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【2023年最新】フリーランスが法人化する最適なタイミングとメリット・デメリットを解説


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目次

フリーランスと法人の違いとは

まずはじめに、フリーランスと法人とはどういうものかから説明します。

フリーランスとは「特定の組織や企業、団体などに属しておらず、業務委託により自らの技能を提供することで社会的に孤立した個人事業主」です。

それに対して法人とは「人とは別に権利と義務が認められている存在」のことです。

法人の具体例としては株式会社や合同会社などがあげられます。

事業開始に必要な手続き・費用

まずフリーランスにおいては文字通りフリー(自由)なため事業開始に必要な手続き、費用などは必要なくパソコンなどのインターネット環境さえあれば手軽に始めることができます。

一方、法人の場合はフリーランスの場合よりも複雑になります。

まず法人を設立するためには会社の名前の決定、定款の作成や資本金の払い込みや会社の印鑑の作成、設立登記の申請などが必要になってきます。定款とは会社の設立時に必要になる企業の根本原則が記載された書類のことです。費用は株式会社の場合は約20〜24万円、合同会社の場合は約10万円ほどかかってきます。

課せられる税金 

フリーランスの場合

  • 所得税 個人の所得に対してかかる税金です。累進課税制度という収入が高ければ高いほど税率が高くなる制度が適用されています。
  • 住民税 都道府県と市区町村に対し納める税金です。
  • 個人事業税 所得が一年間で290万円を超えると超えた分だけ支払うことになります。また、業種により税率が異なったり、そもそも税が発生しないものもあります。
  • 消費税 売上高が1000万円を超えると払う義務が生じてきます。

法人の場合

  • 法人税 法人の所得に対してかかる税金です。後ほど説明しますがフリーランスの場合よりも低い税率で払うことができます。
  • 法人住民税 会社がある都道府県や市区町村に対して支払う税です。税率は自治体ごとに異なってきます。
  • 法人事業税 事業所がある都道府県で事業をしていることに対して支払う税です。
  • 特別法人事業税 2019年10月から適用された、法人事業税の一部分を分けて導入されることとなった国税です。
  • 消費税及び地方消費税 商品、製品、サービスの提供にかかる税金です。消費税は国税なのに対して、地方消費税は地方税になります。

社会的信用度

結論から説明すると、法人のほうが社会的信用度は高いといえるしょう。なぜならフリーランスは先ほども述べたように特に必要な手続きなどはなくなることができますが、法人の場合はしっかりと手続きをして、審査なども通って初めて設立できフリーランスの場合よりも複雑であり手間のかかる作業が必要となるためです。

顧客が企業などの場合は取引の相手として法人を希望するという場合もありますので、社会的信用度が高いほどさらに事業を拡大することができる可能性が高くなります。

フリーランスが法人化するのに最適なタイミング

売上高が1,000万円を超えた時

売上高が1000万円以下の場合は消費税は免除されるのですが、フリーランスの方がもし売上高が1000万円を超えると、超えた年の二年後に消費税事業者に該当することになり消費税を払わなければなりません。税というのは1000万円以上ともなると膨大な金額を払わなければならなくなるため、できれば払いたくないものです。そんなときに最適なのが法人を設立することです。新しく設立した法人は設立から二年間の間消費税が免除されます。つまり本来はフリーランスであれば払わなければいけなかった消費税が法人を新しく設立すれば、消費税の支払いを二年間先延ばしにすることができます。消費税を節税できるということからフリーランスが法人化する最適なタイミングといえるでしょう。

課税所得が900万円を超えた時

フリーランスなどの個人に課税される所得税には累進課税制度という、所得が高ければ高いほど税の割合が高くなる制度があります。

課税所得が800万円なら23%、900万円以上なら33%所得税がかかります。

それに対して、法人の場合は法人税という税がかかってきます。法人税の税率は800万以下なら15%、800万円以上なら23.2%かかります。そして、800万円を超えても税率が23.2%以上高くなるということはありません。

つまり、課税所得が900万円のフリーランスの方がいるとすれば、税は約300万円ほどかかることになりますが、法人化をすれば税が約209万円に抑えることができ、約90万円節税できるということになります。さらに、課税所得が高ければ高いほどもっと節税できるということになります。

フリーランスが法人化する『金銭面』におけるメリットとは

欠損金の繰越控除を受けられる期間が長くなる

欠損金とは課税所得がマイナスの時のことを指します。この欠損金を繰り越しすることで課税所得がプラスになっているときと欠損金を相殺することができ、税を支払う額を通常よりも少なくすることができます。そして欠損金の繰越控除は法人設立から十年間有効になっています。個人事業主の欠損金の繰越控除は三年間有効なので大幅に期間が長くなります。

