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システムエンジニアの定年後どうなるのか。需要の高いシステムエンジニアであり続けるために必要なスキルとは

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日本における定年後の働き方はどうなる?

日本は2013(平成25)年の法律改正によって、公的年金受給開始年齢が段階的に引き上げられています。現在、公的年金を受け取れる年齢は65歳からですが、これからさらに70歳へと引き上げられる案も出ています。

また「高年齢者雇用安定法」の改正で、希望者は65歳まで継続して働けるようにもなりました。

厚生労働省の調べによると、定年制を定めている企業は94.4%、定めていない企業は5.6%となっています。

定年制がある企業のうち、一律に定年制を定めている企業は96.9%、そのうち定年を60歳とする企業は72.3%、65歳とする企業は21.1%となっています。

以前に比べ、定年年齢が60歳から65歳へと少しずつ移行しているようです。

今は人生100年時代ともいわれ、定年後の人生が長くなってきたことで、お金の貯め方についての問題が深刻化するようになりました。

そのため、これからの時代は、定年後も何らかの形で働き続ける必要に迫られることが予想されます。

老後に公的年金以外の収入源があれば、ゆとりのある生活を送ることができますし、得られるメリットもさまざまあります。一方で、定年後にどのような仕事ができるのか、不安に思うこともあるのではないでしょうか。

ここでは、定年後に相応しい働き方について考えていきたいと思います。

定年後も働く理由って?

定年を迎えた後も心身の健康を維持し、充実した日々を過ごすために、老後も働くことを希望する人が増えているようです。

その主な理由としては、次の3つが挙げられます。

  • 生活費を稼ぐため
  • 社会との関わりを保ちたいから
  • 健康維持のため

生活費を稼ぐため

老後は公的年金だけで生活できることが理想ではありますが、実際は難しいようです。

年金の収入だけでは毎月の支出をまかなうことができず、貯蓄などを切り崩しながら生活をする人が多いと言われています。

また、公的年金だけでは自由に使えるお金にも不足することから、定年後も働くチャンスをうかがうシニアが増えている傾向にあるようです。

社会との関わりを保ちたいから

昨今、日本人の寿命は延び、定年を迎える60代という年齢でも、まだまだ心身ともに若々しく気力も十分にあるようです。

定年後に何もすることがなくなるよりも、生活のハリや生きがいを保つために、社会とのつながりを求める人も多いと言います。

生活維持のためだけではなく、このようなシニアの社会参加への強い思いも、定年後に働き続けることの大きな理由の一つとなっています。

健康維持のため

無理なく働き続けることは、心身の健康維持にも効果があると言われています。

常に体を動かしたり、考えたりする習慣がなくなってしまうと、やがて張り合いや気力も失われていき、脳の働きも衰えていくようです。

これまでに忙しく働いていた人が、定年を迎えて生活にハリがなくなると、うつ症状につながりやすいとも言われているのは、このような理由からです。

働くことは脳の活性化にも効果があり、また、社会の一員であるという自己肯定感を高めることにもつながります。

定年後も社会や人とのつながりを保つことは、心身の健康にはとても重要であり、働き続けることで、収入面でも健康面でもプラスの恩恵があります。

定年後はどのような形態で仕事をしているのか

ここからは、定年後の雇用形態や働き方について、見ていきましょう。

雇用延長

前述のとおり、公的年金の受給開始年齢が65歳に引き上げられたことで、高年齢者の雇用を確保し、生活を守るための「継続雇用制度」も定められました。

定年後も働くことを希望する高年齢者を、引き続き雇用するための制度で、次の2つの種類があります。

再雇用制度

「再雇用制度」とは、定年を迎えた人を一旦退職させ、その後、雇用形態や給与条件を変えて(正社員から臨時、嘱託、パートタイマーなど)、新たに雇用契約を結ぶものです。

退職金は支払われますが雇用契約や条件が変わるため、給与はそれまでよりも低くなります。

勤務延長制度

定年を迎えても雇用形態を維持したまま、雇用契約を延長する制度が「勤務延長制度」です。この制度の場合、退職金は勤務延長期間の終了時に支払われることになります。

労働条件や就労形態もそのまま引き継がれるため、会社の負担は再雇用制度よりも大きくなるようです。

同じ会社での継続雇用は、定年退職後の働き方としては最も一般的なようです。

これまでと同じ環境の中で働くことができるため、人間関係などの心理的な負担は少ないようですが、雇用形態が変わることで、給料が大幅に減るというデメリットもあります。

転職(正社員)

