として報酬が支払われるケースもありますので、注意が必要です。
【職種別】フリーランスの青色申告における経費の扱い方
フリーランスが青色申告する場合、事業運営に必要な費用は、経費として所得からの控除を受けることができます。
確定申告で経費として認められているのは、主に以下のような費用です。
(1)通信費
インターネット、電話料金など、通信に関する費用
(2)水道光熱費
電気・ガス・水道などの料金
(3)消耗品費
短期間で消費する物品購入の費用(事務用品、用紙類など)
(4)外注費
業務の一部を外部に委託する費用
(5)旅費交通費
業務上の交通費や宿泊費用
(6)新聞図書費
新聞や、業務に関わる書籍・雑誌などの購入費
では、フリーランスの職種別に、どのような費用が経費として計上できるのかを、具体的な例でみていきましょう。
フリーランスエンジニアの経費の場合
フリーランスエンジニアの業務では、業務を外部リソースに委託することもあるのではないでしょうか。
このような外部への業務委託費用は、「外注費」として計上できます。
その他、エンジニアリング業務で必要となる、技術専門書や参考図書は、「新聞図書費」に計上できます。
フリーランスデザイナーの経費の場合
フリーランスデザイナーは、Webデザインのために画像編集ソフトを導入したり、写真やイラスト素材を購入したりすることが多いと思います。
これらの購入費用は、すべて「消耗品費」として計上できます。
また、業務用のWebサイトやブログを運営している場合には、サーバー利用料やドメイン取得費用も、経費として計上できます。
計上項目は、「通信費」「支払手数料」「広告宣伝費」が主に使用できますが、運営目的などを考慮して決定しましょう。
フリーランスライターの経費の場合
フリーランスライターの業務では、パソコンやPC周辺機器、インターネット環境が必須ではないかと思います。
パソコンやPC周辺機器など、業務に使用する備品は、「消耗品費」として計上できます。
ただし、パソコンであっても、10万円を超える高額商品については、「原価償却費」に計上する必要がありますので、間違わないように注意してください。
また、インターネット接続のプロバイダ料金は、「通信費」で計上できますが、このインターネット環境を事業以外の用途でも使用する場合は、事業での使用比率に応じて、プロバイダ料金の一部を経費として計上しましょう。
フリーランスが青色申告で経費にできる割合はどれくらい?
事業に必要な物品購入などの費用は、基本的にすべて経費として計上できます。
しかし、所得に対する経費の割合が高く、不釣り合いと判断されると、税務署から指摘を受けることもありますので注意が必要です。
では、経費にできる割合はどれくらいが妥当なのでしょうか。
業種や業態によっても異なりますので、一概に「所得の何%」と定義することはできませんが、目安として、経費が所得の60%を超えていると、税務調査の対象となる可能性があります。
例えば、フリーランスライターやデザイナーは、一般的には、それほど経費のかからない業種だと思われます。
仮に、所得が1,000万円のフリーランスライターが、600万円以上を経費として計上していれば、不釣り合いと判断される可能性があります。
フリーランスの青色申告でオススメしたい5つの会計ソフト
さて、これまで解説してきたように、青色申告は税制上のメリットが大きい申告方法です。
しかし、白色申告と比べて申告手続きが煩雑で、提出書類作成のために簿記や会計の専門知識も必要となることがネックとなり、青色申告の選択を躊躇することもあるのではないでしょうか。
このような時に活躍するのが、会計ソフトです。
会計ソフトを使用することで、本来ならば必要となる専門知識がなくても会計処理を行うことができ、申告手続きもスムーズに行えます。
ここでは、フリーランスが青色申告するうえで、オススメしたい会計ソフトを5つ紹介します。
クラウド会計ソフトfreee
「クラウド会計ソフトfreee」は、freee株式会社が運営するクラウド型会計ソフトです。
有料課金事業所数は約31万事業所を超えており、多くのフリーランスが活用しています。
このソフトはスマホでの処理も可能で、レシートの自動読み込みから確定申告書の作成まで、スマホのみで完結することも可能。
使用できる機能に応じて、スターター・スタンダード・プレミアムの3つの料金体系が用意されており、処理用途や事業規模によって、最適なプランが選択できます。
各料金プランとも、無料で30日間試用できますので、使い勝手などを確認したうえで、導入を検討しても良いでしょう。
マネーフォワードクラウド会計
マネーフォワードクラウド会計は、株式会社マネーフォワードが運営するクラウド型会計ソフトです。
豊富な機能ながら安価な料金プランで、フリーランスにもオススメできます。
マネーフォワードクラウドは、基本的な会計処理はもちろん、給与計算や勤務管理などのバックオフィス機能も、追加料金なしで利用できることが特徴。
個人向けには、パーソナルミニ・パーソナル・パーソナルプラスの3つのプランが選べ、1か月間の無料トライアルも可能です。
弥生会計オンライン
弥生会計オンラインは、弥生株式会社が運営するクラウド型会計ソフトです。
前述の「freee」、「マネーフォワード」と並んで国内シェアが高く、無料で利用できる期間が長いのが特徴。
起業から2年以内であれば2年間、2年を超える場合は1年間、すべての機能を無料で利用できますので、経理作業時間の削減とともに、コスト的にもメリットが大きい会計ソフトです。
フリーウェイ経理Lite
フリーウェイ経理Liteは、株式会社フリーウェイジャパンが提供する会計ソフトです。
この会計ソフトの最大の特徴は、永久無料で使用できること。(ただしWindowsのみ対応)
無料ながら、決算書、試算表など必要な帳票が作成でき、初心者でもシンプルで使いやすい機能が充実しています。
特に初めて会計ソフトを導入する事業者にもオススメです。
詳細は、フリーウェイ経理Liteの公式サイトをご覧ください。
Main財務管理
Main財務管理は、メインソリューション株式会社が提供する会計ソフトです。
この会計ソフトも、「フリーウェイ経理Lite」と同じく、無料プランが提供されていますので、コストをかけずに会計ソフトを導入することができます。
総勘定元帳・貸借対照表・損益計算書などの書類作成に対応しており、確定申告するために使用する会計ソフトとしては、機能的にも十分です。
フリーランスの方はこちらの記事もご覧ください
まとめ
この記事では、青色申告で確定申告する場合の、手続き方法や注意事項などを解説してきました。
青色申告は、「青色申告承認申請書」と「開業届」の事前提出が必要で、申告に必要な書類も多いため、白色申告に比べて手続きが煩雑だと感じるかもしれません。
しかし、税制上の優遇措置が受けられることは、たいへん大きなメリットです。
申告用書類の作成については、今回紹介した会計ソフトを使用することで効率化でき、簿記や会計の知識が少ない方でも、無理なくスムーズに申告準備が進められます。
ぜひ、青色申告の節税メリットを最大限に活用されてはいかがでしょうか。
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