社会保険に加入できる

法人を設立すれば社会保険に入ることになります。

具体的に社会保険には健康保険、厚生年金保険、労災保険、雇用保険、介護保険があります。

厚生年金保険に加入していることで将来厚生年金と国民年金を受け取ることができます。

健康保険は怪我や病気、出産やそれによる休業や死亡といった事態などに対して給付を得ることができます。

労災保険に加入していることで通勤中、仕事中で起きた怪我や病気に対して保険給付を受け取ることができます。

失業保険はもしも失業したときに失業手当を受け取ることができます。

介護保険は介護が必要な人にその費用を給付してもらえる保険です。

社会保険に入っていることで怪我や病気などの不測の事態が起こった時に金銭面でのサポートを受けることができます。

高収入の人ほど節税効果が高くなる

先ほどにも述べたように法人化をすると売上高が1000万円を超えていると消費税、また課税所得が900万円を超えていると所得税を節税することができ、高収入であればあるほど節税することができます。

給料(役員報酬)、退職金を経費にすることができる

ちなみに、厳密にいえば経費と損金には違いがあり、損金は法人税の計算上、収益から差し引くことができる費用の額のことをさします。

給料(役員報酬)は基本的に損金に算入することができます。ただし条件があり、定期同額給与、事前確定届出給与、業績連動給与のいずれかに限られています。

定期同額給与とは毎月支払われる給与として役員報酬を支払うことです。

事前確定届出給与とは賞与として役員報酬を支払うことですが、事前に法務局へ届けなければ経費として認められないため事前に届け出を出します。

業績連動給与とは会社の業績に連動して役員報酬を支払うことです。

役員退職金は損金に算入することができます。そうすることで、法人税を節税することができます。

経費として計上できる項目の幅が広がる

法人はフリーランスが計上できる経費に加え、賞与や給与や退職金、生命保険も経費として参上することができ、かなりの額を節税することが可能になります。

最大2年間、消費税の支払が免除される可能性がある 

フリーランスで売上高が1000万円を超えている場合超えた年の二年後から消費税を支払う義務が生じてきますが、法人化をすることで設立した最初の二年間は消費税を支払う義務が免除されるので節税することができます。

決算期を選ぶことができる

決算期とは収入、支出を測定し、利益と損益測定するのに設けられる期間です。

フリーランスの場合だと決算期は12月に固定されています。

それに対し法人の場合は決算期を自由に選ぶことができます。これにより、自分の都合に合わせて決算期を選ぶことができます。全体でみると3月、9月、12月に決算期があることが多いようです。

フリーランスが法人化する『業務面』におけるメリットとは

社会的な信用が上がる

法人は設立するためにいろいろな手続きが必要になる分フリーランスの場合よりも社会的信用が上がります。社会的信用が上がることで取引においてもフリーランスの場合よりも有利にすすめることができます。社会的信用度が上がれば、大手企業の優良案件が受注できたり事業拡大できる可能性が上がります。

人材採用がしやすい・人材が集まりやすい

人材採用においても、フリーランスや個人事業主よりも前にも述べたように法人の方が社会保険に加入できたり、就業規則におけるメリットを提示できて、人材が集まりやすく、さらに優秀な人材も集まりやすいといえます。

仕事で発生した負債を有限責任にすることが可能

フリーランスなど個人事業主は無限責任になります。無限責任とはすべての債務に対して弁済の義務があります。例えばもし倒産し負債が発生した場合、個人の資産を持ち出してでも払わなければなりません。

それに対し法人は有限責任になります。有限責任とは読んで字のごとく責任が有限ということで、出資金の範囲内での責任で済み、個人の資産が差し押さえられることはありません。

例えばもし会社が倒産しても清算されていれば出資した人に対してお金を返済する義務はありません。

フリーランスが法人化するデメリット

設立登記などの手続きに時間・費用が必要で面倒

設立登記にかかる費用は株式会社と合同会社で変わってきます。

まず株式会社の登記にかかる費用は「資本金の金額×0.7」かかります。そして「資本金の金額×0.7」が15万円に満たない場合は最低でも15万円を支払わなければなりません。

次に合同会社も同様に「資本金の金額×0.7」かかるのですが、合同会社の場合は「資本金の金額×0.7」が6万円に満たない場合は最低でも6万円払わなければなりません。