定年後の高年齢での再就職活動は、若い人に比べて不利になることもありますが、再就職先が全くないわけではありません。

それまでに培ってきたスキルや資格などを活かしたり、高年齢者でも働きやすい職場を選んだりすることで、採用される確率も高くなります。

また、ハローワークのような公的なサービスをはじめ、シルバー人材センターや、民間の転職サービスなど、60歳以上を対象とした人材紹介サービスもさまざまあります。

ハローワークの中には、シニアを対象とした「生涯現役支援窓口」が設置されているところがあり、再就職を希望するシニアの、それまでの経験が活かせるような職場探しをサポートするサービスが行われています。

求人の提供や選考までのサポートをしてくれる民間の転職サービスもあるので、これらのサービスを利用することもおすすめです。

アルバイト

最近では、シニア世代の豊富な経験や知識、若手世代への指導力などに対する期待から、シニア世代のアルバイトを積極的に採用している企業が増えているようです。

現役時代の肩書や収入、待遇などにこだわらなければ、アルバイトを見つけることは、それほど難しくはないのかもしれません。

年金を受け取りながら、足りない分を補うために、体に負担がかからない程度にアルバイトをするという選択肢もあります。

独立

定年後のシニアの中には、思うような再就職先がなかなか見つからないなどの理由から、得意な分野を活かして独立開業に踏み出す人も増えていると言います。

独立開業するとすべてが自己責任となり、大変な苦労も伴いますが、自分の好きなことを仕事にすることで得られる喜びも大きいようです。

いろいろなことに縛られず、自由な働き方ができるというメリットもありますし、それまで働いてきた中で得た知識や経験・人脈なども大いに役立ちます。

定年後の働き方の幅を広げるために、現役時代から独立開業を視野に入れて、計画的に第二の人生のための準備をしておくのも良いかもしれません。

システムエンジニアの定年後は?

IT業界において、システムエンジニア(SE)は、システム開発全般に関わる重要な役割を担っています。

デジタル技術が急速に進展していく中で、企業においても必要不可欠な存在ですので、他の人では代わりができないレベルの知識やスキルを身につけておけば、定年後、再就職を希望する際にも有利になるでしょう。

専門職であるため、雇用延長・転職(正社員)がしやすい

システムエンジニアは専門分野に特化した職業ですので、再就職や転職がしやすいと言われています。

IT技術は多様化し、十分な技術を持ったシステムエンジニアが不足しているため、社会での需要は高いようです。

スキルや専門性が高いシニア世代のシステムエンジニアであればなおさら、それまでの経験が有利に働き、定年後も本人が再就職を希望するのであれば、企業にとっても貴重な存在となりえるでしょう。

フリーランスとして独立している人もいる

システムエンジニアは、求められる能力さえあれば、いくつになっても仕事に困ることがない職種だと言われています。

定年後も現役時代に築き上げてきた人脈を活かし、独立して活躍を続けているシステムエンジニアは多いようです。

人脈があれば、仕事を得られるチャンスにも恵まれやすく、また、同業者をスカウトしたりメンバーを増やしたりといったことも可能になります。

自身で会社を立ち上げることは大変な苦労も伴いますが、働き方の幅が広がり、場合によってはそれまでより高い収入も期待できそうです。

独立すると、定年する時期も自ら定めることになります。

リモートワークもできるため、働きやすい

長時間労働が問題視されてきたIT業界ではありますが、昨今の働き方改革の影響で、長時間労働を是正する動きもあるようです。

また、コロナ禍の影響で企業におけるリモートワークの導入も進み、システムエンジニアの仕事も、内容によってはリモートワークでの対応が可能になりました。

確かな技術や経験があれば、定年後はライフスタイルに合わせて、リモートワークのような働き方を選択することもできます。

システムエンジニアの『35歳の定年説』は本当なのか。その背景を紹介

システムエンジニアの世界では「35歳定年説」というものがあります。これは「システムエンジニアの仕事は、35歳を過ぎると続けていくことが困難になる」という定説のようですが、結論から言うと、これは真実ではありません。

このような定説が囁かれる理由としては、次のようなことが考えられます。

年齢を重ねるにつれ、現場から離れることになる

どのような職種にも言えることですが、35歳頃というのは、業界の中ではベテランの域に達しつつある年齢です。社会で10年以上さまざまな経験を積み、知識や技術も身に付いているため、現場から離れて管理職へと近づく年齢でもあります。

そのため、現場のシステムエンジニアという観点では、ある意味定年と捉えても良いのかもしれません。

上流工程に携わることが多くなる

35歳頃に差しかかると、中にはキャリアチェンジを考え始める人もいるようです。

システムエンジニアとして現場で働き続ける人もいる一方、プロジェクトマネージャー(PM)やITコンサルタントなど、より上流工程に特化したポジションに進む人もいます。

また、国家資格の情報処理安全確保支援士やセキュリティの資格を取得し、サービスマネージャーや、システム監査人など、専門家タイプのシステムエンジニアを目指す人も多いようです。

技術や知識のアップデートが常に求められる

現在の企業において、業務改善のためにAI(人工知能)を導入したり、サイバー攻撃に対するセキュリティ強化のため、ブロックチェーン・Web3.0などの先端技術を活用したりするところも増えています。

IT業界・IT技術は移り変わりが激しく、システムエンジニアはサーバーやネットワーク・セキュリティなどのさまざまな専門分野において、常に最先端の技術や知識を学ぶ必要があります。

35歳が定年とされるのは、日々新しい技術が生まれることに付随して、覚えることや身につけるべきスキルへの対応が遅れるか、もしくは停滞してしまうためではないかとも考えられています。

定年を見据えた時、需要の高いシステムエンジニアになるためには

定年後も必要とされるシステムエンジニアになるためには、基本的には上述したとおり、上流工程や専門分野を持つことが重要です。

必要な資格を身に付けたり、スキルアップを図ったりすることで、定年後の展望も開くことでしょう。

システムエンジニアとして上流工程の経験を豊富にする

開発プロジェクトの工程において、上流工程は全体の土台となる重要な部分で、スキルが高く経験豊富なシステムエンジニアが担うことになります。

上流工程は、顧客の要求を分析し、システムへと落とし込む初期段階の業務で、「要件定義」「設計」「予算作成」などを行いますが、そこには幅広いスキルが求められます。

システムエンジニアとして、上流工程の経験が豊富であれば、仕事の幅も大きく広がります。上流工程の業務内容への知識を深めるために、関連する資格を取っておくこともおすすめです。

システムエンジニアとしてだけでなく、特定の専門分野を強みにする

システムエンジニア以外にも、現在企業において需要が高く、注目を集めている職種があります。

ITコンサルタント

ITコンサルタントは、IT技術を活用し、顧客企業が抱える課題を解決へと導き、業務の効率化や改善を図る専門家です。顧客の要望とシステム上で可能なこととを調整していく役割を担います。

ITコンサルタントとシステムエンジニアとの業務の違いを簡単に言えば、前者が「ITを用いてビジネス上の課題を解決する」ことに対し、後者は「顧客が求めるシステムを構築する」ということになります。

ITコンサルタントになるためには、システムエンジニアと同様、システム開発に関する深い知識が必要です。その他、コミュニケーション能力や高いマネジメント能力も求められます。

セキュリティコンサルタント・セキュリティエンジニア

システムエンジニアなどに比べると、セキュリティコンサルタント・セキュリティエンジニアといった情報セキュリティ系は比較的新しい職種です。

これらの職種が生まれたのには、IT技術の進歩と同時に、サイバー攻撃などの危険性も日々巧妙化しているという背景があります。

「顧客企業の要求に応じた最適なシステム開発」を行うシステムエンジニアに対し、情報セキュリティ系の業務は「顧客企業に対し、最適なセキュリティサービスの提供」ということになります。

近年、これらの情報セキュリティ系の職種は、企業においての需要も高まりつつあり、IT技術が進化していく限り、今後も需要が増えていくことが予想されます。

プロジェクトマネジメント

プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトの目的を定められた期日までに達成するための管理手法で、プロセスを明確にし、効率的に業務を進めていくためのものです。

プロジェクトにおいて、システムエンジニアは現場でシステム開発や設計などを担当しますが、プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体の管理を担います。

プロジェクトマネージャーには高度な開発スキルや専門知識に加え、チームメンバーや顧客とのコミュニケーション力、優れたリーダーシップも必要です。

業界を問わず、プロジェクトマネージャーの需要は高く、さまざまな場所での活躍が期待されています。

技術だけではなく、組織を統括できるエンジニアマネージャーになる

前述のとおり、プロジェクト全体の管理を担うのがプロジェクトマネージャーですが、エンジニアマネージャーは、エンジニア(技術者)を管理(マネジメント)するという役職です。

プロジェクトの中でも重要なポジションであり、担当するプロジェクトにおいて、人事・技術の両方で管理を行います。主な業務内容は、技術的なことについての判断や生産性の向上を推進すること、開発メンバーのスキル向上の支援などです。

システムエンジニアやプログラマーとして経験を積んだ後に、エンジニアマネージャーへと昇格することが多いようです。

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まとめ

定年後の長い期間を、心身の健康を維持し、経済的にも豊かに過ごすために、仕事を続ける選択をする人は増えているようです。

専門的な深い知識や技術があれば、定年後の働き方の選択肢も広がりやすく、いくつになっても強みを活かして仕事ができるのかもしれません。

定年後を充実させるために、年齢に応じた無理のない働き方について、現役のうちから模索しておきましょう。

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