また設立には様々な書類の用意に加えて法務局へ登記申請をする必要があります。法務局への申請は少なくとも一週間以上かかります。

このように法人を設立するには時間、費用が必要になります。

赤字でも、法人住民税の均等割を支払う必要がある

まず、法人住民税には法人税割と均等割があります。法人税割は法人税の額に基づいて払う税で、儲かっていれば儲かっているほど税が高くなります。

一方、均等割は法人税の額とは関係なく等しく払う税なので赤字の場合でも税を支払う必要があります。

社会保険料が高くなる(かさむ)

法人を設立すると社会保険に加入することが必須になるのでその分保険料を払わなければなりません。社会保険には健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険、介護保険があり、怪我や病気の際に給付を得られたり将来の年金額を増やすことができる反面、それらの保険料を払わなければなりません。

毎月の給与が固定される

法人化をしたら個人は給与が固定されなければ経費として認められないため毎月の給与が固定されることになります。

法人化をするための7ステップ

①設立手続き

まず会社設立までの手続きを進める発起人を決定します。

次に会社の目的、会社の名前、事業内容、住所、資本金の額、持株比率、役員構成、決算日を決めます。

また、設立登記の際には会社の実印が必要になるので実印を作っておきましょう。

そして定款を作成し公証役場で定款を認証してもらいます。

②設立登記の申請

設立登記の申請は会社の本店所在地を管轄する法務局ですることができます。

③法人名義の口座の開設

法人名義の口座を開設するためには会社の商業登記簿謄本、会社の定款、会社印、会社の印鑑証明書、代表者の印鑑証明書、代表者の実印、代表者の身分証明書、そのほか会社の運営実態がわかる資料が必要になってきます。また口座の開設には1〜2週間程かかります。

④取引先への案内を出す

個人事業から法人化したら法人化したことを取引先に通知するために法人化挨拶状という手紙を書きます。手紙の内容は法人化をしたことだけではなく、その理由や新社名なども書いておくとわかりやすくなります。

⑤役員報酬を決める

役員報酬とは役員に対して支払う報酬のことです。

そして役員報酬が損金として認められるのは定期同額給与、事前確定届出給与、業績連動給与の三種類になります。

⑥健康保険・年金の手続き

健康保険、厚生年金保険に加入するためには年金事務所に届け出をする必要があります。

また従業員を雇う場合は労災保険と雇用保険の加入手続きが必要になり、労災保険は労働基準監督署、雇用保険はハローワークで手続きを行えます。

⑦諸官庁への届け出

会社を設立した後は、法人設立届出書を税務署・都道府県税事務所・市区町村役場へ提出する必要があります。また、法人設立届出書は会社設立の日から二か月以内に提出する必要があります。

フリーランスを考えているエンジニアが把握しておきたいこと

副業から始めてみる

いつかはフリーランスを考えている人や本職以外にも収入を得たい方は、ぜひ副業案件から始めてみてください。
いきなりフリーランスになるのも良いですが、副業案件でクライアントとの信頼関係を築けていれば、
フリーランスとして独立をする際も案件に困ることはないでしょう。

そこから新たな案件を紹介してもらうことも多いです。

具体的な案件はエンジニアスタイルにも掲載しているので、ぜひ一度ご覧ください。

案件情報と自分のスキルは照らし合わせておく

自分が参画できる案件がどれくらいあるのかを把握しておくことで、
自分に今足りないことや、身につけておきたいスキルが明確になります。

その際、ポートフォリオを作っておくことが実は役に立ちます。
ポートフォリオ作成は自身のスキルの証明になるだけでなく、作成の過程で自分のスキルをあらためて棚卸することができるからです。

具体的なメリットや作成方法はこちらをご覧ください。

フリーランスになるメリットやリスクは知っておく

フリーランスになると、会社員と比較しても大きく環境が変わります。
例えば、ローンの審査や保育園の審査に通りにくくなることや、帳票をつける必要があるなどです。
特に社会保障面で会社員と異なることが多いので、これらを事前に把握して対策をしておきましょう。

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まとめ

フリーランスが法人化をする場合、節税することができたり社会的信用を得られたりするなどというメリットがある反面、法人化するための手続きをするのに手間がかかったり費用がかかるなどのデメリットがあります。法人化するべきかどうかは上記に書かれたメリットとデメリットを比較し考慮して選びましょう。特に、フリーランスの方は所得や売上高が高ければ高いほど法人化をするべきだということがいえます。

また、手続きが面倒だという方には税理士や司法書士、行政書士などと相談してみるのもいいかもしれません。

  1. 法人化のメリットは主に節税できる、社会的信用が得られる
  2. 法人化のデメリットは主に設立に手間と費用が掛かる
  3. メリットとデメリットを比べて法人化するかを決めよう
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